昨日から、韓国側のネットで「徴用」などを(旧朝鮮半島出身労働者問題に関するキーワードとして)検索すると、「選挙を意識したのがその理由だ」という記事がほぼ全てのメディアからヒットします。以下、一部を題だけ紹介します。
ニューシース「韓国に電話しない岸田、その理由は?」マネーS「続く岸田の韓国冷遇、その理由は?」朝鮮日報(朝鮮BIZ)「菅より遅くなる文・岸田通話・・日本言論『選挙を意識してのもの』」聯合ニュースTV「岸田、選挙を意識して文大統領を排除」文化日報「岸田総理、選挙を意識して文大統領との通話を後回し・・」国民日報「日本言論、『岸田は選挙を意識して文大統領との通話を後回しに』」MBN「岸田が文大統領と電話しない理由は、『選挙を意識』」マネートゥデー「日本岸田の意図的な韓国外し・・選挙意識して~(略)」チャンネルA「岸田、選挙を前にして韓国より中露と先に通話」時事ニュース「岸田総理が就任後に韓国に電話しない理由は?」イートゥデー「日経『岸田文在寅の通話、日本の選挙のせいで後回しに』」ニュース1「韓国との通話を後回しにした岸田・・韓国は1順位ではない」、、、ちなみに、日本経済新聞の記事はこちらです(会員限定記事です)。
これらの記事には、二つの共通点を持ちます。一つは、『韓国に電話しない理由が分かった』としていて、『選挙を意識していたかそうだったのか』と、それ以外の理由については論じていないこと。もう一つは、『日本の新聞(日経新聞)がそう言った』としていること。選挙を意識しているという見方も、部分的にはそうかもしれません。でも、それ以外の側面は完全に無視されています。
さらに面白いのは、一部のメディアの記事から、「日本経済(新聞)は、『韓国政府が解決策を提示せず、日韓関係の改善の兆しなど見えない』という日本政府の主張を共に伝えた」という一行が、後から削除されていることです。どうして分かるのか、ですって?それは簡単です。以下のキャプチャー画像をご覧ください(※ポータルサイト側の何かのシステムエラーである可能性もゼロではないので、一応、メディア名は消しました)。
韓国のポータルサイト「NAVER」ニュース欄から、「徴用」で検索した結果です。記事の題、新聞社、そして簡単な内容が表示されます(画像1)。そのサムネ内容の中に、「日本経済(新聞)は、『韓国政府が解決策を提示せず、日韓関係の改善の兆しなど見えない』という日本政府の主張を共に伝えた」という内容が見えます。ですが、クリックしてその記事を見てみると、そんな内容はありません(画像2、記事内で日経新聞からの引用部分2ヶ所つなぎ合わせ)。
韓国側はニュース通信社(聯合ニュース、ニューシース、ニュース1など)の影響力が大きいため、ほぼ同じ内容の文章が他の新聞社の記事に載っている場合も結構あります。他の記事にまだ残っているはず・・と思って探してみたら、検索結果すぐ下の「ソウル新聞」の記事にはまだありました。引用してみます。
<<・・12日日本経済新聞によると、外務省と首相官邸は「早期に(電話会談を)実施する国のグループに韓国は含めないほうがいい」との認識を共にした。外務省などはこの日以降、文大統領と岸田首相が通話する日程で韓国政府と調整しているとも、同紙は述べている。日本経済新聞は、「韓国政府が徴用問題などの解決策を提示できず、日韓関係改善の糸口が見えない」という日本政府の主張を伝えた。さらに、衆議院総選挙を控えた状況であり、自民党の支持基盤である保守層が岸田首相に不安を感じる点が、文大統領との通話を遅らせる要因として挙げられるという・・>>
「選挙を意識した」の前段階、もっと深い部分に、「韓国政府が何もしてないから」という問題意識があったわけです。当然といえば当然でしょう。だからこそ国民がこの件で「韓国に譲るな」としているものであり、だからこそ選挙を意識する必要もあるわけです。どうせ日本経済新聞から引用するなら、こういう部分までちゃんと引用すればいいのですが、まるでバイブルみたいに「日経新聞によると うわあぁぁぁ」な記事ばかりで、こういうい内容はこっそり無かったことにする。『こんな態度だから』、電話も遅くなる(来ない?)のでしょう。
最後に、また嬉しいお知らせです。拙著『日本語の行間~韓国人による日韓比較論~ (扶桑社新書)』の一部が、また『プレジデント・オンライン』で記事になりました。今回は新書判の新章の一部ですので、よろしければぜひお読みください。
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