韓国、梁や柱無しに壁で支える「壁式構造」が全アパートの98.5%(2017年)

本ブログでは取り上げませんでしたが、韓国光州(クァンジュ)というところで、今年完成予定だった高層アパート団地で、建設中の外壁が崩れ落ちる事故、いや事件がありました。いつものこと、人災だそうです。それに関して、韓国の一部のネットコミュニティーで、「壁式」構造なのが、崩壊原因の一つではないのか、そんな話も出ています。

柱と梁で支えるのではなく、荷重を壁で支える構造のことです。今回の光州の事故と、壁式構造にどれだけの関連性があるのかは何とも言えませんが、日本のネットで即場で検索してみた結果だと、普通、5層ぐらいなら壁式で作るけど、高層では一般的ではない、とのことです。実は、2017年データで、韓国のアパート(共同住宅全体)は、98.5%が壁式で出来ています。

今日は、韓国人の永遠の憧れ、『高層アパート(マンション)』の構造について、古い記事を一つ掘り返してみます。旧ブログのときに紹介した記事ですが、訳などは全てやり直しました。2018年8月22日、朝鮮日報です。<<>>が引用部分となります。ここでいうアパートとは、基本的に、韓国特有の高層アパート(団地)のことです。

 

<<・・上の階から伝わる騒音は、配慮心の不足だけの問題ではない。音が大きく伝わるしかない、アパート構造の根本的な問題かもしれない。それだけでなく、韓国のアパートは、配管を交換したり、リモデリングをすることが非常に難しい。韓国のアパートが持つこのような問題は、「壁式」と呼ばれる韓国アパート特有の構造によるものだ。柱や梁や無く、壁で上の階の重さに耐える構造のことだ。

韓国建設技術研究院ユ・ヨンチャン博士は、「壁式構造は、アパートをより早く作れるように、安く作れるように、1980年代後半から普遍化された方式だ」、「外国にも庶民アパートや寮などに使用されるが、韓国のように、ほぼすべてのアパートを壁式にするのは珍しい 」と言った。

韓国のアパート建築では、柱や梁の構造は珍しい。1980年代後半、アパートを早く、たくさん建てるために壁式構造を導入し、それがそのまま市場の標準になったからだ。国土交通部によると、全国で2007年から10年間供給された500世帯以上の共同住宅のうち、98.5%(194万世帯)は壁式だった。柱のある構造は、ソウルで1万9171世帯、京畿道で3667世帯など、すべて2万9202世帯に過ぎなかった。

韓国の建設会社が壁式を好む理由は、コストのためだ。クク・ヒョンゴル梨花女子大学建築学科教授は、「柱の構造は、壁式構造に比べて、騒音・振動・リモデリングさなど様々な面で有利だが、壁式より非効率的な構造」とし「特に、採光面積の広い「板状」型のアパートを好む韓国では、壁式構造がコスト面で有利だ」と述べた。韓国住宅協会によると、壁式構造の平均層高は2.9m、Rahmen(ラーメン構造、梁がある構造)の平均層高は3.3mだ。建物の高さ制限を考えると、ラーメン構造で20世帯分が作れる高さなら、壁式だと22世帯分を作ることができる・・>>

 

光州のものも、柱や梁無しに、壁だけで支えるマンションでした。でも、もっと根本的なミスが多かったようで、一例として、世帯と世帯の間の壁が、コンクリートではなく、スタッド(軽量材料で作った壁)だった、とのことでして(JTBC、動画の自動再生にご注意ください)。完成する前に崩れてむしろ幸いだったかもしれません。

 

 

今日、次の更新がいつもより大幅に遅くなると思われます。寝る前になんとか間に合わせますので、いつもよりちょっと遅く覗いてみてください。

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