『地位』という言葉の暴走・・元韓日議員連盟会長「米国も韓国に頭を下げて『工場作ってくれ』と言った。韓国は米中のどちらかを選ぶ必要なんか無い」

最近、韓国側の様々な主張で『地位』という言葉が暴走しています。政治家から大手マスコミまで、教授の寄稿文から個人ブログ、ネットのコメントまで、地位(韓国では『位相』とも言います)という言葉が目立ちます。最近流行っている『韓国は何もしなくていい』論も、結局は『何もしなくていい』=『地位が高い』という身分制度もどきな考え方なわけでして。

韓国は偉い、だからその地位にふさわしい待遇をもらうべきだ、とする内容です。地位にふさわしい対応をしてくれない世界(特に、相手は日米)が悪いという内容もあり、韓国政府に『もっと要求しろ』とする内容もあります。言い換えれば、韓国社会内部でもっとも大きな問題になってきた『不公正』という言葉と同じ意味です。そう、これは、韓国内部の問題を、韓国外部に投影した側面もあります

日本に対して明らかに上下関係に基づいたスタンスを取るのは目新しいことでもありませんが、最近は米国に対しても、同じく『地位』を要求するようになりました。本ブログで紹介した『韓国大使は、韓国の地位にふさわしい大使を派遣しろ。リッパートやハリスのような小物は要らない』とする記事もそうでしたが、他にも『地位の高い韓国が、なぜ米中のどちらかを選ばないといけないのか』という意見も増えてきました。ただ、政治家など相応のポジションにある人の場合、これらの意見は日米に対したものになります。中国に対しては言いません。

もと韓日議員連盟会長で、天皇が謝罪すれば慰安婦問題は解決するという趣旨を話したこともある文喜相(ムン・ヒサン)氏が、米中対立においての韓国のスタンスに対し、また同じ主張をしました。イーデイリーの記事、引用してみます。<<>>が引用部分となります。

 

<<「米国は友好国でもあり敵だ。中国も友好国である敵だ。すべての判断の中心には『ウリ(私たち)』がいなければならない」。ムン・ヒサン前国会議長は11日、イーデイリーとのインタビューで米中紛争の中、韓国がとるべき路線を尋ねる質問に、「今は世界が変わった。いつのまにか、国際社会で韓国は5、6位の国力を持った国になった」とし、このように明らかにした。

米国と中国は台湾海峡、技術競争、人権、北京冬季オリンピックなどをめぐって対立している。韓国は米中の間で「サンドイッチ」されて綱渡りを続けてきた。「安米経中(安保は米国、経済は中国)」論が支持されたりもした。しかし、文前議長は「10年前にも適用されていたもの」とし、「堂々とした国力を持った国として地位を定立しても満足できない状態なのに、どちらかの味方をしろと言われるとは、もう笑うしかない」と言った。

文前議長は「誰かの顔色を気にするのではなく、私たちがすべての問題の鍵を握っていると考えなければならない」とし「今は、主体的で能動的に道を開拓しなければならない」と声を高めた。具体的に韓国の変わった地位を示す事例としては、バイデン米政権がトランプ政府で推進した「朝鮮半島平和プロセス」を継承していることを挙げた。また「私たちが技術力を持っているので、米国が頭を下げて、ここ(※米国)に工場を建ててくれと言ったではないか」とし「私たちの未来も核心技術をどれだけ維持して発展させるかにかかった」と話した・・>>

 

バイデン政権が韓国の対北政策を反映したことには、『日本との関係改善に努力する』という条件があった、という報道もありました(韓国政府は否定)。これ、本ブログと『楽韓WEB』さんが結構重要に取り上げ、拙著『文在寅政権最後の暴走』でもそこそこページを割り当てました。その後、韓国政府が東京オリンピックで「首脳会談での『成果』」を強調し、結果、何もかもアウトになったのは、記憶に新しいところです。それができなくなってから、韓米首脳会談が消えました(その前までは、G7、国連総会など多国間会議では、例え略式でもほぼ例外なく韓米首脳会談がありました)。米国が頭を下げた(本文では『腰を曲げた』)という5月の首脳会談でも、文大統領はヤンセンワクチン100万人分もらってきただけです。首脳会談前には、少なくとも1000万人分以上だという記事も出ていました。

似たような話が出るたびに『順位』が少しずつ上がるのも気になりますが・・なんとなく、北朝鮮の宣伝放送を聞いているようです。ちなみに、こんな主張は、強弱はあったものの、前からずっとありました。韓国社会はそれを証明するために『根拠』を探そうとしており、なにかあれば『そうだこれが根拠だ』と大喜びします。その根拠とは、ワールドカップベスト4だったり、キム・ヨナだったり、映画やドラマのヒットだったりします。ほぼ間違いなく『民族の優秀さ』という言葉がセットで付いてきます。世界を立体で見ることができず、面で見ることもできず、『点』で見ている、とでも言いましょうか。良し悪しを語る前に、それら『点』の『使い方』からして間違っています。

 

 

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