外交部長官、日本の出捐金「10億円」は今どうなったかを語る

同じく国政監査でのことですが、鄭義溶(ジョン・ウィヨン)外交部長官が、慰安婦合意での日本の出捐金10億円が今どうなっているのか、いままでどんな協議をしてきたのか、それについて話しました。「韓国政府は、なにもできなかったのでは」という国会議員の指摘について、鄭長官は「問題は(朴槿恵政府の)慰安婦合意そのものだ」という趣旨で答えました。以下、聯合ニュースから引用します。<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・国民の力 チョ・テヨン議員が「(※慰安婦合意によって作られた『和解・治癒財団』の残高、約)56億ウォンを3年も放置しているが、記念事業などに使うことはできないのか」と質疑すると、「日本が、他の目的に使うのは絶対反対としている」と答えた。日本は、2015年12月、朴槿恵政府と妥結した慰安婦合意に基づいて「和解・治癒財団」に10億円を出捐した。合意時点の基準で生存被害者47人のうち34人、死亡被害者199人のうち58人に「治癒金」の名目で計44億ウォンが支給され、約56億ウォンほどが残った。

慰安婦合意を見直したムン・ジェイン政府は、日本出捐金10億円を全額政府予算で代替するとし、103億ウォンを予備費として編成、女性家族部が運用する両性平等基金に2018年出捐した。女性家族部は同年11月に和解・治癒財団の解散当時、「財団の残りの資金については、男女平等基金事業費103億ウォンと一緒に慰安婦、関連団体などの意見を取り入れながら、合理的な処理方法を用意していく計画だ」と明らかにした。

鄭長官は、「解決のためのいくつかの現実的な案を提示しており、被害者と代理人とも続けて協議中だ」とし、日本と協議した具体的な方策を明らかにした。彼は「男女平等基金名目で100億ウォンを作り、それをそのまま日本に送る方法、(和解・治癒財団基金残高と)合わせて慰安婦被害者のための別途活動をする方法を、日本が真の謝罪をした場合、(被害者に)補償として支給する方法」などを協議していると明らかにした。政府が日本軍慰安婦問題の解決と、2015年の合意の後続処理のために協議した案を具体的に言及したのは初めてだ。

鄭長官は、朴槿恵政府時代、外交部第1次官を務めたチョ議員が「韓国政府だけの過ちではないにせよ、結果的に何もできなかったと思う」としながら「原罪(不履行や見直しといったことがそもそも間違いではないのか、という意味)」を取り上げると、鄭長官は「原罪をいうなら、2015年の合意そのものがそうだ」と強く反論した。彼は「被害者と相談もせずにお金10億円に合意したことから問題が発生したではないか」とし「原罪がムン・ジェイン政府にあるように言うとはあまりにも不当だ」と声を高めた・・

・・鄭長官は「過去史問題と関連して慰安婦の名誉と尊厳を回復する問題、徴用者の権利の補償問題が大きな原則である。この原則を崩しながらまで日本と協議することはできない」と強調した。国民の力のジョン・ジンソク議員の質疑には「日本は懸案について『韓国が先に意見を提示してくれ』との話を続けているが、それは事実と違う。私たち政府が絶えず案を提示している」と答えた>>

 

どうやら、「ちゃんと不履行しています。えらいでしょう」と言っているだけです。『韓国側からして』の問題ではありますが、「不履行宣言しておいて、結局何もできなかったではないか」という質問が印象的でした。1月18日の新年記者会見で文在寅大統領自ら「2015年度に、両国政府間で慰安婦合意がありました。韓国政府は、その合意が両国政府間の公式の合意だったという事実を認めています」、と認めました(同日YTN、動画の自動再生にご注意ください)。不履行という側面からも何もできず、認めるという側面からも何もできないでいるわけです。韓国側はそれを賢い生き方だと思っているかもしれませんが、ただの自己矛盾にすぎないことは明らかです。

また、最後の部分ですが、「案を提示してくれ」ではありません。「韓国側が、解決できる(国際法違反状態を是正できる)案を出す」です。その『解決できる』部分で何もできず、似たような案ばかり出して、嘘をついて、もっとも重要な『国家間の約束』はスルーするから、『極めて無礼』とも言われるわけでして。

 

 

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