民主主義サミット、日本「深刻な人権状況に声を上げよう」/米国「独裁権力と戦おう」/韓国「偽ニュースと戦うため、『個人・表現の自由』は全体との調和が必要」

米国主導で、民主主義サミットがオンラインで開催されました。

バイデン大統領は「独裁権力を持つ人たちが、影響力を強化しようとしている」と、岸田総理は「自由、民主主義、法治は基本的価値観」「深刻な人権状況には声を上げる必要がある」と話しました。台湾が参加していることからも、中国を狙った発言だとみるべきでしょう。でも、北朝鮮なども明らかに該当します。日本の総理が「基本的価値観」と言うと、韓国も気まずいでしょうけど。

ですが、その場で、文在寅大統領は妙なことを言いました。「民主主義が、偽ニュースの挑戦を受けている」とし、偽ニュースと戦うというのです。確かに偽ニュースはよくないですが、そのためには個人の自由・表現の自由すらも、「みんな」と調和を成し遂げなければならない、とも。

言論仲裁法など、国が「偽ニュースかどうか」を決めて懲罰的損害賠償できる法案、そして、光州民主化運動や併合時代関連で「正しい歴史かどうか」を国が決める法律を次々と用意・主張してきた韓国。心の曇った私には、文大統領の発言が無理のある言い訳にしか聞こえません。以下、KBSから引用してみます(※ソースページ、動画の自動再生にご注意ください)。<<>>が引用部分となります。

 

<<文在寅大統領も「民主主義首脳会議」本会議に出席しました。民主主義が偽ニュースなどで挑戦に直面したとし、自浄能力を強調しました。中国を刺激しそうな言及はありませんでした。(※以下、記者のレポート)米国バイデン大統領主宰で12カ国だけ参加した(※全体参加国は110ヶ国です)民主主義サミット、本会議の初めてのセッション。

非公開で行われたこの会議で、少数の首脳に発言機会が与えられましたが、文在寅大統領も含まれました。文大統領はこの場で、民主主義を脅かす要素としてポピュリズムと極端主義、不平等と双極化、憎悪心、偽ニュースなどを挙げました。

特に、偽ニュースから民主主義を守る自浄能力を育てなければならないとしながら、個人の自由と表現の自由はしっかり保障するけど、皆のための自由と調和を成し遂げるべきだと強調しました。文大統領はまた、不正腐敗こそ民主主義の最大の敵だとしながら、請託防止法、公益申告者保護制度など韓国の反腐敗政策成果を国際社会と共有すると言いました。韓国の電子政府システムも開発途上国と分かち合うと明らかにしました。

文大統領は、半世紀ぶりに経済発展と民主化を共に成し遂げた経験をもとに、今は韓国も国際社会の民主主義の増進に寄与していくと強調しました。今回の会議で、バイデン米大統領が中国とロシアを直接狙って批判発言を打ち出したが、文在寅大統領は中国に関連した特別な言及はしませんでした。米国は同盟ではあるが、最大貿易国である中国との関係もおろそかにできないだけに、発言に最大限慎重を期したものと解釈されます>>

 

嘘はいけません。民主主義でも社会主義でも、嘘がいけないという価値は共有します。でも、問題なのは、「それが嘘なのかどうか」を、誰がどうやって決めるのか、でしょう。民主主義での「嘘」の決め方と、一部の事案において韓国が示している「嘘」の決め方は、かけ離れています。

歴史関連は言うにも及ばず、いまは一旦保留状態になっている、言論仲裁法(委員会を作って今年いっぱい議論することになっていますので、来年にはまた騒ぎになるでしょう)などもそうです。偽ニュースを重く処罰するというけど、「偽」の基準が曖昧すぎで、結局は政府の決め方によります。そもそも法律というものは、強制力を持っているので、『どんなこと』に適用するのかを論ずるのが最初のステップですが、そこからズレています。岸田総理も言っていますが、法治は民主主義の基本です。口では「法」を作るとしながら、基本的な価値観が成立していないわけです。

 

 

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