良し悪しではなく、聞いたことのない新型コロナ対策が出てきたので、紹介します。本文でも書いていますが、凶と出るか吉と出るかはまだ分かりません。
重症患者の病床を確保するために在宅治療(在宅療養)を選ぶのは、流行の具合によっては懸命な措置になりえます。日本も韓国も、いままで部分的に在宅治療を行ってきました。韓国も、いままでは「70歳未満の人で、無症状または軽症で、患者本人が在宅治療に同意した場合」のみに行ってきました。
ですが、韓国政府は重症患者の病床を確保するため、在宅治療の範囲を大幅に広げ、『原則的に感染者は全員在宅治療、在宅治療が不可能な場合のみ入院治療』という新しいルールを発表しました。外国でどうやっているのか詳しく調べてみたわけではありませんが、こういう政策は初めて聞きます。
「重症患者」と「入院患者」は違います。後者のほうがもっと多いのが普通です。入院患者たちが使っている病床やスペースを重症患者用に改造するための措置だと思われますが、医療スタッフの数が足りないのでは、意味があるのかな・・な気もします。また、入院となると相応の理由があったはずですが、そんな人たちを急に在宅治療に分類して、大丈夫でしょうか。
凶とでるか吉とでるかはともかく、ウィズコロナ(11月1日から)の前に「1日確診者1万人まで問題ない」「行政命令で十分な病床を確保できる」としていた政府の発表は、また外れたことになります。以下、中央日報から、該当部分だけ抜粋して引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<今後、国内のコロナ19確診者は、原則として自宅で治療を受けることになる。従来は制限的に在宅治療を行ったが、段階的日常回復(ウィズコロナ)施行以後、急増した確診者によって病床が不足し、在宅治療の対象を広げることにしたのだ。政府は29日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領主宰で特別防疫点検会議を開き、このような案を確定した。今後は在宅治療が不可能な確診者だけ入院治療が可能になる。今までは、70歳未満の無症状・軽症確診者に限って、本人が望む時だけ自宅で治療したが、対象を広げたことになる。増えた確診者を「入院中心」の医療体系では、ウィズコロナ下での激しい医療資源消費に対応できないというのが政府の説明だ。 29日0時基準、首都圏内の病状待機患者は1265人に達する。
在宅治療者には、医療機関の健康管理が行われる。酸素飽和度測定器・体温計・解熱剤など在宅治療キットも提供される・・・・連携している短期・外来診療センターでは必要に応じて抗体治療剤も投与される・・・・政府は、首都圏を中心に生活治療センター2000病床を追加で増やす計画だ。病床も追加で設ける。政府は来月中旬まで重症病状14個、準重病床状53個、準重症病状953個を追加確保する予定だ。準重症病状は、重症に悪化するリスクがあるか、重症から状態が改善した患者を治療する・・・・28日午後5時基準、全国の重症患者病床稼働率は76.9%だ。首都圏の場合は86.6%まで上がっている。重症患者治療病状稼働率は、ウィズコロナリスクの重要な評価指標だ。病状確保で稼働率が低くなるとリスクも減少する・・>>
国の医療システムが、「いつもの体制では運用できない状態」に入りました。繰り返しになりますが、K防疫をあれほど強調してきた韓国が、「1万人までは対応可能」「病床数に問題なし」としていたあの自信は、どこから来てどこへ去っていったのか。こういうのを「防疫政策の失敗」と言うものではないか。そうツッコまずにはいられません。K防疫自慢という寸劇さえなかったら、また見方が変わっていたかもしれませんが・・
それに、最近1~2週間で増えてきた「各病院の責任者たちのインタビュー」を読んでみると、基本的には病床を増やすことより、「その増えた病床を誰が担当するのか」を指摘しています。医療スタッフが限られているので、病床を増やしたところでどうにもならないし、新型コロナ以外の患者を診療・治療することができなくなるというのです。在宅治療をやるとして、連携する医療施設(病院ではありません)の病床を2千個増やして、それを担当する人たちはどこから連れてくるのでしょうか。
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