韓国『独島ギフト』、日本の記者たちからも返送が相次ぐ(本題はそこじゃありませんが)

昨日お伝えした、韓国大統領府のいわゆる『独島ギフト』。日本でもNHKなどがちゃんと報じていて、なによりです。韓国外交部は『ウリ領土』と強く反応しましたが、大統領府はこれといって何も話さずにいます。

これに関しては、韓国側の結構いろんな記事を読んでみましたが、少なくとも大手の中では唯一、他の記事とは多少違うスタンスだったのが「TV朝鮮(朝鮮日報系列のケーブルテレビ局)」です。報道によると、大統領府取材許可を持っている日本の記者たちも、ギフトを返送しつつある、とのことです。以下、TV朝鮮から引用してみます。<<>>が引用部分となります。

 

<<・・文在寅大統領が贈ったソル(旧暦1月1日)ギフトセットには、独島(※竹島のこと)を背景にした日の出の絵が描かれています・・・・大統領府がこのギフトセットを駐韓日本大使館と大統領府に出入りする日本記者たちにも贈って、これを日本大使館側が返送し、議論を巻き起こしています。独島の領有権を主張してこういう行為をした日本も話にならないけど、日本側へのソルの贈り物にわざわざこの絵を入れなければならなかったのだろうか、一度は考えてみる必要もあるでしょう・・

・・日本大使館の相星大使が、受領を拒否して返送したことが明らかになりました。日本大使館は「竹島は歴史的事実と国際法上で日本の固有領土」とし、韓国政府に抗議までしました。大統領府を出入りする日本メディアの記者たちも、受け取ったギフトを返送しています。日本政府の主張は無茶ですが、あえて親交のための祝日プレゼントに、葛藤の口実を与える必要があったのかという指摘も出ています。

2012年、李明博(イ・ミョンバク)元大統領の任期末、独島を訪問した当時、民主統合党は「感情的外交はダメだ」と批判しました。これに先立ち、2020年のソルにも、文大統領は日本の輸出◯制(※輸出管理厳格化)に対応する関係者にプレゼントを贈り、総選挙を控えて「反日マーケティング」ではないのかという指摘を受けました。大統領府は駐韓日本大使館のプレゼント搬送に対しては「これといって、話すことはない」と言いました>>

 

百歩譲って、『日本の主張は無茶』を『私は韓国人です』という義務表明だとすると、韓国のメディアとしてはかなり異例な内容、異例な考え方です。TV朝鮮は、例え韓国の反日思想から自由にはなれないものの、その中で客観的なスタンスを維持している、そうも見えます。妙なものを見すぎたせいか、ものすごくまともに見えます(マーカー入れるの、そこかよ)。ただ、ここでちょっとオチを書く必要があるでしょう。

「TV朝鮮は(中略)維持している」のか、と言いますと・・残念ながら、私見ながら、そうではありません。記事が指摘した、李明博元大統領の竹島上陸のとき、確かに今の共に民主党となる統合民主党は「今ここまでする理由が分からない。単に支持率管理ではないのか」とし、李明博氏に厳しい意見を出しました。じゃ、当時、TV朝鮮は何をしていたのでしょうか。当日となる2012年8月10日から、12日までのTV朝鮮の報道内容をDAUMで調べてみたら、こんなものが出てきました。殆どがリンク切れ(URL変更?)ですが、題とサムネ表示から内容の一部がわかります。ここは訳を『竹島』にしました。

 

 「日本、衝撃・・竹島もサッカーも韓国に負けた」、「日本、李大統領の竹島上陸に激昂」、「日本はスクープで溢れているのに、国内マスコミは沈黙」、「『静かな外交』の李明博大統領が、ここまで」、「住民たちは大歓迎」、「日韓関係、急冷避けられない」・・全文が読めないものが多いけど、『あまりにも静かな外交で批判も受けていた李大統領が、ここまでしてくれた!』なニュアンスは把握できました。

数年前から、拙著でもブログでも、同じ文章を何度も書いた記憶があります。『韓国(特に保守派)内の反日批判は、反日思想への批判ではなく、政府への批判にすぎない』。言い換えれば、『私ならもっとうまく反日できるぞ』という批判でしかありません。もちろん、人にもよりますけど。初めて読んだときには「おっ、TV朝鮮大丈夫か」とも思いましたが、結局は同じ結論になりました。残念です。

 

 

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