韓国の言う「日韓関係改善」は、北朝鮮の言う「相互尊重」と同じ

北朝鮮の言う「相互尊重」とは、「私を認めろ」という意味でしかない。そんな話がありました。一行だけですが、興味深い意見です。なぜなら、韓国が日本に言う「関係改善」の概念とまったく同じだからです。以下、韓国の保守野党「国民の力」のイ・ジュンソク代表が訪米し、帰国しました。その際に話した内容です。ニュース1から引用します<<>>が引用部分になります。

 

<<イ・ジュンソク国民の力 代表は30日、「米国の関係者は、北朝鮮の非核化無しの終戦宣言にかなりの懸念を示した」と述べた。訪米日程を終えて帰国したイ代表はこの日、国会で開かれた最高委員会議で、「北朝鮮が条件付きで応える終戦宣言については、今後、慎重なアプローチが必要である」と述べた。イ代表は「北朝鮮は、相互尊重を話すが、その相互尊重とは、自分を認めてくれという趣旨で使う用語にすぎない」と「そのような相互尊重の理解が敷かれた南北首脳会談や終戦宣言は、最終的に北朝鮮を認めるだけだと留意しなければならない」と述べた・・>>

 

「終戦宣言」と「北朝鮮」に範囲を絞るとしても、最低限、「北朝鮮が戦争を始めた」ということ、そして、「大勢の人たちが拉北されたこと」だけでも、北朝鮮が公式に認め、南北が共に発表しなければなりません。ちなみに韓国で言う「拉北」は北朝鮮側に強制に連れて行かれたこと、「越北」は自分の意志で北朝鮮に渡ったという意味ですが、北朝鮮は「拉北は一人もいない。全員、越北である」と主張しています。日本人拉致被害者の場合は金正日氏がその存在を認めましたが、韓国人拉致被害者(数で言えば圧倒的に朝鮮戦争関連が多い)というのは存在そのものすら認めていないわけです。

また、終戦宣言の後には間違いなく「平和宣言」が来るはずだし、または終戦宣言に平和宣言と同じ意味を与える可能性もあるので、南北ともに「北(南)の政府は偽物で、北(南)朝鮮は政府でも国家でもない」としている部分を直さないといけないでしょう。この件は、北朝鮮の場合は労働党規約が憲法より上になっているので党大会などで直せばいいですが、韓国の場合は国民投票が必要です。

このように、『認める』という言葉は、そう簡単なものではありません。認めてやればいいじゃん、という浅はかな考えでアプローチすると、国家のアイデンティティーそのものに深刻な問題となります。その衝突を解決しようとするにも、相応の手続きがあり、なにより、国際法という存在があります。国際社会で認められるのか、という点です。ま、「非核化ヤダヤダ」を「朝鮮半島の非核化」で誤魔化しているぐらいですから、『北朝鮮を認めろ』を「相互尊重」で誤魔化しているのも、何も不思議ではありません。

 

で、ちょっと長いけど「オチ」に入ります。「日韓関係改善」に範囲を絞るとしても、最低限、「韓国が基本条約を破壊した」ということ、そして、「韓国が日本の名誉を踏みにじったこと」だけでも、韓国は公式に認め、発表しなければなりません。ちなみに韓国で言う「拉北」は北朝鮮側に強制に連れて行かれたこと、「越北」は自分の意志で北朝鮮に渡ったという意味ですが、この場合どうでもいいです。また、関係改善の後には間違いなく「未来志向な関係の日韓共同宣言」が来るはずだし、または関係改善や未来志向という単語に勝手にそういう意味を与える可能性もあるので、日本としては「韓国の国際法違反状態」を取り消さないといけないでしょう。

言い換えれば、『韓国を認めた』ことになるわけです。韓国が「日韓が力を合わせて~」「日韓が共に知恵を出して~」「外交的に~(外交的というのは相互であるものですから)」とする主張は、結局は『韓国の国際法違反ではない』の別の表現にすぎないわけです。それを『認める』ことは、そう簡単なものではありません。認めてやればいいじゃん、という浅はかな考えでアプローチすると、戦後処理や国際秩序そのものに深刻な問題となります。その衝突を解決しようとするにも、相応の手続きがあり、なにより、国際法という存在があります。日本は基本条約にもとづいてその解決(仲裁など)の手続きを要請しましたが、韓国側は拒否しました。ま、「日本ヤダヤダ」を「ツートラック」で誤魔化しているぐらいですから、『韓国を認めろ』を「日韓関係改善」で誤魔化しているのも、何も不思議ではありません。

 

なにがどうなろうと、『韓国の国際法違反状態』。このことだけは取り下げてはなりません。まさかとは思いますが、岸田さんが総理になって、その次に誰が総理になろうと、この点だけはぜひ貫いてほしいと願うばかりです。『問題解決』と『真の日韓関係改善』が、その中にあるからです。『改善』のニュアンスにもよりますが。

 

 

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