前 駐大阪韓国総領事が書いた「自民党総裁選候補4人と韓国との縁」

自民党総裁選候補4人が揃ったことで、韓国側からも多くの記事が出ています。何か一つエントリーしたいと思っていましたが、なんか、パッとするものが見当たりません。意外なほど普通のもの、でして。コメント欄は「なんてことだ。全員自民党じゃないか」など面白いコメントもありましたが・・(総理を直接選ぶ国民投票か何かだと勘違いしたのでしょう)

で、駐大阪韓国総領事出身の呉泰奎(オ・テギュ)氏が書いた記事を一つ紹介します。自民党総裁選候補4人の「韓国との縁」という題です。ソースはル・モンド韓国語版です。余談ですが、オ・テギュ氏は、文在寅政府が慰安婦合意を再検証するとか言って構成したタスクフォースの委員長でもありました。以下、ル・モンドから引用してみます。

 

<<・・4人のうち、誰が総裁になろうと、我々の興味は、韓国との関係がどのようになるかだ。これに関連し、彼らが韓国とどんな関係を結んできたか、韓国観はどうなのか確認することに意味があると思う。河野太郎は、よく知っているように、1993年に日本軍慰安婦募集の関与を認めて謝罪した河野談話の主役、河野洋平元外相の息子である。しかし、彼は父ほど韓国に負債意識(※日本が韓国に及ぼした被害を、返すべき借りとして認識する、という意味です。韓国側の記事にたまに出てきます)や好意を持っていないと思われる。

代表的なものが、外相だった2019年7月、強制動員被害者問題と関連してナム・グァンピョ当時駐日韓国大使に会った席で「極めて失礼」という言葉を、記者たちの目の前で浴びせた事件だ。もちろん、その後、10月1日に駐日大使館主催の国軍の日レセプションに閣僚として一人だけ参加するなど、火消しをしようとはした。しかし、「極めて失礼」発言が韓国国民に与えた衝撃が簡単に消えはしないだろう。彼はアメリカ留学で英語で会話をすることができる、日本の珍しい政治家である。外相時代にパートナーだったカン・ギョンファ長官と個人の携帯電話でよく意見を交換した。また、2000年代初め、イ・ソングォン前国会議員(元神戸総領事)を議員秘書に採用したこともある。

 

岸田候補は「不可逆解決」で有名な2015年慰安婦合意の当時、外相だった。また、これまで混乱が続く軍艦島ユネスコ文化遺産登録の紛争でも、彼は外相であった。当時、韓国は「強制労働(enfoced work)」という用語を使用することを主張したが、日本が拒否し混乱が起こった。結局、韓日外交当局の交渉を通じて「働くように強制した(forces to work)」という用語で合意し、登載が行われた。しかし、日本政府は、その後、そのような約束すらもきちんと守らずにいる。このような悪縁により、彼が首相になる場合には復活し、韓日関係に負担になることもあるだろう。

 

「女性安倍」と呼ばれる高市候補は、韓日関係で直接仕事をしたことはないが、超強硬右翼の歴史観からして、韓日関係が最悪に展開される可能性が大きい。彼女は日本のアジア侵略を謝罪した1995年の村山談話の変更を要求するだけでではなく、河野談話も「真実に基づいて」変更する必要があると主張している。植民地時代の朝鮮人強制動員も当時の日本国民として戦時徴用されたものだとし、強制動員を否定している。ほぼ毎年欠かさず靖国神社を参拝しており、首相になっても靖国神社を参拝すると公言している。在日同胞をはじめとする外国人地方参政権にも反対している。韓国と関連した事案は、ほとんどすべてに否定的な認識・政策を持っているといっても過言ではないほどの剛性右派だ。

野田候補は、配偶者が組織◯力団出身の在日韓国人という事実が話題になった。 週刊文春などが配偶者の活動と関連した報道をすると、名誉毀損訴訟を起こしたりした。彼女は韓国と関連し、目に見える発言や政策は言っていない。ただし、2015年南沙諸島と関連「中国と周辺国と米国が対立している問題であり、日本とはあまり関係ない。日本は独自路線で、韓国、中国などの周辺国と日本らしい外交をしなければならない」という趣旨のことを言って、右派マスコミの批判を買っている。

今回の自民党次期総裁選挙はこれまで以上に「霧の中」で展開されている。誰が総裁がなろうと、韓国とどんな縁があり、どのような姿勢を取ったのか、事前によく調べて備える必要があろう>>

 

縁というか、円と悪縁の話ばかりじゃないか・・な気もしますが、とりあえず、韓国側の認識はこんなものです。ちなみに、野田聖子さんは暴◯団の件を否定しています。仮にも日本で領事をやっていた人が、「野田さんは否定している」と一言もせずに(名誉毀損だとは書いてありますが)「事実」と言い切る文章を書くのは、さすがにどうかと思いました

※追記 この部分、ツイッターとコメント欄から「裁判所でそう認められた(事実だ)」という複数の指摘がありました。「事実」と書いても問題なさそうです。あえて初稿のまま残して追記で修正します)。

他の記事では、ほとんどが「これから誰が総理になっても日韓関係の変化は期待できない」とする内容で、どちらかというと河野太郎さんにフォーカスを合わせる記事が多い気がします。最後に、よろしければアンケートをどうぞ。『気軽に』どうぞ、です。

 

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