『電話がー』なエントリーばかりが続いていますが・・韓国側メディアの日本関連ニュースはほぼ全てがこの話題なので、仕方なくまた同じ内容になりました。
メディアにもよりますが、『なんとしても希望的な部分を見つけないと』と頑張っているところもあります。岸田総理はハト派だから大丈夫だとか、日本は歴代の謝罪を継承するしかないから気にすることないという記事までありました(東亜日報)。
そんな中、聯合ニュースが、岸田総理が韓国との「意思疎通」に言及した部分に注目し、菅総理よりは期待できるという記事を載せました。詳しくは電話会談での発言ではなく、その後の記者会見での発言です。それでも「菅総理はそんなこと言及しなかったけど、岸田総理は言及した」、と希望を見出そうとしていますが・・実は、菅総理も7月に同じ発言をしています。以下、聯合ニュースから引用してみます。
<<・・韓国に強硬な安倍が岸田を首相にするために実質的に寄与した部分も、岸田の身動きの幅を制限する要素として挙げることができる。日韓関係の専門家たちは、ハト派に分類される岸田が自分の色を現わすのは、今月末の総選挙と来年の夏の参院選で権力基盤を安定させた後になってから可能だろうという分析を出している。岸田が安倍政権末期に任命された茂木敏充外相を留任したのは、外交政策にすぐには変化を与えないという布石であり、日韓関係も例外になるのは難しいだろうという分析が一般的である。ただし、岸田首相が同日、記者団に「対面首脳会談は現段階では何も決まっていない」と線を引きながらも、「日韓の意思疎通は適切に継続しなければならないと思う」とした部分は、注目される。韓国との対話の意志が見えなかった菅前首相とは異なり、意思疎通の必要性に言及したからだ>>
事実は小説よりもKなり、とも言いますが・・事実はちょっと違います。うろ覚えですが菅総理は『対話(意思疎通)を続ける』と何度も言いました。最近の事例だと、記憶に新しい、文大統領が『オリンピックに行って首脳会談すると声をかけた』事案。それが霧散された後、7月19日、朝日新聞の記事によると、こうなっています。<<菅義偉首相は19日、韓国の文在寅大統領の訪日見送りについて、「日韓関係を健全な関係に戻すために、今後とも我が国の一貫した立場に基づいて、韓国側としっかり意思疎通を行っていきたい」と述べた。首相官邸で記者団の取材に応じた・・>>。
そして、岸田総理の電話会談後の記者会見についても資料を探してみましたが、実際のものは、聯合ニュースの記事とはニュアンスがずいぶんと違います。詳しくは、「意思疎通をしっかり続けていかなければならない」の後に、こんな内容があります。以下、首相官邸ホームページから引用してみます。
<<・・日韓両国間には厳しい問題も存在しますが、日韓関係を健全な関係に戻すべく、韓国側に適切な対応を強く求めてまいります。そして、対面の会談について御質問がありましたが、日韓の意思疎通、これはしっかりと続けていかなければならないと思っています。ただ、対面での首脳会談については、今のところ何も決まってはおりません・・・・日韓関係、そして、日韓合意のその後については、御存知のとおりです。いろいろな動きはあったわけですが、私としては、国際的な約束、国と国との約束、あるいは条約、国際法、これはしっかり守られなければならないと思っています。その観点から、韓国側からしっかりとした対応をお願いしたいと思っています。そういった思いを持ちながら、意思疎通を図っていきたいと考えます。以上です・・>>
最後に、一部の記事で「両首脳は『意思疎通の加速』に意見をともにした」という文章が出てきます。これは韓国大統領府の公式発表内容ですが(中央日報日本語版)、一部の記事によると、それは文在寅大統領が言ったことで、岸田首相は、電話会談ではそんなこと言っていません(ハンギョレ新聞日本語版)。
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