韓国大統領府、文大統領の2021年外交をセルフ高評価・・「5月の韓米首脳会談は歴代最高の成果だった」「日本とは・・えっと・・電話で挨拶した」

本ブログ、G7など多国間会議において、米国が韓国と首脳会談をしなくなった、というエントリーを書いてきました。

もともと韓国と米国は、たとえ略式でも、多国間会議のときには首脳会談を行ってきました。文大統領と『あまり(いろいろ)』仲がよくなかったと言われるトランプ大統領のときも、例外ではありませんでした。しかし、9月の国連総会から、米韓首脳会談が無くなり、その後のG20のときにも首脳会談がありませんでした。

さすがに韓国内でもおかしいという声があがり、シンクタンク「経済社会研究院」外交安保センター長シン・ボムチョル氏は、「韓米首脳会談が5月だったから、普通なら、9月から10月あたりにもう一度、会合の場を持つ。ニューヨーク(国連総会)に続いてローマ(G20)でも首脳会談が不発になったのは、異例だ」とし「米国側が、終戦宣言について異見が露出されることを懸念しているようだ」と分析しました(10月31日、毎日経済)。そして、その後、9月のCOP26でも首脳会談は無く、連続で3回スルーとなりました。

 

そんな中、韓国大統領府が、文大統領の2021年外交を総括するセルフレビューを発表しました。一行にまとめると、「ははは最高だったよ」です。特に、5月の米韓首脳会談(ワクチンもらいに行ったあれです)を「最高の成果」としています。日本とは、「電話会談(就任後の挨拶電話)できた」という内容が短く入りました。韓国側のメディアも、多くが「えっ?」な反応です。以下、ソウル経済から引用してみます。

 

<<大統領府は22日、「2021年度首脳外交の主な結果」という報道資料で、「文大統領が対面首脳外交を事実上正常化することで、韓米同盟強化、グローバル先導国家としての地位の強固化、外交多変化による新・成長動力確保などの成果を収めた」と言及した。大統領府は5月、米国ワシントンDCで開かれた韓米首脳会談と関連し、「歴代最高の成果を収めた最高の会談だったという評価が韓米両側で共有されている中、後続措置が続いている」と評価した。

また、2年連続G7首脳会議に招待され、G20、COP26首脳会議に出席し、グローバル懸案解決議論に主導的に参加したと強調した。大統領府は「文大統領がG7、G20首脳会議でコロナ19対応、国際保健ガバナンス改編、デジタル税合意などの核心懸案解決と国際ガバナンスの方向性再設定を先導した」とし「またグリーン・デジタル転換など韓国版ニューディール、炭素中立政策など私たちの模範政策を国際社会に提示した」と評価した・・

・・大統領府のこのような評価は、韓国の外交の地形を見たとき、過度に安易な視点であるとの指摘が出ている。外交専門家たちは、米中葛藤時代に現在の「安保は米国、経済は中国」外交は寿命を尽きており、危ない状況だと見ている・・(※以下、いわゆる『戦略的曖昧さ』をやめるべきだ、という専門家の意見が続いた後)・・対日外交は、一歩も進展が無い深刻な状況なのに、大統領府は一箇所で言及しただけだ。大統領府は報道資料で「文大統領は今年対面外交以外にも8回の首脳通話(米国、中国、日本など)を行うことで、私たちの多様な外交アジェンダ実現およびグローバル貢献拡大に努めた」と説明するにとどまった。 日本は岸田内閣が入った後、さらに露骨に韓国をスルーしている・・>>

 

確か、首相就任後の挨拶電話・・じゃありませんでしたっけ。あれで多様な外交アジェンダ、ですか。日本と韓国との2021年外交なら、私は「東京オリンピック開会式前の首脳会談大作戦」は絶対に抑えておきたいと思っていますが・・はともかく、本件、『K防疫を失敗したというのは、国民が失敗したと言うのと同じだ(過去エントリー)』と似ているように見えます。『K(王)外交を失敗したというのは、国民が失敗したと言うのと同じだ』、と。

 

文在寅氏、実はとても「低い姿勢」を貫く政治家だった、そんな時代もありました。もとから反日の強い政治家だったので良いイメージはありませんが、少なくとも朴槿恵氏と大統領選挙を戦っていた頃には、韓国の政治家としては珍しく、あまり怒らず、相手側のネガキャンなどにも「相手が謝ったからもういい」というスタンスを取る、そんな人でした。しかし、その大統領選挙で負けた後、支持者たちが不正選挙を主張したとき、文氏は支持者たちに「不正選挙ではない。結果に従うべきだ」と説得しましたが、「私たちが誰のために戦っていると思ってるんだ」と、支持者たちは文氏を見捨てました。それからしばらく、文氏の影響力はガタ落ちします。

それから時間が経ち、セウォル号沈没事故が起きて、再び注目を集めるようになった文在寅氏は、憤怒を演出しながら、『どうすればもっと偉そうに相手を非難できるか』に拘る政治家になっていました。その『ノウハウ(?)』で、朴槿恵大統領の弾劾騒ぎで大活躍、大統領になり、いま『こう(どう?)』なっています。まぁ私見ですが。

 

 

拙著著のご紹介&お知らせなど♨  以下、本の題の部分はアマゾン・アソシエイトになりますのでご注意ください。

新刊<文在寅政権最後の暴走>が発売中です。文政権で日韓関係がどう変わったのか、文政権の考える『まともな国』とはどんなもので、それは南北、対日、対米、対中関係をどう考えていたのか。そして、どう失敗したのか。次期大統領選挙や日韓関係はどうなっていくのか。そんな内容となります。

准新刊<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >が発売中です。日本語たる不思議、その圧倒的な行間。「ありがとう」たる行間の存在。それらについて考察した本になります。既刊として、日本滞在4年目の日常と、ラムザイヤー教授の論文騒ぎから見えてきた日韓の差を考察した<「自由な国」日本から見えた「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論>、併合時代や1965年(基本条約締結)の韓国語記事などから当時と現状を考察した<恥韓の根源>も発売中です。他の拙著については別ページにまとめました

サブブログに議論エントリー(1~3)と雑談エントリーを用意しました。長くなりそうな話にはサブを利用してください。シンシアリーはツイッターを利用しています。99%更新告知ですが、たまに旅行先の写真とか載せますので、よかったら覗いてみてください。

本ブログのプライバシーポリシーはこちらになります