予想より早く(?)、ノーベル賞関連記事がありました。『なんで韓国はノーベル賞が取れないのか』という題ですが、今回は研究費関連です。以下、アジア経済から引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<・・(※討論会で)イ・ジュンヨウン科学技術連合大学院大学(UST)修士・博士統合課程生は、大学院生を研究者としてちゃんと認めてくれと言いました。彼は「研究者ではなく『学生』と認識されるので、研究室で『垂直』文化が生じる」とし「研究者ではなく学生だと見られるので、休暇や給与での不利益も当然視される。堂々と研究者として、科学者と同じ安定的な給与で、創意的な研究を保証しなければならない」と指摘しました。
チェ・ジフン ポステック(POSTECH)化学修士・博士統合課程生は、韓国の研究室の垂直文化、すなわち「甲っぷり(※下に対する上の横暴)」が可能な根本的な原因を指摘しました。彼は「研究指導の面で、教授の学問的権威に基づいてい建設的な議論をするのはいいが、人件費や通勤、休暇の使用、進路まで教授にかかっているので、率直に話し合うのが難しい」としながら「もちろん、水平的な関係を結ぶ教授もいるが、そうでない場合は、牽制できる手段がない。研究室内の疎通と学生主導の研究を妨害する大きな要因だ」と言いました。
特にこの日のハイライトは、大学院生の人件費を教授らが勝手に策定し、減らしてしまう横暴が変わっていないという指摘でした。現在、国家研究課題で学生人件費は学部生100万ウォン、修士課程生180万ウォン、博士課程生250万ウォンが「下限」と定められています。しかし、ほとんどの教授は「課題参加率」という制度を口実に、学生に与える給与を70%水準に削減し、場合によっては1%だけ支給する教授もいます。課題参加率は、研究者が多数の研究課題に参加したときに、各課題から受ける人件費の割合を定めるために作られた制度であるが、教授が学生の人件費を削減するために利用しているというのです・・>>
「『権威』と『韓国の上下文化』は違う」が書いてある部分は「そうそうあるある」と同意できますし、研究費がちゃんと出るのはとても重要なことです。「韓国で『相手の意見を聞く』のは、相手の意見が知りたいからではなく、自分と同じ意見なのかどうか、すなわち味方か敵かを知るためだ」と何度も書いてきましたが、どうやらそんな文化が研究室でも流行っているようですね。確かに、これは痛いことです。というか、1%はないでしょう、いくらなんでも。
ソース記事に出ている生徒たちはかなり優秀だろうから、多分違うと思いますが・・個人的に一つだけ、『研究者が多すぎないか』という部分を指摘する必要があるでしょう。引用部分にはありませんが、韓国の『人口比研究者数』は世界1位だそうです。『多すぎる』という指摘は前から聞いていましたが、いつのまに1位になったのでしょうか。
読者の皆さんはご存知でしょうけど、これは、韓国の高い大学進学率とも繋がっています。盧武鉉大統領の頃、『大学に行けなかっただけで見下される』と嘆く人が多すぎで、『大学に行けないなら大学を増やせばいいじゃない』という単純な政策が始まりました。その結果、大学進学率が上がりました。一時80%を超え、今でも70%を超えます。『大学に行けなかったと見下された』と泣いていた人たちも大学に行けるようになり、『大学に行けなかったのは人間じゃない』と、他人を見下す側になれました。でも、そんなふうに大学を卒業できても、仕事がありません。大学卒業者の3分の1は卒業しても仕事が無く、就職できた人でも、ちゃんと自分の専門分野に就職できた人は全卒業生の半分にもならないと言われています。
じゃ、どうする?「大学に残る」わけです(就職にカウントされます)。研究する領域、勤務分野によっては、兵役で特例を認めてもらうこともできます(普通の兵役とは違って民間機関で勤務する、など)。大学に残るためには、教授の力が必要です。教授に逆らえないシステムが、すでにこの時点から出来上がるわけです。政府が出す金額にも限度があるので、競争がひどくなるのもまた当然でしょう。
そして、創意がどうとかの内容が出てきますが、他人の創意を認めない風潮が強すぎることもまた、大きな理由であることは言うまでもないでしょう。『他人が手足を動かす』苦労を考えず『私がその利益を得る』ことを犯罪と思わないようでは、何の発展もありません。万が一、何かの分野で奇跡的にノーベル賞が取れたとしても、現実を建設的に変える業績にはなれないでしょう。
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