韓国の保守派評論家「誰もが知っていながら、誰も認めないでいる。日韓関係改善は難しいという事実を」

韓国の保守評論家で、「ニュースタウン」というネットメディアの主筆チョ・ウソクさんが、「誰もが知っていながら、誰も認めないことがある。日本は、もう韓国に『情(ジョン、親しい紐帯関係)』など持っていない」というコラムを書きました。

引用部分、保守派の人が書いたのになぜか李在明氏より尹錫悦氏への批判が多いですが、それは「李候補より尹候補がマシだと言うけれど、尹候補でも難しい」な趣旨であり、チョ主筆が李候補を支持しているとは思えません。チョ主筆は朴正煕氏に関する本を書いたこともある保守派の人ですので。なにせ、どこをどうみても「反日を公言する」という側面では李在明候補のほうが露骨です。露骨すぎるから、あえて書かなかったのでしょうか。

内容は、「日本はもう韓国に疲れた」、「韓国への『情』などもう無い」、「なぜ日本がそうなったのか、大統領候補も国民も皆知っているのに、誰も知らないふりをする」といったものです。ちょっとツッコミたい部分はありますがそれは後にして、とりあえず引用してみます。多分、初引用、「ニュースタウン」(※ソースページ、動画の自動再生にご注意ください)、<<>>が引用部分となります。

 

<<・・(※大統領候補は何も言わないけど、今の韓国に本当に必要なものは)安全保障問題と韓日関係の正常化だ。実は誰もが知っている、秘密が一つある。今、日本は大韓民国大統領選挙に対する期待などしていない。国民がそうで、岸田文雄日本首相も、韓国に対する疲労感によって「漬物」状態だ。今回の大統領選挙も、誰が当選しても韓日関係の改善は難しい、「国交正常化以後最悪」である現状突破は難しいとの考えだ。日本がなぜそうなのか、私たちは知っている。個人賠償問題と慰安婦問題のせいだ。

最近、日本の時事通信は、李在明(イ・ジェミョン)が勝つと状況がさらに悪くなり、尹錫悦(ユン・ソクヨル)が当選しても、改善は容易ではないだろうと報じた。相対的にいいのが尹錫悦ということだが、彼は昨年、大統領選挙出馬宣言をしながら「文在寅政権が反日を叫んで韓日関係が壊れた」と声を高めた。それは素晴らしいことだ。

ただし、最近、外信記者クラブ懇談会では「日本が過去史問題に協力するなら、韓日関係の改善が可能だ」と話した。そこが気になる。それは、口にすべき発言ではなかった。言い換えれば、文在寅と違うと主張するのはいいが、尹錫悦はその方法を知らないでいるわけだ。もっとわかりやすいのが、尹錫悦が昨年秋に見せた歩みだ。彼は慰安婦出身だというイ・ヨンスに会って、「日本から必ず謝罪を受けてみせる」と約束しただ。二人で写真も撮った。呆れるばかりだ。

この件を掘り返す理由は、これが尹錫悦の個人的な限界ではなく、韓国人が持っている誤った常識を反映するものであるためだ。今、『常識』を思い出そう。間違った反日主義、膨らんでしまった民族主義の感情をもう下ろそうではないか。李在明も同じだ。彼は昨年末、駐韓日本大使に会った席で、岸田文雄日本首相に会いたいという意を伝えたという。悪いけど、そう言えば、日本の首相が韓国の政治家に会ってくれるとでも思っているのだろう。とんでもない。

岸田首相は今月17日、日本国会演説で韓国関連内容を取り上げたが、一行だけで、ただ冷たいものだった。リップサービスとされる『日韓関係改善』などへの言及も全くなかった。つまり、慰安婦問題と個人賠償問題で浮上した葛藤を韓国が先に解決しなければならないというメッセージだったのだ。

なぜそうなのか。全てが文在寅のせいだ。朴槿恵政府が実に苦労して妥結した慰安婦合意を壊したのが彼ではないか。国と国との合意をむやみにひっくり返し、反日感情で洗脳された韓国人全員で大騒ぎをした。日本から(※韓国への)全ての『情(※親しくする紐帯関係)』が崩れ落ちた。それが真実だ。

曺国(チョ・グク、元法務部長官)が反日『竹倉歌』を高く叫んでいた時、この国の裁判所が韓日関係を完全にダメにしてしまった。徴用工に日本企業が賠償しなければならないという判決は、1965年度国交正常化時にすでにやった合意をもう破った。今日はっきり言おう、韓日関係を壊したのは韓国が先だ。多分、北朝鮮が介入した可能性も排除できない・・>>

 

引用部分の『強◯徴用問題』は『個人賠償問題』に修正してありますが、「徴用工」は原文ママです。イ・ヨンスを「慰安婦だ・と・い・う~」としたり、「徴用工」という単語を使ったり。韓国側の文章としては実に珍しいことです。日韓関係改善を主張する人は多いけど、具体的な道を示す人はいません。それを、「誰もが知っているのに、認める人はいない」という趣で書いたのも、ある種の切なさが感じられることもあり、良い表現だと思います。なにより、韓国に対する日本の反応を『疲れた』『もう情は無い』と表現している点は、『嫌』の字を使うよりはずっと的を射たものだと思います。

ただ、引用部分にも「『全て』文在寅大統領のせいだ」としていますが、引用部分以外では、とにかく左派への責任追及が半端ありません。こういうところは、残念です。この話も結構前から繰り返してきましたが・・「反日は迂回的な反米になる」、「米韓関係・日韓関係、そのどちらでも破壊すれば韓国は風に飛ばされる」、などなどの主張は知っていますし、私も概ね同意しています。慰安婦像など代表的な反日案件に、左派関係者たちが深く関わっていることも知っています。でも、彼らが反日を作ったわけではありません。既存の反日を利用しただけです。あくまで一般論ではありますが、右派には右派の反日があり、左派には左派の反日があります。それが衝突しているだけのことです。

 

 

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