さて、一部のメディアが『北ミサイル問題で日韓関係改善が必要だ』と言いますけど・・

北朝鮮がミサイルを撃ったりすると、かならず日本では「韓国と協力(日米韓協力)」という記事が出てきます。今回も、東京新聞など一部のメディアが同じ趣旨の記事を載せました。日米韓協力で自制を促せ、そのためにも日韓関係の改善が急がれる、と。他のメディアでも、似たような記事をよく見かけます。

それは確かに、できれば(ちゃんとできるなら)それもいいですが、改善(そもそも『改善』という単語そのものが不自然ですが)するにしても、『解決法を提示すべきは韓国ではないだろうか』としか思えません。なにせ、日米の歩みに協力しないでいるのは韓国ですから。

北朝鮮の弾道ミサイル発射、すなわち安保理決議違反の件で、国連で安保理非公開会議がありました。中露の反対で結論(議長声明など)が出なかったのはいつものことですが、日米など6ヶ国が参加した糾弾声明がありました。

その糾弾声明、しばらく公式には登場しなかった「CVID」という用語が再び登場しており、朝鮮日報は『北朝鮮がその単語を極端に拒否するため、しばらく登場しなかった単語だ』としています。しかし、その声明に韓国は参加せず、韓国の保守メディアから「これでいいのか」な記事が出ています。以下、朝鮮日報の記事、引用してみます。<<>>が引用部分となります。

 

<<国連安全保障理事会は10日(現地時刻)、米国ニューヨーク国連本部で非公開会議を開き、北朝鮮ミサイル発射問題を議論した。 5日、北朝鮮が短距離弾道ミサイルを発射した後、「極超音速ミサイル発射に成功した」と発表すると、米国・フランス・イギリス・アイルランド・アルバニアなどの要請で開かれた。常任理事国である中国・ロシアの反対で、この日安保理次元の決議案や議長声明など追加措置は出なかった。北朝鮮はこの日の会議が終わった直後の午前7時27分ごろ、極超音速推定発射体をまた撃った。

会議を要請した5国と日本の6ヶ国は、この日の会議直前、リンダ・トーマス=グリーンフィールド国連米国大使の主導で共同声明を出し、北朝鮮のミサイル発射を糾弾し、追加行動を控えるよう促した。日本は現在安保理に入っていないが、今回の事態を含む朝鮮半島安保議論に積極的に参加している。一方、韓国は2024年の非常任理事国進出を狙っているというが、いつも抜けるばかりだ。

トーマス・グリーンフィールド大使は「北朝鮮のミサイル発射は誤判と緊張のリスクを高め、地域の安定に深刻な脅威となっている」とし「これは明らかな安保理決議案違反だ」とした。特に彼女は「私たちの目標は、朝鮮半島の完全で検証可能で不可逆的な非核化(CVID)。私たちはそのための外交に関与する準備ができている。今、対話と平和を選択しなければならない方は北朝鮮だ」と話した。 「CVID」は北朝鮮が極めて嫌がる用語で、近年、米国政府は「完全な非核化」などに置き換えて使う場合が多かった。 CVIDが再登場したという点で注目が集まる・・>>

 

2021年8月4日、こんな記事がありました。当時、北朝鮮が連絡線を復旧し(そのあと、また遮断されたとかそういう話もありましたが)、韓国の鄭義溶長官は、自信満々に平和プロセスをアピールしました。イーデイリー、『制裁緩和を言った日なのに、日本はまたCVIDを持ち出した』という記事です。

<<・・この日開催されたASEAN+3(韓・中・日)外交長官会議で、鄭長官は、朝鮮半島の完全な非核化と恒久的平和定着の実質的な進展のために、既存の南北、朝米間合意を基盤とした(※制裁ではなく)『外交と対話』が必須だと強調した・・・・一方、日本は対北朝鮮制裁の実施を強調した。日本の外務省によると、茂木敏充日本外務大臣は、この日の会議で北朝鮮の弾道ミサイルなどの「完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄」(CVID)に言及し、国連安全保障理事会対北決議案の完全な履行が不可欠だという趣旨の発言をした。北朝鮮が「敗戦した国が使う用語だ」とし、拒否反応を示しているCVIDという用語を再び取り出したのだ。韓国政府と米国は、CVIDに対する北朝鮮の拒否感を考慮し、この用語の使用を控えている・・>>

ちなみに、本ブログで「韓国軍が『挑発』という言葉を使わなくなった」という記事をお伝えしましたが、ニュース1の記事によると、韓国のNSC(安全保障会議)でも、北朝鮮のミサイル関連で『挑発』または『憂慮』という単語が出てこなくなっていて、すでに去年9月からそれらの単語は消えた、とのことです。また、もともとは大統領が主宰することが多いのですが、去年1月を最後に、文大統領はNSCに参加していない、とも。

 

 

 

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