「国際法違反状態」は誰も言わない

韓国語のポータルサイトで「関連度順」ではなく「最新順」で検索をかけてみると、時期にもよりますが、びっくりするような結果が出ます。「韓日関係」を検索してみると、「ハンイル(韓日)」が「ハン イル(~やったこと)」と誤認され、「やったこと」と「関係」が書いてある記事がたくさんヒットします。「徴用(ジンヨン)」で検索してみると、パッケージング(包装)用ロボットの記事が複数ヒットします。パッケージン用(ヨン)だからです。でも、もちろん「韓日関係」「徴用(旧朝鮮半島出身労働者問題)」関連記事もちゃんとあるので、見つけるのにそこまで苦労することはありません。

私が検索に使うキーワードの中でもっとも『空振り』が多い、いままで空振りしかなかったものは、「国際法違反」です。これもまた時期によりますが、「国際」「法」「違反」の数々の記事がヒットしまくります。でも、その中に、日韓関係においての韓国の国際法違反主張に関したものは、ありません。『日本がそう主張した』な記事ならありますが。

 

実は、1年ぐらい前までは、少数ですがありました。一部の人たちが、『基本条約があるかぎり、国際法違反だという指摘から自由にはなれない』とする意見を出しました。あまり大手ではないところの、寄稿文の形ではありますが、あるにはありました。それが、最近は本当に『ゼロ』状態です。

ソース記事とするほどではありませんが、今日は中央日報にシン・ガクス元駐日韓国大使の「新しい政府が日韓関係をリセットできるようにしないといけない。その点、東京オリンピック訪日の霧散は残念だった」とする内容の文を寄稿しました。いろいろ書いてありますが、結論は『外交的になんとかしろ』で、方法については提起されていません。以下、中央日報からの引用が結論です。<<>>が引用部分になります

<<・・韓日両国は今年下半期、それぞれの大統領選挙と自民党総裁選挙、総選挙で政治の季節に進入し、外交の難題を解く政治的余力を期待することは難しい。最善は追加の悪化を防ぐ管理を強化し、来年、新しい政府発足を契機にリセットを模索する環境を造成することである。バイデン政府も幕の裏では善意の仲裁の役割を図っているだけに、両国の指導者が実用的な観点から、政治的意志を発揮して関係回復の道を開いていくことを期待する>>

 

「・・かんりをきょうかしらいねなたらしいせいふはっそくをきっかけにりせっとをもさくするだけにりょうこくのしどうしゃがじつようてきなかんてんからせいじてきいしを(中略)きたいする」って長すぎないでしょうか。これなら、「二人はいつまでも(首脳会談せずに)幸せに暮らしましたとさ」でも問題ないでしょう。タイトルは「恨(ハン)デレラ」。

 

私は、「もう自民には票をやらない」という意見を、さほど信用しません。適当に言う人のほうが圧倒的に多いと思いますが、「じゃ、どこに票を入れるのか」をハッキリしない、または何か別の理由で隠しているからです。むしろ、「次は立憲民主党にする」という意見なら、信用します。「肯定(同意)する」という意味ではありません。嫌です。いやーんです。でも、それは率直な意見であり、少なくともその言葉は『代案(党の政策など)』を提起しています。

 

そう考えると、最近の日韓関係関連の記事を読んでいると、「立憲民主党に票を入れるぞ」よりもレベルが低い気がします。しかも、日本側はすでに『韓国は国際法違反状態』をハッキリしています。急に韓国がそれを認めて「やはりそうですね」というスタンスを示すとは期待していません。ただ、韓国政府は『国際法違反ではない』という政府公式の論拠を出す必要があるでしょうに、それすらしていません。「国際法違反」という話を徹底して避けているだけです。民間領域では、寄稿文を介してかろうじて出ていた「国際法違反の可能性」関連の意見提起も、完全に消えました。保守右派とされる新聞からも、そんな主張はもうありません。

邪推にすぎませんが、そんな意見の提起が『しない』ではなく『できない』なにかの事情があるからこそ、こんなにも空振りな意見だけが溢れるのではないでしょうか。「立憲民主党に票を入れると言うと、私が立憲民主党支持者だとバレるではないか。だから『自民は悪い』と言え。そのほうが効果がある」。今の韓国には、そんな意見しかありません。

 

 

最近、更新時間がまた不安定になって申し訳ございません。

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