予想通り、日韓外相会談が何の成果もなく終了しました。韓国側はまた対韓輸出管理厳格化の撤回を要求したとのことですが、国内では『ダメージを負ったのは日本側だ』と叫んでいながらも、なんでここまで撤回に熱心なのかよくわかりません。他にも旧朝鮮半島出身労働者、処理水などでも「いつもの」主張をし、日本側も「いつもの」話をして、いつもどおり何の成果もなく終わりました。以下、韓国日報から引用してみます。各記事、<<~>>が引用部分となります。
<<国連総会に出席するためニューヨークを訪問中の鄭義溶(チョンウィヨン)外交部長官が23日(現地時間)茂木敏充 日本外相と会談を行った。英国ロンドンで会ってから4ヶ月ぶりに行われた日韓外相会談であったが、主要懸案に対する立場の違いだけを再確認したと伝えられた。外交部によると、両国外相はこの日午前10時から50分余りの間、両国間の懸案解決と未来志向の関係の発展方案について意見を交換した。
鄭長官が朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和定着のための南北協力と対話と関与の重要性を強調すると、茂木外相は、朝鮮半島の平和プロセスの実質的な進展のために持続協力すると答えたと、外交部は伝えた。共同通信は、日韓外相が北朝鮮問題への対応のため協力を再確認したとも報じた。しかし、慰安婦被害者問題と旧朝鮮半島出身労働者問題、日本の対韓輸出管理厳格化などの懸案は、進展は無かったと伝えられた。
鄭長官は、日韓過去史問題の解法のための相互の努力を強調し、日本の輸出管理厳格化を撤回する必要性に言及したが、茂木外相は、従来の日本政府の立場を繰り返すにとどまった。共同通信など日本メディアは「茂木外相は、懸案解決のために韓国側の適切な対応を重ね要求したが、鄭長官は、従来の立場だけ繰り返して(会談が)平行線で終わった」と報道した。
東京電力の福島原発の処理水放流計画も会談の議題に取り上げた。鄭長官は、韓国政府の反対の意思を明らかにしたが、茂木外相は「日本政府は科学的根拠のもとに放流計画を説明していく」とだけ答えた。鄭長官と茂木外相の対面会談は昨年5月にイギリスのロンドンで行われた20分間の会談後、二回目だ。前日には、トニーブリンカン米国務長官と一緒に3者会談を行った>>
イギリスでの会談のとき(5月5日)、朝日新聞の記事にこんな内容がありました。<<・・米バイデン政権は対中国、対北朝鮮の戦略として、日米韓3カ国の連携を特に重視している。日韓関係改善の見通しが立っていないなかで今回、会談が実現した背景には米国の意向もありそうだ。日本政府関係者は『茂木氏が米側の顔を立てた』と解説した・・>>
ちょうど同じ頃(5月6日)の産経新聞には、こんな内容がありました。米国が日韓関係に介入するのではないか、という問題に関してです。<<・・日本は対北をにらんだ3カ国の安全保障協力には前向きに対応する一方、慰安婦問題などで冷え込む韓国との関係では原則を譲らない方針で、米国に対しては日韓問題への介入を防ぐための先手も打っている・・・・茂木氏は機先を制した。就任直後のブリンケン氏との電話会談や3月の対面会談で『安全保障に影響が出ないよう3カ国(※日米韓)の連携はしっかりやる。その代わり韓国との問題は日本に任せてほしい』と繰り返し念を押した。外務省幹部は『米国は日本の立場を理解している。こちらが困ることは言ってこない』と語る・・>>
この二つの記事、今回もそのまま当てはまるのではないか、そんな気がします。ちなみに、この鄭長官、一つ前のエントリーでお伝えしたとおり、会談の2時間前に『中国は経済的に強くなったから外交が攻撃的になるのも当然』と話したばかりです。米国側にもそのまま伝わったはずですが、日米韓会談では何を言ったのでしょうか。
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