韓国、ついに「ウィズコロナ」を放棄・・その45日間の成績表は

韓国政府が、公式宣言はまだですが(どうしても失敗したと言えないっぽい)、ウィズコロナ、韓国で言う「段階的日常回復」を諦めることにしました。長くなるので詳しくは書きませんが、緩和される前の防疫措置を、復活させるそうです。ただ、まだ日付などは未定です。

11月1日から45日ぶりで、わずか15日前に文大統領は「後退はできない」と話したばかりです。「ソウル経済」紙が、K防疫の新ステージとなるはずだったウィズコロナ45日間を数値でまとめました。以下、ソウル経済から引用してみます。<<>>が引用部分となります。

 

<<段階的日常回復(ウィズコロナ)が45日ぶりにUターンする。先月1日から始まった段階的日常回復以後、1カ月半の間、累積死亡者は1600人を超え、確診者は17万人発生した。命が危ない重症患者は現在1,000人に迫っている。アマチュアのような政府の段階的日常回復政策により、大きすぎる傷だけ残したまま、再び所定の位置に戻ることになったのだ。専門家たちは、政府の安易な現実認識、準備の不足、現場とのコミュニケーションの欠如が、段階的な日常回復が失敗した原因だと分析する・・

・・先月1日、段階的日常回復を施行して以後、累積死亡者は1,607人に達した。昨年1月、初のコロナ患者が発生してから2年間に発生した全死亡者の36%が、わずか45日間で発生したのだ。同期間の累積確診者は17万1803人で、同じく全体期間中の確診者の32%を占めた。首都圏の医療対応余力は飽和状態で、同日、首都圏の重症患者用病床稼働率は86.4%を記録し、病床配分待機者(入院待機)は1,145人に達した。医療界は、医療インフラ、ワクチン接種率など十分に準備ができていない状態で、早急に日常回復を始めたことがこのような残酷な結果をもたらしたと指摘した。特に致命的な失敗要因として、政府のコロナ19重症患者予測失敗を挙げた・・

・・キム・ビョングン博愛病院病院長は「経済協力開発機構(OECD)国のうち、日本の次に病床が多い韓国で、患者が入院できない状況が発生した」、「重症患者治療室で患者が死なないと、待機者は入院できない。患者たちは、自宅や救急車の中で病床が空くのを待っている。医療システムは事実上崩壊しているのだ」と指摘した・・・・去る14日基準、「在宅治療」者のための健康モニタリング担当管理医療機関は、247ヶ所だ。対面診療を担当する短期・外来診療センターは13ヶ所が運営中だ。政府は短期・外来診療センターを計34カ所まで増やす方針だが、もう2万668人に達した在宅治療患者を担当するのは、力不足でしかない。あちこちで在宅治療中に急に状態が悪くなり、死亡に至る患者が絶えない・・>>

 

特に問題になっている病床の問題ですが、この件について、「政府がすべてを指揮しようとするからダメだ」という指摘も出ています。ある程度まではそういうやり方が効果を出すけど、感染が広がってしまっては、コントロールが追いつかないというのです。「人の人生のすべてを国が『管理』しないといけない」とする韓国左派の考え方が反映されているようだ・・と思いましたが、さすがに気にしすぎでしょうか。この部分は「時事IN」から引用してみます。

<<・・チュ・ヨンス国立中央医療院公衆衛生医療本部長は、コロナ19患者重症度分類と病床配分について、現在発生している根本的な問題を指摘する。政府がコロナ19病床の割り当てを決める方式は、今のような大流行においてはちゃんと機能できないというのだ・・・・「コロナ19確診者でも、その多くは、病院に行く必要はありません。でも、韓国は、過去2年間、コロナ19確診者が出てくると、いったん医療施設に送りました・・・・そんな韓国のやり方、中央政府がすべてを統制して確診者に病床を割り当てる方式は、もう無理です。確診者が7,000人も出るようになっては、もうそんなやり方では追いつけません」・・>>

 

入院に限られる話ではありませんが、「中央政府がすべてを統制する」とは何か。これって、ひょっとして、「広範囲な診断検査で早期に患者を見つけて地域社会から隔離し、ICTを活用した疫学調査を通じて確診者の接触経路を明らかにして透明に公開する戦略」のことではないでしょうか。ちょうど昨日のエントリーで紹介しましたが、これは2020年4月、韓国の国務総理が「これがK防疫だ。これを広報する」としたあの内容です。すなわち、K防疫というのは、ある程度感染が広がってからは、ちゃんと機能しないやり方であった、という見方もできるでしょう。

ここに、さらに2つ前のエントリー(専門家がいないという内容)と合わせてみると、K防疫の真の顔が見えてきます。その強力な政府のコントロールに、専門家はいなかったこと。そして、それに反する意見を出した専門家グループ・・「地域社会に感染が広がったので、もうこんな防疫では難しい」とアドバイスした専門家グループが、あっという間に潰れたこと。そんな顔のことです。

さらにさらに、曇りきった心のブロガーには、こうも見えます。韓国政府が、「医療スタッフが足りないので病床の数の問題ではない」との現場の声を聞かず、行政命令まで出して「病床を確保せよ」とばかり叫んでいる理由です。それは、患者を病院まで「送る」ことで政府の責任(命令を出す)をそこで終わらせ、あとは「命令の『後』をちゃんと処理できなかった病院の責任」にするためではないのか・・そんなところです。さすがに、最近ちょっと曇りすぎです。1日休んだほうがいいかもしれません。

 

 

拙著著のご紹介&お知らせなど♨  以下、本の題の部分はアマゾン・アソシエイトになりますのでご注意ください。

新刊<文在寅政権最後の暴走>が発売中です。文政権で日韓関係がどう変わったのか、文政権の考える『まともな国』とはどんなもので、それは南北、対日、対米、対中関係をどう考えていたのか。そして、どう失敗したのか。次期大統領選挙や日韓関係はどうなっていくのか。そんな内容となります。

准新刊<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >が発売中です。日本語たる不思議、その圧倒的な行間。「ありがとう」たる行間の存在。それらについて考察した本になります。既刊として、日本滞在4年目の日常と、ラムザイヤー教授の論文騒ぎから見えてきた日韓の差を考察した<「自由な国」日本から見えた「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論>、併合時代や1965年(基本条約締結)の韓国語記事などから当時と現状を考察した<恥韓の根源>も発売中です。他の拙著については別ページにまとめました

サブブログに議論エントリー(1~3)と雑談エントリーを用意しました。長くなりそうな話にはサブを利用してください。シンシアリーはツイッターを利用しています。99%更新告知ですが、たまに旅行先の写真とか載せますので、よかったら覗いてみてください。

本ブログのプライバシーポリシーはこちらになります