日本政府に韓国内財産開示(財産明示)を命じた韓国裁判所ですが、普通なら「この開示命令自体が、ウィーン条約違反にならないのか」を考えるものでしょう。ですが、韓国の裁判所は、強制執行(財産開示からの差し押さえ)がウィーン条約とは関係ないと明らかにしています。6月のことです。以下、今年6月15日の「ニューストマト」(個人ブログみたいな名前ですが、ケーブルテレビ局まで持っている中堅企業です)から引用してみます。<<~>>が引用部分になります。
<<日本政府を相手に起こした損害賠償訴訟で勝訴した慰安婦たちが申請した財産明示を、裁判所が受け入れた。15日、裁判所によると、ソウル中央地裁は9日、ベ・チュンフイさんなど慰安婦被害者12人が日本政府を相手に出した財産明示申請について「債務者は財産状態を明示した財産目録を財産明示期日までに提出せよ」と決定した(※この『期日』が決まったのは昨日のことで、一部の記事によると3月21日だとのことです)。財産明示申請は、債務者自身が財産の内訳を明らかにさせてくれと裁判所に申請する制度だ。
ナム判事は、慰安婦被害者には強制執行を申請することができる権利があり、日本政府の行為は国家免除の例外に該当し、強制執行の申請は適法であると判断した。まず、「強制動員労働者の日本企業への慰謝料請求権は、韓日請求権協定の対象に含まれていないので、訴求することができると判断した最高裁判決があり、債権者の損害賠償請求権の性質は強制動員労働者の損害賠償請求権と違うと見ることはできないので、債権者が損害賠償請求権は、訴求も強制執行申請もできる権利がある」と説明した。
また、「このように、債権者の強制執行の申請がウィーン条約27条に反するものだとは見ることができない」とし「2015年12月28日慰安婦合意は、国会の同意を経ていない政府間の合意に過ぎず、条約に該当すると見ることができないので、ウィーン条約の違反かどうかとはさらに関係がない」と述べた。
また、「国によって強行された殺人、レ◯プ、拷問など人権に対する重大な侵害行為に対して国家免除を認めると、国際社会の共通の利益が脅かされ、むしろ国家間の友好関係を害する結果をまねく点などを総合すると、日本政府の行為は国家免除の例外に該当する」と判示した。
先にソウル中央地裁は、1月8日べさんなどが日本政府を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、日本政府が原告にそれぞれ1億ウォンずつ支給するよう宣告した。その後、日本政府が控訴せず、べさんなどの勝訴が確定した。しかし、日本政府が敗訴しても対応しなかったため、べさんなどは、損害賠償の強制執行のために、4月、裁判所に、日本政府の財産を公開してほしいという訴訟を提起した・・>>
昨日も書きましたが、いまは「そこまで出来る度胸があるのか」としか思えません。「財産明示はウィーン条約に違反しない」としているから、「強制執行のための手続きは問題ない」という意味ですが・・いざ執行するときになると手のひら変えて「ウィーン条約があるし~」になる可能性も十分あります。その点、『海外の日本政府の財産を差し押さえればいい』という意見もあります。まだ6月の裁判所判決(ウィーン条約は問題ないとする内容)が出る前のものですが、引用して終わりにします。
<<・・ウィーン条約の保護を受けられない日本政府の財産が、海外のあちこちに散在している。証券投資や債券投資や不動産や工場など直接投資などの形で海外のいろんなところに財産が多い・・・・2019年5月24日付の「連合ニュース」「日本対外純資産3千700兆ウォン」は、「昨年末基準対外純資産額が341兆5千560億円(約3700兆ウォン)」とした後、「日本の対外純資産規模は数値が公開された主要国の中で28年連続で1位を記録した」と報道した。このように海外の資産が多いので、日本政府は、その中の政府資産が強制執行の対象とされていないかと心配しないわけにはいかない。
もちろん、慰安婦被害者に1億ウォンずつ賠償するとしても、総額規模が大きくないため、日本政府に大きな負担は無い。しかし、国家主義性向が特に強い自民党政権としては、日本国家が外国民間人に敗訴して強制的に財産を出すことを恥辱だと認識するだろう。また、強制執行の形式で賠償金を出せば、最初からきれいに謝罪して賠償したらよかったと後悔することになるだろう・・(成均館大学史学科キム・ゾンソン博士、オーマイニュース3月29日)>>
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