これでいいのか・・「子供の頃、貧しくなかった」が攻撃対象になる大統領選挙

うろ覚えですが、3年ぐらい前。朴元淳 前ソウル市長が、あえて貧しい人たちが暮らす場所で執務をして、「貧しい人たちの苦しみが分かった」とアピールする場面がありました。どれぐらい意味があったかは分かりませんが、韓国では、そういうアピールがよく『効きます』。韓国では、富裕な人は『悪』というイメージがあるからです。そういえば、岸田さんが総裁に選ばれたときにも、多くの韓国メディアが『金のスプーン』というキーワードを乱発していました。明らかに、嫌な感じのニュアンスで。

政治家が『貧しい苦しみを知っている』というのは、重要なことかもしれません。でも、それが、人の良し悪しを決めるようなことでしょうか。言っちゃなんですが、政治家の中に「庶民」ってどれいぐらいいるのでしょうか。彼らは彼らの立場で頑張って、出世できたわけです。貧しく暮らしたことより、むしろその方を自慢していいじゃないでしょうか。

 

でも、『ルサンチマン大国』韓国では、そんな見方は通用しません。大金持ちは悪い、雇用側は悪い。貧しいものが清廉潔白であり、雇用される方がずっと善良である。そんな固定観念が、社会を支配しています。そこを『狙った』のではないか、そんな案件がありました。次期大統領にもっとも有力な「李在明(イジェミョン)」知事(側)が、自分の子供の頃の写真と、ライバルである尹錫悦(ユンソクヨル)氏の写真を載せ、『私は貧しかった。ユン氏は貧しさを知らない人だ』という点をアピールしました。大きな反響を呼んでいます。以下、国民日報から引用してみます<<>>が引用部分になります。

 

<<・・(李知事側は)7日、フェイスブックに「イ・ジェミョンの服とユンソクヨルの服」というタイトルで写真を載せ、「考えは各自の器の分だけ」と書いた。最初にこの写真を載せたキム・ジュデ氏は「子供の頃のイ・ジェミョンの大きな(サイズが合わない)服から貧困を見て、ユンソクヨルのぴったりの服と蝶ネクタイから富を見た」と語った。ユン前総長の子供の頃の装いが裕福だった背景を代弁すると見たのだ。子供の頃の二人の姿を見ると、白黒写真の中の李知事は、作業服と推定される大きなジャケットを着ている。一方、カラー写真の中のユン前総長は、ぴったり合う制服に白いシャツを着て、赤い蝶ネクタイを着用していた・・>>

 

貧しく育った人が、『私は人生経験で、貧困の中で立ち直る方法を知っている』とし、それを自分の長所としてアピールするなら、まだ分かります。でも、『お前は貧しくなかったから、大統領にふさわしくない』になると、話がぜんぜん違うでしょう。これが『攻撃』として成立すること自体、妙なものですが・・どうやら反響がかなり大きかったようで、同じくユン前総長とライバル関係にある済州島知事ウォン・ヒリョン氏が、この件に食らいつきました。引用を続けてみます。

 

<<国民の力大統領候補ユン・ソクヨル前検事総長が、『貧困を経験してみたのか』という質問に、『貧困ではありませんでした』という趣旨の回答をした。先に共に民主党の大統領候補イ・ジェミョン京畿道知事側は、李知事とユン前総長の子供の頃の写真を公開し、その姿から2人の成長環境の違いを浮き彫りにした。11日、国民の力大統領候補・本選挙戦「光州・全北・全南地域」合同討論会で、ウォン・ヒリョン前済州島知事はウォン前総長に「(写真を見て)何を思ったのか」・・・・「一国の大統領になるには貧困の哲学が重要なのに」、「生涯に、貧しかった経験があるのか​​」、「もし大統領になったら、貧しい人々の心をどのように理解しようとするのか」と質問した。ユン前総長は、「私たちが子供だった頃は、周りに貧困というのが日常化されちた。いつも貧困を見て感じて育った」と淡々と話した・・>>

 

「貧困じゃなかったと答えた!」と記事にするマスコミもそうですが・・つい先まで与党代表が『先進国』『日本を超えた政府として記録されるだろう』と叫んでいた韓国。事実上のG8だと騒いでいた韓国。なのに、今度は『貧しかった』が大統領の資質となり、まるで国民の中には貧乏人しかいないような責め方になっています。こういう話を聞くたびに、切に思います。自由民主主義や資本主義という概念は、韓国には似合わない、と。

いろいろあったけど、今日も3回更新できました。明日こそはいつもどおり更新できればと思います。(・∀・)ノ

 

 

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