個人的に結構大きなニュースだと思っていますが、一切話題にならないでいる案件です。韓国『政府』が、入国審査や空港のカメラなどで撮影した内国・外国人の顔面イメージ（顔写真など）を民間企業に提供しました。もちろん（？）、本人同意無しに、です。入国・出国手続きを「パスポートスキャン無し」にするために開発中のAIのため、とのことです。合わせて1億7千万件（※『人』ではありません）で、外国人だけで1億件以上、数千万人に及ぶとのことです。以下、ハンギョレ新聞から引用してみます。＜＜～＞＞が引用部分となります。
＜＜政府が、出入国審査に使う人工知能（AI）の開発を名分に、約1億7千万件の内・外国人の顔写真を民間業者に渡したことが確認された。生体情報である顔は、個人情報の中でも処理の規定が厳しい機密情報（※流出または毀損された場合、本人に否定的影響が発生しやすい情報のことで、病歴、個人的信条なども含まれます）とされる。政府は、この情報を、当事者の同意なしに、民間に提供した。さらに政府は、仁川国際空港の到着ロビーに数百台のカメラを設置し、生体情報を追加で蓄積している。人工知能産業育成のために、政府が無理をしすぎではないのかと言われている・・
・・この事業で、昨年、民間企業が法務部から受けとった顔面データのうち、外国人のものは1億2000万件である。民間企業は、このうち1億件は「人工知能学習」、2000万件は「アルゴリズム検証用」に使った。2018年基準で、法務部は外国人9000万人の顔写真を合計2億枚以上持っているが、このうち半分以上を使ったわけだ。国内出入国者の顔写真も「人工知能の学習」に使われた。法務部は、パク・チュミン議員に送った文書で、「人工知能の識別追跡システム事業（国内）5760万件の顔面データを使用した」と明らかにした・・
・・今年からは「リアルデータ」取得という名目で、仁川空港出入国場を通る内・外国人の「映像」も収集している事実も確認された。民間業者に渡す顔面画像情報は、今後さらに増えることだろう。法務部は、昨年だけでも、仁川空港出入国審査の周りに顔認識など88台のカメラを設置した。今年6月に科学技術部傘下の情報通信産業振興院（NIPA）が作成した事業提案書にも、100台以上のカメラを出入国審査場と審査ブースに追加設置するという計画が盛り込まれている。事業期間の2019~2022年の間に毎年100台、合計400台のカメラで現場のデータを確保するというのが政府の計画である。
顔面画像等は、個人情報の中でも、個人の身元を特定するために使われる恐れがある。個人情報保護法は、「個人の身体的特徴に関する情報として、特定の人を調べる目的で作成された情報」などを第三者に提供したり、処理するためには、情報主体（※本人）に「別途同意」を受けなければならない・・＞＞
ジャン・ヨギョン「情報人権研究所」常任理事は、「国際的にも前例が無い、衝撃的な事件」とし、「当事者の同意なし」だけでなく、「特別な根拠規定なしに推進された」などを問題視しています。本当にAI開発のためなのか、そのAIをどこに使う気か。いろいろ気になるところです。
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