韓国、「日本を研究する人」が急減

韓国で、日本関連で論文を書いたり、日本人の書いた本を読んだりする人が急減している、とのニュースがありました。その理由には、いろいろありますが、『韓国の地位が高くなったから』とのことでして。

また、教育課程でも、日本を含めた「東アジア史」が一般選択科目から消えるなど、日本について何かを研究する(専門的なものも、そうでないものも)動きが急激に弱くなりつつある、と。専門家は、「日本は、私たちが思っているほど国力の弱い国ではない」としています。以下、一ヶ月前の記事ですが、東亜日報12月2日の記事から引用してみます。<<>>が引用部分となります。

 

<<日本史学会長を務めるパク・フン ソウル大東洋史学科教授は最近、日本史を研究する若い学者が急減したと懸念した。10年前には、1年に5人以上は国内外で日本史博士学位を取得する人が出てきたが、最近は1、2人に過ぎないということ。東日本大震災とパンデミックによる余波もあるが、最近の韓日関係の悪化が少なくない影響を及ぼしたという分析だ。

実際、昨年、ジン・チャンス世宗研究所日本研究センター長が発表した「停滞期から衰退期に入った日本研究」という論文によると、日本関連論文で博士学位を取った研究者1633人(2019年基準)のうち、50代の割合が75%に達する。 30、40代の若手研究者は、ますます減りつつある。研究者の高齢化は、研究力の低下につながっている。 14誌の主要学術誌に掲載された日本関連論文の数は、2012年1099から2019年には762編に、約30%も減った。

このような雰囲気は、学界だけではない。一般人たちの日本に対する関心もますます冷えている。2021年年5月に韓国で出版された日本ベストセラー作家の対談集「日本はどこへ向かうか」は、読書家たちの好評にもかかわらず、まだ初版1500部さえ消化できずにいる・・・・原因は何だろうか。パク・フン教授は、学界を含む韓国社会全般に「日本を無視する」現象が深化しているためだと話す。

過去には日本が嫌いでも学ぶことがあるという考えが支配的だったが、2000年代に入って韓国の地位が高まり、そういう考えも消えたということだ。2000年代以降に生まれた若い世代ほど、この傾向が強い。最近教育部が発表した「2022改正教育課程」は、この流れをさらに深める懸念が出ている。教育部が2025年からの高校一般選択科目(必須じゃなく、自分で選択できる26種類の科目)から、日本史を含む東アジア史を除外したためだ。これに東洋史学会など6つの学術団体が教育部方針に反対する声明を出した。

問題は、日本の国力が、私たちが無視していいレベルではないという事実だ。国際通貨基金によると、昨年日本の国内総生産(GDP)は4兆9105億ドルで、米国、中国に続き世界3位だ。さらに、東アジアで中国が地域覇権国に浮上する状況で、日本の戦略的価値は格別なものである。日本に対する関心と研究が持続的になされなければならない理由だ・・>>

 

どうでしょうか。個人的には、『無視する』ふりをしての、『知りたくない』ではないだろうか・・そんな気もしますが。ある種の、自己防御システムとして。もちろん、そういう側面が全てだとは思いません。収益につながらないとか、そんな現実的な理由もあるでしょう。韓国としては、「一般的な反日思想」の矛盾に気づく人が少なくなるから、歓迎すべきことかもしれません。しかし、引用部分で紹介されている日本の本、安倍総理を叩く内容のものだと聞きました。わざわざ韓国で出したのに、残念な結果になったようですね。

余談ですが、去年3月に紹介した、カナダの教科書に載っている日本の話と、それを見て憤怒(?)する人の話を思い出しました。未読の方は、ご覧ください(過去エントリー)

 

 

 

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