全般的に輸出が増えつつある状態なのに、韓国の12月の貿易収支が赤字になった、というニュースがありました。輸出が出来なかったわけではなく、輸入金額が大きくなったせいだ、とも。韓国にとって貿易収支の黒字は特に重要なため、この件で関連記事がいくつか出て、その中で『為替レートの問題』が注目されています。本件でいますぐ何か大きな動きが見えてくるとは思いませんが、韓国側の記事としては珍しい趣旨になるので(普通は、あまり話題になりません)、エントリーしてみます。以下、YTNラジオ、セジョン大学経営部教授<<~>>が引用部分となります。
<<・・今日、現在(ドル為替レートが)1200ウォンになっています。私たちが、コロナ禍が起きた2020年度に為替レートが1300ウォンまで行きました。米国が、全世界にドルの量的緩和を行っていました。その後、韓米通貨スワップ600億ドルが結ばれて、1100ウォンまで安定しました。ところが、昨年末、2021年12月末に、韓米通貨スワップ600億ドルが終了となり、延長ができなかったんです。
そのため、一番大きな懸念は、私たちが経験したことですが、IMFの時(※1997年経済破綻)為替レートが2000ウォンまで行って、2008年度金融危機にも為替レートが1600ウォンまで行きました。このように為替レートというのは国際金融市場の最も試金石となり、韓国は輸出と輸入が韓国GDPの65%も占めています。貿易依存度の高さで世界2位なので、為替レートが韓国経済にとってとても重要です。
(今の為替レートの動きを)私もとても深刻に見ています。1300ウォンまでいくのではないか、と見ています。なぜそうなのかというと、我が国の為替レート関連の危機を防止できるもっとも第一線の防御手段である韓米通貨スワップが延長できなかったからです。幸い、韓国銀行が債券を担保にして借りることができる600億ドル、『レポ』というものを用意してはいますが。韓国全体の為替保有高のうち、現金の割合が6%しかありません。全部アメリカの国債とか、債券を買ったからです。
だから、急いで現金をもってこいと言われても、韓国の為替保有高のうち6%しか現金がないから現金を動員できません。私たちが2008年度に金融危機を経験したときは、韓米通貨スワップと韓日通貨スワップ。二つともありましたが、今は、二つともありません。我が国の防御手段が二つともになくなったのです。私はいつも懸念していますが、私たちは、GDP比の外国為替保有金で見た時、韓国は25%しかありません。
台湾は外国為替危機が、97年度に危機でもなかったのに、GDP比の為替保有を90%まで保有しており、シンガポールと香港は120%です。だから我が国が貿易依存度が世界2位、とても高い国だから、常に外国為替保有金を十分に確保しないといけません。そして、現金の割合を30%までは増やさなければなりません。韓国が為替レートを防御できなくなります。ところが、今は通貨スワップがないから、為替レートはさらに動く可能性が高い、そんな展望になります・・>>
妙ですね。先月、韓国銀行の総裁が、『韓米通貨スワップは延長できなかったのではなく、延長しなかったのだ。なんで霧散という擁護を使わないでほしい』と話したばかりなのに。何でしょうね。何でかな。ねぇねぇなんで? ねぇってば!(迫真
<<・・23日、韓国銀行のイ・ジュヨル総裁は、「物価安定目標運営状況点検説明会兼記者懇談会」にて、質疑応答で「通貨スワップ終了の背景」に関する質問を受けると、「(韓米通貨スワップが)霧散したという用語は適切ではない。延長しようとしたが失敗したというニュアンスのようだ」と答えた話した。中央銀行の首長が「幽体離脱」話法をしたのだ。これに対して学界では、「韓米通貨スワップ600億ドル延長は、『否決された』という表現がより適切だ」という指摘が提起されている。韓国銀行が公式に明らかにはしなかったが、「韓米通貨スワップが延長されなかったのは、米国側の否定的な気流があったからだ」という話が、韓国銀行関係者たちの口から少しずつ漏れ出ている・・(ペンアンドマイク)>>
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