韓国側が「連絡線が復旧した」と大喜びしてから2週間ぐらいしか経っていませんが、北朝鮮がまた連絡途絶状態となりました。与党側の努力(?)も虚しく、韓米軍事演習が10日から始まったためです。またコンピューターシミュレーションだけで、実起動訓練はありません。しかし、それでも北朝鮮は「失望した」と強く非難、また韓国側からの連絡に応じなくなりました。連絡というのは、南北の間で定期的に行う短い連絡のことです。連絡『線』は復旧したものの人が出てくれなくなったわけですが、韓国大統領府は何も言わないでいます。以下、中央日報から引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<金与正北朝鮮労働党副部長が10日、「私たちの警告を無視し、米国と南朝鮮が危険な戦争演習をしている」、「国家防衛力と強力な先制打撃能力を、より強化していく」と警告した。韓米連合訓練の規模は大幅に縮小されたが、北朝鮮は金与正部長の警告発言の後、突然 軍の通信による定期通話にも、南北共同連絡事務所の終了通話(※その日の業務が終了したとの連絡)にも応じなかった。金部長はこの日午前、談話を通じて、韓米連合訓練について「練習の規模は問題ではなく、どのような形式であろうと、私たちへの先制打撃を骨子とする戦争の試演会、核戦争の予備練習にすぎない」と「南朝鮮当局者の裏切りのような仕打ちに、強い遺憾を表する」と述べた・・
・・金部長は、特に、米国を狙って「米政府が騒ぐ『外交的関与』と『前提条件のない対話』とやらは、彼らの侵略の本音を隠すための偽善に過ぎない」とし「どんな軍事行動にも迅速に対応できる国家防衛力と強力な先制打撃能力をより強化していくために、さらに拍車をかけていく」とした。また、「朝鮮半島の平和のためには、まず米国が南朝鮮に展開した侵略武力や戦争の機器を撤去しなければならない」と、過去2018年以来、3年ぶりに駐韓米軍撤収を主張した・・
・・統一部は「本日17時、南北共同連絡事務所の修了通話は出来なかった」とし「これに関連し、状況を注視している」と述べた。南北は先月27日から南北共同連絡事務所直通電話を介して、毎日午前9時「開始通話」、午後5時「修了通話」を行ってきたが、この日の午後、突然通話できなくなったのだ。軍の定期通話にも応じなかった。軍関係者は、「東海地区と西海地区のすべての軍通信線で、今日の午後4時、定期通話はできなかった」と明らかにした>>
大統領府は「既存の北朝鮮の立場と同じ」としながら、これといって何も言わないでいます。しかし、この談話には、いままでの金与正副部長の談話とはちょっと違う点があります。それは、委任を受けて出した談話だ』と言い切っている点です。すなわち、これは金正恩委員長の意志である、ということになります。この部分はファイナンシャルニュースから引用してみます。
<<・・注目されるのは、金副部長は談話末尾に「私は委任に基づいて、この文を発表する」と明らかにした部分である・・・・専門家たちは、金委員長の指示に基づいて、今回の談話が発表されたものだと分析する。金委員長の妹であり、対外宣伝担当の当局者として「最高指導者」の意をそのまま反映したものである、というのだ・・>>
文在寅大統領に残された「南北関係改善」の最後の策は、北京オリンピックをきっかけにしての、南北ハイレベル対話です。平昌冬季オリンピックの再現といったところでしょうか。本当は東京オリンピックでこれをやろうとして、出来ませんでした。
米中両方に「いい子」を演じないといけない文在寅大統領としては、自由民主主義陣営から北京オリンピックがどんな目で見られるのか、その流れも負担になるでしょう。また、「日本には行かないで北京には行くんだ」との負担もあります。今回の南北通信連絡線の復旧は、そのための布石だったわけですが・・いまのところ、「愛の垂直墜落」としか思えません。文大統領の一人オリンピックは、いつ終わるのでしょうか。
※次は、お昼の前には更新したいと思います(・∀・)ノ
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