例え労働条件がよかったとしても、韓国が併合時代の「徴用」を認めることはない・・「冷静で丁寧な話し合い」で、果たして佐渡島の金山の登載は可能か

当たり前ではありますが、日本政府が、韓国の「佐渡金山の世界遺産推薦を中止」要求を拒否(聯合ニュース原文ママ)しました。

日本側は「冷静で丁寧に話し合いたい」としていますが、そもそもこの件は『併合が合法か、違法か』に関わる問題なので、話し合ったところで何かの結論にたどり着けるとは思えません。本ブログは、登載推薦には賛成します。推薦すると言って、韓国が反対して、それでやめるとなると、形が悪すぎます。でも、果たして「冷静で丁寧に」でこの件がなんとかなるのか。それはまた、別の問題です。以下、聯合ニュースから引用します。<<>>が引用部分となります。

 

<<林芳正日本外務相が、佐渡鉱山(※佐渡金山は韓国語に直訳すると「佐渡金鉱」になりますが、どうしても金山というイメージを消したいのか、韓国では「鉱山」とします)のユネスコ世界文化遺産登録推薦を中断するようにした韓国の要求を拒否したと、産経新聞など現地メディアが29日報道した。

報道によると、林外務相は前日の夜、記者たちに韓国外交部が佐渡鉱山の世界遺産登録推薦の中断を促したことについて、「韓国側の独自の主張は受け入れられないという意思を(韓国側に)伝えた」と言った。林外務相は、ただ世界遺産登録を推進する際に関係国と協議が奨励されるとし、「韓国とも誠実に対話し、冷静で丁寧に議論したい」と話したと、共同通信は報じた。

彼は佐渡鉱山の世界遺産登録推薦をめぐり、米国とも意思疎通していると付け加えた。米国内で韓日関係の悪化を懸念する声があることを念頭に置いた発言だと思われる。先に岸田文雄日本首相は、首相官邸で開かれた略式記者会見で、佐渡鉱山をユネスコ世界遺産として公式推薦すると発表した。

韓国外交部はこの発表直後、スポークスマンの声明を通じて「韓国側の重なる警告にもかかわらず、日本政府が第二次世界大戦時の韓国人強◯労役被害現場である佐渡鉱山をユネスコ世界遺産に登録推進することにしたのは、非常に残念だ」とし「こうした試みを中断することを厳重に促す」と明らかにした>>

 

普通の相手なら、「冷静で丁寧に話し合う」でいいかもしれません。でも、韓国は違います。韓国側は被害を強調しながら、併合時代の徴用による労役の『全て(本当に『全て』です)』をひとくくりにして、人権問題だとしています。でも、それは表面的な理由にすぎません。もし今回の件で、佐渡金山での労働条件に問題なかったと証明できても、韓国は反対し続けるでしょう。

この問題は、韓国が併合を違法としていることとも繋がっているからです。そもそも併合時代に『徴用』という合法的行為は存在できなかった、そういう設定にしないと、臨時政府を母体にしている韓国の憲法そのものが成立しなくなります。大韓帝国→併合時代→大韓民国では、韓国という国の生まれそのものが成立しません。大韓帝国→臨時政府(併合は違法)→大韓民国こそが、韓国の憲法的に正しい歴史なのです。どこの世界の歴史かはともかく。

韓国は、当時の徴用(による労働)を国際法違反とし、そこから併合の法的正当性を崩そうとする意図を持っています。その意図があるかぎり、この件で折り合いは無理です。「ああそうか、労働条件には問題がなかったのか」と韓国が理解することもありません。「理解しない」ではありません。「理解してはいけない」のです。丁寧に話し合うとしても、韓国にとっては「憲法を否定するよう、丁寧に話すとでもいうのか?」にすぎません。

もし韓国が佐渡金山の登載に賛成するなら、それは日本が何か大きな件を譲った場合、または当時の労働条件に『違法のニュアンス(この前の「forced to work」のようなもの)』を加えた場合だけでしょう。世界遺産登載を心待ちしている方々には申し訳ない話ですが、そこまでするなら、登載しないほうがいいでしょう。登載そのものより、その議論過程がどうなるのか、その方が重要ではないでしょうか。どんな話が、資料が出てくるのか。韓国側はどんな資料(?)や話を出すのか。率直に言って、登載の可否より、その経過が重要です。端島のような展開だけは見たくありません。

 

 

拙著著のご紹介&お知らせなど♨  以下、本の題の部分はアマゾン・アソシエイトになりますのでご注意ください。

新刊<文在寅政権最後の暴走>が発売中です。文政権で日韓関係がどう変わったのか、文政権の考える『まともな国』とはどんなもので、それは南北、対日、対米、対中関係をどう考えていたのか。そして、どう失敗したのか。次期大統領選挙や日韓関係はどうなっていくのか。そんな内容となります。

准新刊<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >が発売中です。日本語たる不思議、その圧倒的な行間。「ありがとう」たる行間の存在。それらについて考察した本になります。既刊として、日本滞在4年目の日常と、ラムザイヤー教授の論文騒ぎから見えてきた日韓の差を考察した<「自由な国」日本から見えた「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論>、併合時代や1965年(基本条約締結)の韓国語記事などから当時と現状を考察した<恥韓の根源>も発売中です。他の拙著については別ページにまとめました

サブブログに議論エントリー(1~3)と雑談エントリーを用意しました。長くなりそうな話にはサブを利用してください。シンシアリーはツイッターを利用しています。99%更新告知ですが、たまに旅行先の写真とか載せますので、よかったら覗いてみてください。

本ブログのプライバシーポリシーはこちらになります