いつもよりちょっと早いけど、午後の更新行きます。
「『そんなこと言ってない』まではワンセット」とよく言われますが、今回も似たような展開になりました。この前、「おかしいでしょう」連発エントリーで、鄭義溶(チョンウィヨン)韓国外交部長官が「終戦宣言の文案についても、米国と事実上合意できた」と話したことをお伝えしました。その件で、VOAが「本当?ねぇ本当?」と、わざわざ米国国務省に聞いてくれました。お疲れさまです。
で、韓国でも一部の保守系ネットメディアがこの件を報じていますが、米国国務省は終戦宣言に関して、「同盟国の安保を増進させるための、よく調整された実用的なアプローチの一つとして北朝鮮との関わりを続けていく」と答えました。いかにも「マニュアル読み上げ」な返事です。「終戦宣言の文案に合意しましたか?」と聞いたら、即スルーだった、とも。もういちど聞いたら「だから、よぉぉぉぉぉく調整された~」になったのでしょうか(ワクワク)。珍しく、保守系ネットメディア「リバティー・コリア・ポスト」の記事から引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<米国政府が、北朝鮮に対話復帰を繰り返し促し、鄭義溶外交部長官が言及した終戦宣言文案合意については即答を避けた。国務省のスポークスマン関係者は3日(現地時間)、韓国政府が推進中の「終戦宣言」に対する立場を明らかにしてほしいというVOAの質問に、「米国は北朝鮮との対話と外交を通じて朝鮮半島の恒久的平和を成し遂げるために専念してある」と答えた。
同関係者は「米国と同盟、配備された米軍の安全保障を増進する可視的な進展を成し遂げるための、よく調整された実用的なアプローチの一環として、我々は継続して北朝鮮との関与を模索するだろう」と話した、とVOAは4日の記事で伝えた。それと共に、「米国は北朝鮮に向けてどんな敵対的意図も抱いていない」とし「私たちは前提条件なしで会う準備ができている」と確認した。彼はまた「私たちは北朝鮮が私たちの接触に肯定的に反応することを希望する」とし「韓国、日本、そして他の同盟、パートナーと共に北朝鮮と関与できる最善の方法について緊密に協議している」と話した。
ただし、国務省の広報担当室は「米国と韓国が終戦宣言文案に合意した」という鄭外交部長官の発言を確認してほしいという質問には、即答を避けたとVOAは伝えた。鄭長官は昨年12月29日、ソウル外交部庁舎で開かれた記者懇談会で「米国と終戦宣言文案について事実上合意した状態」と明らかにした。鄭長官は今月11~12日(現地時間)、英国リバプールで開かれたG7外交開発長官拡大会議で、トニー・ブリンケン米国国務長官と会ってもこの事実を再確認したと説明した。
韓米はこれまで終戦宣言文案に対して協議を大幅に進展させてきたとしてきたが、事実上合意がなされたと政府高位当局者が明らかにしたのは初めてだった。ただ、鄭長官は「北朝鮮との協議をどのように進展させるべきかは、様々な検討を行っている」と伝えた。終戦宣言文案と関連して、北朝鮮と共有されているのかかという質問には、「詳細な内容は、現段階では対外的に共有するのが難しい」と即答せず、中国を通じて北朝鮮の立場を伝えられたこともないと述べた。続いて「終戦宣言提案に対して北朝鮮は一連の迅速な、そして肯定的な反応を見せたが、もっと具体的な反応があることを私たちが期待している」と話した>>
最後の鄭長官の発言、北朝鮮にはまだ見せていないということですが、そんな段階の文案に米国が『合意』したのでしょうか?もし北朝鮮が「ここ気に入らないから変えて」と言ったら、韓米の合意はやり直しになるのでは。もし、何か本当に進展があったとしても、今回の報道のように米国側が何も言えないようじゃ、意味がないでしょう。これは、「米国側が言い出せないことを、韓国が勝手に言い出した」ことでしかありません。
少なくとも同じ案件について米韓が『よーく』調整する気があるなら、こう片方が先走ってはならないでしょう。その時点で、すでに鄭長官の発言はミスでした。『事実上』をつければなんとかなるもんじゃありません。そもそも、本当に進展があったならこんな先走りも必要なかったでしょうけど。以上、『言ってない』とは言ってないけど、事実上のワンセットでした。
♨ 拙著著のご紹介&お知らせなど♨ 以下、本の題の部分はアマゾン・アソシエイトになりますのでご注意ください。
・新刊<文在寅政権最後の暴走>が発売中です。文政権で日韓関係がどう変わったのか、文政権の考える『まともな国』とはどんなもので、それは南北、対日、対米、対中関係をどう考えていたのか。そして、どう失敗したのか。次期大統領選挙や日韓関係はどうなっていくのか。そんな内容となります。
・准新刊<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >が発売中です。日本語たる不思議、その圧倒的な行間。「ありがとう」たる行間の存在。それらについて考察した本になります。既刊として、日本滞在4年目の日常と、ラムザイヤー教授の論文騒ぎから見えてきた日韓の差を考察した<「自由な国」日本から見えた「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論>、併合時代や1965年(基本条約締結)の韓国語記事などから当時と現状を考察した<恥韓の根源>も発売中です。他の拙著については別ページにまとめました。
・サブブログに議論エントリー(1~3)と雑談エントリーを用意しました。長くなりそうな話にはサブを利用してください。・シンシアリーはツイッターを利用しています。99%更新告知ですが、たまに旅行先の写真とか載せますので、よかったら覗いてみてください。
・本ブログのプライバシーポリシーはこちらになります。