韓国、米国・イギリス・オーストラリアのAUKUSに「韓国を抜きにして対中牽制などできない」

米国、オーストラリア、イギリスの軍事同盟「AUKUS」の登場で、韓国では二つの見方が出ています。『いままで対北朝鮮に限られていた韓米同盟が、対中包囲網に使われるのではないか』というイマサラな意見と、『AUKUSによって韓国が蚊帳の外にされるのではないか』というイマサラな意見です。結論から書きますと、どちらも、クアッドの話が出てきたときに気づくべきものでした。そして、少なくとも自由民主主義陣営と足並みをそろえるつもりがあったなら、その動きに乗るべきでした。韓米同盟が対北朝鮮に限られるものなのは事実だけど、その時点で対中牽制の一部なのは言うまでもないでしょう。

しかし、この前も「韓米同盟は日米同盟より『上』」という意見が出ていると紹介しましたが、今回もまた「韓国抜きでは何もできない」という意見が出ています。以下、AUKUS関連の記事を紹介します。<<>>が引用部分となります。

 

<<・・(※米国及び関連国は)表面的に『対中国牽制』とはしていないけど、全方位の普及包囲網に速度を出す姿です。米国、日本、オーストラリア、インドの4カ国の安全保障協議体「クワッド」に続き、5カ国の機密情報の共有同盟「ファイブアイズ」拡大も検討しています。中国はこのような動きに強く反発しています・・・・韓米日の対北朝鮮三角共助を、徐々に対中牽制に拡大させる可能性も提起されています。【シン・ボムチョル 経済社会研究院 外交安保センター長:北朝鮮の脅威に限定していた韓米日安保協力を、中国、表向きには『第3国』と表現するでしょうけど、その第3国への潜在的な脅威にも適用していくことにする、そんな声が出てくる可能性が高いでしょう】。

しかし、政府は、韓日葛藤はもちろん、中国の対北朝鮮仲裁の役割と経済協力などを理由に、消極的な立​​場を堅持すると思われます。それに、来年、共産党あたり大会を通じた習近平国家主席の長期政権を狙う中国が自国の「核心利益」を掲げ、韓米日の密着を牽制するために積極的に乗り出す可能性も排除することはできません(YTNより>>

 

『中国が怒るから韓国としては避けるべき』『さて、どうやって避けるか』が前提になっているのがよく分かります。これは他のメディアの記事も同じです。

<<・・専門家たちは、バイデン政権が今回のAUKUS発足のように、新しい「韓米日3角協力」発足という大きな絵を描いていると分析した。しかし、韓日関係の特殊性と、対中牽制参加に消極的な韓国政府の立場があるので、素早い推進ではなく、徐々にアプローチするだろうと見ている。パク・ウォンゴン梨花女子大北韓学科教授は、「米国は『韓米日安保同盟』まではいかなくても、『安保協議体』までは発展させたいと思っている」とし「今は米国が様々な協議体の間の協力を図っており、私たちが浮き彫りにされないが、今後、米国が同盟ネットワークを一つの枠組みにまとめようとすると、話が変わるだろう」と述べた。

パク教授は「米国の立場からして、オーストラリア、インド・太平洋地域では、中国を牽制するために重要な同盟国ではあるが、地政学的位置と軍事力からして、最優先考慮の対象は、韓国と日本だ」とし「このために韓国と日本を抜いて、対中戦線の構築を推進することは難しい」と付け加えた・・(ニュース1より>>

 

さりげなく「日本と韓国」になっていますが、日本はすでに積極的に協力しています。というか、かなり主導的です。そもそも、クアッドは日本発の構想です。「重要な位置だからこそ何かをやる」スタンスです。問題は韓国でしょう。政府の意見やら専門家の意見やらをまとめてみると、結局は「韓国が協力しないと全部無駄だよ」としながらも、「だからこそ、韓国を放っておけ。中国に怒られたらどうする」を同時に言う。これが韓国のスタンスです。

その結果、国内向けに出てくる話はいつも決まっています。「韓米同盟が日米同盟より大事だ」「米国は韓国に依存するしかない」などです。過去エントリー(8月29日)を参考にしてください。余談ですが、盧武鉉政府のときもまったく同じ主張が出ていました。

しかし、現実は違います。ちょうどイギリス関連で、空母クイーン・エリザベスの入港を拒否したばかりの韓国が何を言うのか、と。ちなみにクイーン・エリザベスは、韓国とは半日間(数時間?)救助訓練などを行っただけで、日本とは1ヶ月間各種訓練をともにします。

なんでこんな結果になったのでしょうか。理由はとても簡単です。米国もイギリスももちろん日本も、「バカではない」からです。ギブアンドテイクとも言います。そもそも、独立も戦後の発展も、韓国にとってはすべてが「テイク」。「ギブ」の必要性を完全に忘れているのかもしれません。

 

 

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