一つ前のエントリー関連、続報です。午後から、韓国では「ついに中国の外交部幹部が終戦宣言を支持」「文在寅大統領と習近平主席のオンライン首脳会談」が急に話題になりました。
関連記事の中には、「オンライン首脳会談が決定した」というものまであり、「問題は新型コロナであり、中国は随分前から韓国と首脳会談を望んでいた」とするニュアンスのものもそこそこありました・・・が、その直後、「中国側の公式発表に首脳会談や終戦宣言に関する内容は無い」という記事があがってきました。以下、中央日報から引用します。<<~>>が引用部分となります。
<<中国外交部は2日、ソ・フン国家安保室長と楊清篪(ヤンジェツ)外交担当政治局委員との会談で、中国が北京冬季オリンピックを成功を支持し、祈ったと発表した。中国はこの日深夜(現地時間)ごろ、外交部のホームページに北京冬季オリンピックと韓中経済協力を強調する内容の会談結果文を掲載した。関心を集めた終戦宣言と両国首脳のオンライン会談は、発表文では言及されなかった。
終戦宣言を含む朝鮮半島問題について、発表文は「中国は一貫して朝鮮半島南北両側の関係改善を支持し、「双軌並進」構想と、段階的な『行動 対 行動』原則を主張する」とし「対話と交渉を通じて朝鮮半島問題を解決し、各関連国と一緒に朝鮮半島の平和と安定を守護し、朝鮮半島の長期的な安定を実現するために建設的な役割を発揮したい」と既存の立場を繰り返した。
中国が語る「双軌並進」構想とは、北朝鮮の非核化議論と朝鮮半島の平和体制を同時に推進しようという主張だ。終戦宣言議論については、「両側はまた共同関心の問題について意見を交換した」という方式で、遠回しに表現した。文在寅大統領と習近平中国国家主席のオンライン首脳会談の可否も、発表文にはなかった。代わりに、ヤン・ジェツ委員が「高位層交流と戦略的コミュニケーションを強化したい」と話し、ソ・フン室長は「中国と密接な高位層交流を期待する」と明らかにした、と発表した。
発表文は、終戦宣言や北朝鮮核より、経済を強調した。ヤン委員は「世界の主要経済主体であり、多国間自由貿易体制の堅固な支持者である韓中両国は、相互補完的優勢を引き続き発揮し、両国と地域ないし世界産業チェーンとサプライチェーンの安定的なコミュニケーションを力を合わせて保証しなければならない」と強調した・・>>
このソ・フン大統領府安保室長の訪中の前に、韓国側はかなり力を注ぎました。チェ・ジョンゴン外交部次官(日本が共同記者会見をキャンセルしたあの協議の韓国側参加者です)が、わざわざ米国で行われた安保関連フォーラムで「韓国が中国と良い関係であることと、悪い関係であること。どちらが米国にとって利益になるのか?私にはよくわからない」と話したのが11月24日。外交的不参加に関する話が出ている中、わざわざ『大統領府の核心関係者』はマスコミ取材陣に「韓中両国は高位級交流を通じて戦略的疎通を維持している。両国は終戦宣言を協議中であり、確定次第、詳細な状況を追加的に発表できるだろう。北京冬季オリンピックを契機とした終戦宣言推進の可否を議論する計画だ」と話したのが、11月30日。そして、ソ・フン室長が訪中したのが12月2日です。
でも、結局は、いつもどおり、「韓国側で話題になり、中国側の発表には無し」パターンは、今回も同じでした。じゃ、一つ前のエントリーの内容、「終戦宣言支持して欲しければ、中国とのサプライチェーン協力を強化せよ」というものは、嘘だったのでしょうか。個人的に、そうじゃないと思います。
事前にある程度の調整を行った首脳会談の共同記者会見ならともかく、韓国大統領府の秘書室長と中国外交部(外交担当政治局)局長の会談において、サプライチェーンがどうとかの内容に即場で答えられたはずはありません。中国としては、韓国側が中国の要求に応じた場合、「このとうなご褒美を考えてやってもいいよ」という話をしたのでしょう。そう、中国側が今回も何の発表もしなかったのは、「その褒美は、あくまで、韓国側が良い返事をした場合の話だ」という点を確実にするため、でありましょう。
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