韓国外交部が、久しぶりに公開的に『韓国は国際法違反状態』を否定しました。たまに言うときもあるけど、韓国は『国際法違反』という単語そのものに触れるのを恐れています。そのせいで、たとえ『国際法違反ではない』と言うことすらも避けようとします。今回のようにハッキリ言うことは、そうありません。
で、よく読んでみると、その主張には(違法か合法かを離れて)妙な点があります。普通、こういう場合は、日本に対して『反論』をするものですが、反論ではなく『否定』です。言い換えれば、『国際法違反ではない』の論拠がありません。以下、ちょっと書いてみます。複数のメディアが報じていますが、全訳引用できるもの(短いもの)を選びました。文化日報です。<<~>>が引用部分になります。
<<外交部は日本三菱重工業が保有する韓国内資産の差し押さえが正当であるとした韓国最高裁判決に対する日本政府の「国際法違反」主張に対し、「全く事実と合わない」と反論した。外交部当局者は14日、記者たちと会って、「1965年韓日請求権協定の適用範囲に関する法的解釈争いがある」とし「「国際法違反」というのは一方的で恣意的な主張だ」と明らかにした。日本は強制徴用被害者の賠償問題が韓日請求権協定ですべて解決されたという立場であるのに対し、韓国は植民地支配の不法行為に対する個人請求権は認められる立場だ。
当局者は「私たちは被害者の権利実現と韓日両国の関係を考慮して、日本側に対話を通じた問題解決の必要性を一貫して求めている」とし「韓国が解決策を提示するようにと日本が言及するのは、問題の解決に何の役にもたたない」と指摘した。続いて「私たちは、合理的かつ現実的な問題を解決するためいかなる提案も扉を開けておいた」とし「何よりも被害者が同意することができる根源的解決法模索のために、日本側が誠実に対話に応じて誠意ある姿勢を示すことに期待する」と述べた。
先立って13日、日本政府のスポークスマンである加藤勝信(加藤勝信)官房長官は定例記者会見で、三菱重工業が資産差し押さえ措置に不服して出した再抗告を韓国最高裁が却下したことについて、「韓国最高裁の判決と関連司法手順は、明白な国際法違反」という日本政府の立場を繰り返した>>
以下、ちょっと指摘しています。
「外交部当局者」→日本側は官房長官が公開的に言いました。自信があるなら当局者ではなく長官クラスが公式にブリーフィングするでしょう。
「適用範囲に関する法的解釈争いがある」→基本条約そのものではなく『適用範囲』の問題なら、韓国は基本条約・請求権協定上の「紛争解決のための手続き」に従うべきでしょう。日本は相応の手続きを要求しましたが、韓国は応じませんでした。
「個人請求権は認める立場だ」→認めてはならないとは誰も言っていません。個人だろうが法人だろうが「韓国と日本の間の」請求ができないとしているのが基本条約・請求権協定の内容です。すなわち、認めるなら、韓国政府が韓国人に支払えばいいだけです。
「韓国が解決策を提示するようにと日本が言及するのは、問題の解決に何の役にもたたない」→韓国は何度も日本に案を提示しましたが、財団案など『一度拒否された案』を何度も繰り返して言うだけで、日本側に断られました。詳しくは「韓国が解決策を提示するのは解決にならない」ではなく、「解決になれそうな案が韓国には無い(国際法違反を認める以外に手がない)」です。
短いものを選んだのに、このままじゃ終わりそうにないので、ここまでにします。本当に「知らない」からこんなことしか言えないなら、外交部としては失格です。「国際法違反を認めないために、こう言うしかない」なら、現代人として失格です。
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