「韓国基準」ではありますが、日本と韓国で右翼寄りとされる読売新聞と朝鮮日報が、日韓関係に関する記事を載せました。似たようなテーマではありますが、比べてみるといろいろと『日韓比較論』的な何かがあったので、合わせて紹介したいと思います。まず、朝鮮日報からの『次期大統領、岸田総理と大和解を推進せよ』からです。以下、<<~>>が引用部分となります。
<<・・日本では、岸田が首相に就任し、韓国は来年3月新しい大統領を選出する。半年ほど残った文在寅政府内での韓日関係の改善は、事実上不可能である。今では岸田政権と韓国の次期政権が必ず成し遂げなければならない韓日大和解を念頭に置いた事前作業が必要になる時だ。すでに出遅れた感は強いが、文大統領は1月、韓米日3カ国の協力を重視するバイデン米大統領就任に合わせて「慰安婦合意が公式合意だったという点を認めている」と述べた。謝罪はしなかったが、一歩遅れて慰安婦合意を認め、自分の判断に重大な問題があったことを告白したのだ。
反日の重要な素材として活用いた慰安婦合意について文大統領が再評価したからには、来年の大統領選挙に出た候補が躊躇する理由はない。中国とはますます遠ざかり、北朝鮮の挑発が知能化する状況で、日韓両国が互いに手を離してはいけないという事実を、過去4年間、嫌なほど分かったではないか。大統領候補は、岸田政権発足を契機に韓日関係全般にわたる地雷を除去し対話に出ると公約してほしい。岸田政権も、半導体部品の輸出規制(※対韓輸出管理厳格化)という蛮行を撤回する準備をしながら、来年韓国の大統領選挙の後に備えなければならない>>
日本側の記事でもたまにこういのを見かけますが、『だから、なにが言いたいんだよ』としか思えません。なにより、韓国は『慰安婦合意の履行』をまったく行っていません。口だけで「公式合意だ」と言ったからって、それがどうしたと言うのでしょうか。日本には現状を『蛮行』としながら撤回せよと言い、文在寅政府には『すでに認めると言った』以外は何もありません。この理屈だけだと、韓国はもうやることやったから、今度は日本が応えろ、という主張にしかなりません。読んでいると、『仲良くするのが一番ではないか、な?な?そうだろう?だからお前が負けてくれよ』と、大して親しくもない相手からしつこく言われている、そんな気分になってしまいます。
次、読売新聞の記事です(日本語記事)。読売新聞は、問題の中心を「両国関係の法的基盤」の問題として見ており、だからこそその基盤を損ねた文在寅氏が最後まで責任を持つべきで、補償が必要なら韓国政府が行うべきだである、と指摘しています。
<<・・そもそも、最高裁判決には重大な問題がある。日韓間の請求権問題の「完全かつ最終的な解決」を定めた1965年の請求権・経済協力協定に反する決定で、両国関係の法的基盤を損なった。元徴用工らの主張を優先する「被害者中心主義」を唱え、司法の反日的な風潮を 煽った文在寅大統領の責任は大きい・・・・いまだに具体的な解決策は提示していない。元徴用工への補償が必要だと考えるならば、韓国政府が行うのが筋である。日本企業に損害が及ばないようにする解決策を、文政権が立案し、実行するしかあるまい。文氏の残り任期は約7か月だ。日韓関係の重荷となる負の遺産を次期政権に残してはならない。退任まで、収拾に向けて最善を尽くしてもらいたい>>
強いて言うなら、『他のことを言う前に、まず国家間の条約を守れ』です。それは『な?な?』ではなく、『法的基盤』の問題である、と。それはそうでしょう。この期に及んで大和解がどうとか言われても、日本からすると、『責任をともに背負うべきだ』以外の何事でもありません。
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