北朝鮮ミサイル関連、韓国側の公式見解などは出ていないので(遅い)、民間専門家たちの意見をいくつか紹介します。中でも目新しいのは、『北朝鮮の対外環境(特に南北関係)の変化による挑発ではなく、全てスケジュール通り行われているものであり、対外環境がこれからどう変わっていっても、北朝鮮の挑発は止まらないだろう』とする部分です。この分析が本当なら、北朝鮮問題において韓国の役割は、さらに縮むことになるでしょう。
実は去年末、北朝鮮の労働党全員会議(党大会)で、韓国や米国関連のメッセージがありませんでした。党大会は、憲法より上にある労働党が決めた『新年計画』でもあるため、対外環境に関するメッセージが出なかったのはかなり異例となります。もちろん『下手に言い出すより、推移を見守る』という解釈もできますが、今回の意見を読んでみると、『もう臨機応変でやればいい(わざわざ党が公式に計画を発表するほどでもない)』と思っているのではないか、そんな気もします。誰も直接的には言ってませんが、あれです。『終戦宣言とか言ってないで現実見ましょうよ』です。
以下、ニュース1からで、<<~>>が引用部分となります。引用部分に『二重基準』という言葉が出てきますが、それは北朝鮮が要求している『北朝鮮との対立を前提にした政策及び二重基準の撤廃』のことで、引用部分には含まれていませんがソース記事にちゃんと書いてあります。北朝鮮は終戦宣言の条件として「~を撤廃せず宣言だけしても何の意味もない」など、似たような話をしています。
<<・・専門家の間では、北朝鮮の相次ぐミサイル発射などの挑発は、昨年1月、金正恩総秘書が第8次朝鮮労働党大会を通じて樹立した「国防科学発展・武器体系開発5ヶ年計画」によるものであり、(※南北関係など対外環境の変化で北朝鮮が挑発を弱めた時期である)2018年以前とは状況が違うと分析している。
朴元坤(パク・ウォンゴン)梨花女子大学北朝鮮学科教授は、「北朝鮮は、2017年まで核能力を完成させるため大陸間弾道ミサイル試験発射と核実験を並行した」、「しかし、最近は、ICBM試験発射の代わりに韓米両国軍のミサイル防御体系を破ることができる、高度化されたミサイルをテストしている」と話した。「これは、『挑発の日常化』を通じて、自分たちの武器開発が正当だと主張し、『二重基準撤回』を主張する政治的目的も込められている」と分析した。
朴教授は、5日の北朝鮮ミサイル発射後、中国当局が「各国は、大きな局面を見て言行を慎重にし、対話・交渉で正しい道を堅持しなければならない」(汪文斌ワンウォンビン中国外交部スポークスマン)とし、事実上、北朝鮮の挑発を直接的な問題にはしなかった。この点も、北朝鮮が続いてミサイル発射を敢行した一因になったと見た。
朴教授は「北朝鮮は、しばらくミサイル挑発を持続する可能性がある」とし、「北京冬季オリンピックと、3月の韓国大統領選挙期間にも、ミサイル発射を完全に中断するよりは、断続的に続ける可能性だってある。そうすることで、自身のミサイル試験を対外環境の影響を受けない日常的な行為として扱いながら『二重基準撤回』論理を続けるだろう」と明らかにした。
キム・ドンヨプ北朝鮮大学院大学教授もこの日、フェイスブックを通じて「今まで北朝鮮のミサイル試験発射が技術的側面で進めてきたものなら、今回の発射は、韓国に非常に重いメッセージを投げたと言える」、「もう南北関係を期待せず、北朝鮮は自身の道を行くという、より明確なメッセージを送るためのものだからだ」と明らかにした>>
なんでミサイルエントリーが2つも発射(更新)されたのか、と言いますと・・前のものは単に韓国側のスタンスをまとめてお伝えしたかったものですが、本エントリーは、『何もしなくていいもん』が気になったからです。『もう南北関係と北朝鮮の挑発は関係なくなった(遠い目)』というのは、朝鮮半島問題において韓国の役割はもう何もない、という意味でもあります。
昨日の午後2時に「『韓国は重要だから、何もしなくていい』という考えが広がっている」とエントリーしたのに、今日の午後2時に「もう南北関係において韓国にできることはない」エントリーになりました。わざとやるとしても、ここまできれいに繋がることはそうないと思いますが。文大統領、本当に鬼才です。何の分野での鬼才かはともかく。
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