反日批判 対 政府批判 対 特権意識 

明日、朝の更新ができませんので、深夜(深夜でもないかな?)更新行きます。

韓国では、「無識なノム(奴)」、「学べなかったノム」が、もう数十年前から人を見下す代表的な表現になっています。儒教思想の影響でしょうか?ここでいう「識」や「学ぶ」というのは、基本的に良い学校に入れなかったという意味で、人をただただ見下す意味でしかありません。

実は、相手の親をも見下す表現だったりします。子が学校に通えなかったのは、親の責任ですから。ある主張に異論を出すと、「これはお前よりずっと学識の高い人が言っているんだ。だからお前の反論は間違っている」と返さえたりします。だから、ありもしない証言を作り出す人も多いです。自分の主張が反論されると、「何を言う。前に知り合ったソウル大学教授もオレの言うことが正しいと言ったんだぞ?」として自分の論拠を自分で作る人たちのことです。そんな感じの記事が一つありました。毎日新聞(日本の毎日新聞ではありません)の記事、引用してみます。<<>>が引用部分になります。

 

<<「率直に言って、日本のおかげで、私たちが豊かになったのは事実だろう。私たちが使っている鉄道だけみても、日帝治下で日本子たちが(※)敷いてくれたものじゃないか。あの子たちが支配しながら、私たちが近代化できたのも事実だ。韓日請求権協定で受け取ったお金で経済発展も成し遂げたし。にもかかわらず、日本を無条件で排斥するのが正しいことなのか?」

数日前に、バスに乗っていたときに聞こえた話だ。60代に見える乗客が、バスのスピーカーから流れてくるニュースを聞いて、突然声を高くして吐きだした言葉だ。同意を求めたいのか、話しておいて周りを見回していた。似たような年齢の乗客一人が同意したせいで、話が長くなった。その乗客は、大喜び(?)で、恥知らずに話し続けていた。

聞きたくないけど仕方ない。たまにこのようなことがある。なぜバスや地下鉄の中で言うのかはわからないが、そんな時「静かにしましょう」「小さな声に言いなさいよ」と言うと、言い争いになる。そもそも、公共交通機関で守るべき最低限の礼儀や配慮を期待するのは無理だ。このような場合は、怒りを抑えて目を閉じるのが一番だ。

でも、予想は外れた。おじさんは結局、政府に矛を向けて非難しだした。「起承転 政府非難」だ。「これはな、水に落ちた奴を引き上げてやったら、そいつから『おれのかばんを出せ』と言われるようなことだろう。反日感情を政府が助長して、政権を延長しようとしているだけじゃないか。日本よりも今の政府連中がもっと悪い」。理性的、論理的なふりをしているが、極めて粗末な主張だ。政府を非難するためなら、歪んだ歴史認識さえ正当化する有り様だ。

さらに続く。自分の主張に説得力をもたらすため、「学んだ人」としての演出が必要だったのだろう。「私はな、人脈を広げるために経営特殊大学院に行ってみたけど、みんな私の考えと似ていて、日本に接する政府の姿勢が問題だと言う。まだ若い人たちは、何を知らないでいる。若い連中は『お腹が空く』ことを知らないからだよ。ただ感情的に振り回し、「日本不買運動」だと騒いでいやがる」。

「私は大学院に通ったんだぞ」とまで言うおじさんが、何を吐くのかといえば、結局は「植民地近代化論」だ。日帝が朝鮮を占領、植民地支配したのが、結果的に、朝鮮の工業化と近代化に寄与したという論理だ。収奪のために朝鮮と地域を開発したことと、朝鮮人の、朝鮮人による、朝鮮人のための開発とは違うのに、そこから顔をそらす主張だ。これは、歴史と人間に対する礼儀ではない・・>>

 

ソース記事の記者さんよりこの「60代」の方が、4兆倍(当社比)はマシだ、と前提したいと思います。以下、そんな前提のもとでの話です。あ、そして、引用部分の流れを切るような気がしてここに書きますが、引用部分の「※」を少し説明します。韓国では、外国人またはある集団に所属した人を「◯◯(国または集団の名)奴」と呼ぶ人が多いですが、「〇〇子たち(애들)」という表現があります。「奴」よりは多少マシですが、相手を見下す表現には間違いありません。米国子たち、韓国子たち、日本子たち、などです。

 

まず、この話が本当なのかどうかちょっと疑問です。「礼儀知らずの親日60代が若い層をバカにしている」とする韓国左派の主張と、あまりにも典型的にフィットするからです。60代以上は保守右派支持が多いですから。でも、確認する術もないし、とりあえず事実と仮定します。

韓国の「反日批判」が、実は「政府批判」にすぎないという点については、同意します。政府を批判するためにそういう主張をする人たちが多いのは、間違いありません。でも、この記事の「60代」がどんな心情でそんな話をしたのかは分からないので、そこは、ま、突っ込まないことにしましょう。気になるのは、「大学院に通ったんだぞ」の部分です。

 

普通に「私はこう思いますが、どうですかね」なニュアンスで言えばよかっただろうに、と思いました。大学院がどうとかの話は必要ないでしょう。エントリーの最初に書いたとおり、ある種の権威、本当かどうか確認できない設定を持ち出して、自分に権威を与え、『私が言うことに、他人が従う』流れを作ろうとしたのでしょう。ある種の、ありもしない特権意識を欲しがる心理とも言えます。これはソース記事の「60代の人」個人だけの問題でもないでしょうけど。

じゃ、ソース記事の記者はどうでしょうか。これといった論拠も出さず、「歴史と人間に対する礼儀ではない」としているこの記者は、そんな特権意識から自由になっているのでしょうか。とてもそうは思えません。なぜなら、この記事、題が『知っている分だけ、見える』だからです。そう、記者は結局、この60代の主張を「無識な奴」と見下しているにすぎません。そのために記者が持ち出した根拠は、大学院ではなく、『歴史と人間に対する礼儀』です。

そう、韓国が日本に対してよく言い出す特権意識、『道徳的優位』と同じ単語です。

 

 

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