中国の国有投資銀行「CICC(中国国際金融公社)」が、大規模韓国ファンドを造成するというニュースがありました。
韓国は、経済規模にしては金融がすごく弱い国です。また、韓国の経済が事実上依存している中国の国有銀行ということもあって、韓国ではすごく好意的に報じられました。しかし、『韓国経済』がその中身を分析した結果、問題があるという記事を載せました。以下、韓国経済から引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<中国国有投資銀行である中国国際金融公社(CICC)が、4兆ウォン規模の対韓国投資ファンドの造成に乗り出したという報道は、嬉しくもあり、心配でも在る。まず、中国政府機関が大規模ファンドの造成を通じて韓国企業への投資と中国進出の支援を約束してくれたのは、歓迎する。各種規制と障壁のせいで進出が難しいのが中国市場だ。中国政府のに代わりとも言えるCICCがそのような困難を和らげてくれると、「韓国企業が熱く反応した」という話が出るのも、頷ける。
しかし、ファンドの組成方式や推進時点などを考慮する際、どうしても懸念される部分がある。投資銀行業界によると、CICCは少額だけを貸し、ほとんどの資金を韓国大企業からファンディング、半導体バイオ新素材など先端分野40以上の中堅企業に投資する計画だという。「韓国大企業のお金で中堅企業を育てて、それらを中国に連れていって、中国の先端産業素材サプライチェーンに参加させてやる」という話だ。もしうまくいかなかったら、リスクは韓国企業が負う構造になっている。
さらに、韓国は対中国貿易依存度が26%(2020年基準)に達し、減らす必要がある。対中依存度が80%を超える品目が1850品目に達し、半導体は対中輸出比重が全体の60%を超える。中国側の態度によって、韓国企業がどのような困難に直面するかは、すでに「韓限令」、「尿素水」事態などを通じて、痛いほど経験したはずだ。私たちの企業がお金を使って、対中依存度をさらに高める投資なら、再考したほうがいいだろう。
推進時点も微妙だ。現政府は5年にわたり親中の歩みと、米国・北朝鮮両方に問題があるとする理屈で、安保同盟の米国と摩擦を起こしてきた。「クワッド」参加を先送り、北京冬季オリンピック外交的不参加からも離脱した。そんな韓国に対して米国は1年近く駐韓大使を任命しておらず、通貨スワップ延長拒否などで不利益を与えている。中国が4兆ウォンの投資ファンドをもって、その隙間に入り込もうとする戦略であること、は難なく推測できる。
CICC投資ファンドは、いろんな側面を考えると、得るものより、失うものが大きいだろう。今、私たちがしなければならないことは、投資ファンドを待つのではなく、韓国だけの核心技術を強化して「戦略的不可欠性」を育てることに集中すべきであろう>>
どうやら、「韓国の金で韓国に先端素材企業を育てろ。うまく出来たら、中国で自由に商売できるようにしてやる」のようですね。それはともかく、ここまで分析できる記事で、『米中によるサプライチェーン再構成』に関する内容があまり出ないのが不思議です。一応書かれてはいるけど、米中(中国と自由民主主義陣営)の対立よりは、経済依存度関連の話がほとんどですし。書いてはならない何かの事情でもあるのでしょうか、それともそこまで考えてないのか・・(曇る
♨ 拙著著のご紹介&お知らせなど♨ 以下、本の題の部分はアマゾン・アソシエイトになりますのでご注意ください。
・新刊<文在寅政権最後の暴走>が発売中です。文政権で日韓関係がどう変わったのか、文政権の考える『まともな国』とはどんなもので、それは南北、対日、対米、対中関係をどう考えていたのか。そして、どう失敗したのか。次期大統領選挙や日韓関係はどうなっていくのか。そんな内容となります。
・准新刊<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >が発売中です。日本語たる不思議、その圧倒的な行間。「ありがとう」たる行間の存在。それらについて考察した本になります。既刊として、日本滞在4年目の日常と、ラムザイヤー教授の論文騒ぎから見えてきた日韓の差を考察した<「自由な国」日本から見えた「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論>、併合時代や1965年(基本条約締結)の韓国語記事などから当時と現状を考察した<恥韓の根源>も発売中です。他の拙著については別ページにまとめました。
・サブブログに議論エントリー(1~3)と雑談エントリーを用意しました。長くなりそうな話にはサブを利用してください。・シンシアリーはツイッターを利用しています。99%更新告知ですが、たまに旅行先の写真とか載せますので、よかったら覗いてみてください。
・本ブログのプライバシーポリシーはこちらになります。