月刊朝鮮(朝鮮日報系列の月刊誌)が、現在の日本と韓国の外交を比べながら、「南京条約(アヘン戦争)のときと同じだ」とする主張を載せました。韓国では「明治維新のあとに日本と朝鮮の近代化の差が広がった」としているけど、明治維新がそういきなり出来るものでもないし、南京条約をどう理解していたのかで、すでにその差は決まっていた、という主張です。日本は「日本も危ない」と思い、朝鮮は「中華が哀れな西洋人に譲歩してあげた」と理解していた、と。その差が現在もそのまま現れている、というのです。以下、月刊朝鮮から引用してみます。
<<・・(※南京条約を、西洋の勝利と見た)日本の空気は、徐々に脱亜論に向かっていく。東洋の代表格である中国(清)が屈服した以上、西洋が日本に押し寄せてくるだろうという危機意識も持つようになる。西洋の武力によって日本全国が割れて、各国の植民地に転落するという恐怖感が、1842年以降、日本の知識人の間に広がっていく。1853年6月に米国ペリー提督の黒船は、そのような背景の下に出現したものである。
朝鮮は、南京条約をどのように受け入れただろうか。ダンパサウム(党派争い)ばかりだった朝鮮は、1842年、条約の意味どころか内容もしっかり把握できていなかった。自ら鎖国しすぎで、朝鮮は最初から基本的な情報自体を確保することができなかったのだ。朝鮮は清の一方通報に基づいて南京条約を理解することになる。「野蛮な西洋人を可哀想に思い、中国の深い度量に基づいて、外国に部分的に扉を開けることになった」な内容の、中華思想に基づいた言い訳を信じたのだ。朝鮮は南京条約の意味も知らないまま、中国の一方的な『体面』の解説だけを信じた。南京条約以降も、以前と同じ視点で中国に接した。むしろ、鎖国をさらに強化した。西洋人が一人でも入り込まないようにすると、朝鮮の内部事情が分からないだろうから、徹底して扉を締めたまま生きていけばいいとの論理が広がった。「私たちだけで(ウリキリ)」を呪文のように繰り返す、北朝鮮の主体思想と全く同じだと見ていいだろう・・
・・(※2021年の)米中関係を見る日韓の姿勢と、情勢観は、果たしてどう現われているのだろうか。結論から言えば、南京条約当時の韓日間の認識差をほぼ同じである。180年以上が経った状況なのに、韓国はまだ興宣大院君のような政治家であふれている。民族という名の下の、井の中の蛙な鎖国政治家ばかりだ。インターネットの時代と言いつつ、情報分析どころか情報そのものも確保していない状態だ。それでも目を開けているかぎり、現場の韓国外交官たちの目にも、現状がどうなっているのかは見えている。しかし、政策決定者である政界には、興宣大院君ばかりだ。現場と政策決定者との乖離が、取り返しのつかないほど深く広い。
日本はどうだろうか。変化の流れを早くから見極め、積極的に準備して、行動している。過去には、出島のオランダ人を介して行われたというが、21世紀の現在では、米国を中心としたアングロサクソン国々やヨーロッパ発の情報で対応している。現場と政策決定者が一体となって、前進している。
現在、日本の第1の懸念事項は、米中問題だ。日本最大の国内問題はコロナ19ファンデミク解決だろうけど、外側に目を向けると、やはり米中激突問題だ。一時、日本の新聞と放送が毎日騒いでいた北朝鮮の核問題、韓国との問題は、二の次になっている。オリンピック直前、文在寅大統領が訪日を条件に、何か「ビッグディール」を計画したようだが、日本の事情をあまりにも知らない、一方的な求愛にしか思えなかった。
現在、日本は韓国をさほど必要としない。韓国との経済関係が悪くないからである。むしろ対韓輸出は増えている。歴史問題でうるさいけど、与党・野党はもちろん、日本全体の世論も、韓国との対話は来年選出される新大統領との問題だと言う。
以前なら、米国が日本の背中を押して、日韓協力を促しただろう。バイデンは、そのような圧力を嫌う。最初から、する意思もない。筆者の判断では、左派理念と反日で武装した韓国の主張や論理は、ワシントンでは通じないでいる。日本の考えに耳を傾け、傾けないといけないというのが、2021年1月バイデン政権発足以来の、ワシントンの雰囲気だ。中国の牽制のために日本が「絶対に」必要だからである。過去、朴槿恵大統領には安倍首相がストーカーのように見えたかも知れないけど、現在の菅首相、さらに次期首相が、米国の圧力で韓国と会うことはないだろう。事実、日本の背中を押したところで、米国が韓国から得られるものも無い>>
全般的に、韓国側の記事としてはしっかりしたものだと思いますが、いくつか「?」なものもあります。他はともかく、安倍総理が朴槿恵紙に「会ってくれ」と言ったこと、ありましたっけ。あと、日本が韓国に対してこれといった対応をしないのは、「輸出が増えているから」ではないと思います。
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