「私たちは善良で純粋、あの人たちは邪悪」

本エントリーのソース記事(コラム)を書いた人は、小説家チャン・ガンミョン氏です。経済や社会の専門家ではありません。ただ、内容がどことなく本ブログと似ている気がして、紹介します。韓国では、辞典にまで「民族情緒」だと出てくる、恨(ハン)。その根源は、「私以外の誰かが悪い」とし、その怒りを永遠に維持すること。旧ブログのときからずっと書いてきた内容の一つです。その点についてのコラムです。以下、朝鮮日報です。引用ではありますが、抜粋して繋げたものになります。

 

<<私は、神はいないと思う。来世もなく、死ねば土になる土だけだと思う。しかし、そんなことを葬儀場や礼拝党で口にしたことはない。私も他の人と同じく、社会的仮面をかぶって生きているのだ。講演場でもそうだ。じゃ、これは偽善だろうか。違う。私は、礼儀だと思う。他人とある場所で一緒にいるときに、言語と行動に制約を加えて相手への尊重を示すという意味だ。しかし、これは決して嘘や怠惰(いいかげんさ)に頼れという意味ではない。自分の体臭を気にする患者に配慮し、看護師が「大して臭いなんかしません」と話すことはあるだろう。でも、その看護師は、患者の体臭について医師に報告しないといけない。それが患者のためだ。

公論の場で未来について行う議論は、「聞いて気持ちのいいだけの言葉」であってはならない。現実に基づいていなければならないのだ。ソーシャルメディアの登場で、言葉と文の境界が不明瞭になり、公論の場とプライベートな空間の壁も崩れた。現在、多くの人々が、『聞いて気持ちの良い言葉』を公論に要求している。新しいメディア技術で、そんな言葉だけを選んで聞くこともできるようになった。その結果、「現実ではないけど、聞いて気持ちいい言葉」が、公論の一部になってしまった。

 

韓国社会の多くの挫折は親日派のせいである。不動産価格の高騰は、一部の投機勢力のせいである。そんな言葉を聞くと気持ちが良くなる。私の不幸を明快に説明し、意味を付与し、私のせいではないと教えてくれるからだ。しかし、それは事実ではない。このような誤った診断に基づいて政策を作ると、大きな問題が起きるだけだ。

残念ながら、そのような『仮想現実』を好む人がますます力を得る世の中である。韓国だけでなく海外でもそうだ。彼らが叫ぶスローガンは、国によって違い、左派とも右派とも呼ぶが、彼らの実体は、ただの『知的な怠惰と卑怯』だ。「善良で純粋な私たちと、邪悪な彼ら」という気持ちいい言葉だけが、彼らの真の理念である>>

 

「ウリは善良で純粋、ナムは邪悪」と書いたほうがいい気もします。多分、ソース記事の方が書きたかったことは、「単に『聞いて気持ちいいだけの戯言』が、まるで礼儀のようになり、それを政策にまで反映するようになった」ということでしょう。親日がどうとかの騒ぎも、所詮はその一つにすぎない、と。

個人的にちょっと書き加えたいことは、「礼儀を知らない人は、どんどん つけあがる」点です。韓国の反日の最大の問題は、「最小限の尊重(礼儀)を示さない」ことです。これは、「たとえ喧嘩でも、超えてはならない線を超えたらそれで負けになる」と思う日本と、「超えてはならない線を超えてこそ相手を支配できる」と思っている韓国の、大きな差でもあります。今までの日本は韓国に「礼儀」を示し過ぎで、韓国は日本に「礼儀」を示さなさすぎで、現実において守るべき基準のいくつかが崩れてしまいました。最近は、日本はその基準を正常化しつつあり、韓国だけが騒いでいるように見えます。そういう現状においても、ソース記事は良いアドバイスではないでしょうか。

「読んでいて気持ちいいものではないから、認めない」で終わってしまう可能性のほうがずっと大きいでしょうし、なにせ、「恨(ハン)」の無い韓国社会など、ありえないでしょうけど。恨のない韓国社会なら、それはもう韓国でない別の何かでありましょうから。

 

 

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