凍結資金のことで、イラン中央銀行が韓国政府を提訴する手続きに入ったことが、3ヶ月以上遅れて報道されました。
イランは、去年9月、韓国に対し提訴の前段階となる「紛争の意思」を通知しました。そこから6ヶ月内に妥協できないと、イランは韓国をISDに提訴することになります。韓国政府は1月29日に本件がマスコミに報道されるまで何も公表せず、の担当部署となる法務部は「外交的事案だから」という理由で取材を拒否しました。以下、SBSから引用してみます。<<~>>が引用部分で、動画の自動再生にご注意ください。
<<米国の制裁により原油輸出代金70億ドルを韓国に凍結されたイランが、最近、韓国政府に「紛争意思」を通知してきたことが確認されました。「紛争意思」を通知すると、6ヶ月間交渉を進めることになりますが、決裂すれば訴訟につながる可能性があります。
イランは去る2010年から、原油を韓国に輸出した後、その代金を韓国市中銀行に開設されたイラン中央銀行口座を通じて受け取りました。ところが、2018年5月、米国が対イラン経済制裁に乗り出し、国内銀行にあった70億ドル相当のイラン中央銀行の資金も凍結されました。
イラン側の激しい抗議が続く中、昨年、丁世均(チョンセギュン)当時国務総理はイランを訪問して問題解決を約束しました。【丁総理(昨年4月):イランのウォン資金問題の解決のためにも、イランを含む関連国と可能な協力を強化していきたいと思います】。こうした中、イラン中央銀行が昨年9月末、韓国政府にこの凍結資金に対する紛争意思を通知した事実が遅れて知られたわけです。
韓・イラン協定によって、紛争意思通知後6ヶ月以内に交渉による解決ができなかった場合、イラン側はISD、すなわち投資家と国家間の訴訟を提起することができます。イラン凍結資金は利子まで考慮すれば85億ドル、10兆ウォン規模で、ここに凍結による損害まで賠償を要求する可能性もあります。
【キム・ガプユ/国際仲裁事件専門弁護士:法的な紛争まで行けば、必然的に緊張状態になるかもしれないし、政治・外交的解決がはるかに望ましい件です】。イラン側から紛争意思通知を受けた法務部は、外交的事案という理由で取材に応じませんでした>>
関連した件として、去年1月、イランに韓国籍船舶「ケミ号」が拿捕されたことがあります。表面的な理由は環境汚染だったと聞きますが、実はイランと韓国政府の間の『お金(韓国側に凍結されたイランの資金)』の問題ではないか、そう言われました。その際、韓国外交部は『出来ることを尽くして』拿捕された船を解放させた・・としていますが、その船の会社が韓国政府を訴えました。
政府は何もせず、話し合いも支払いもすべて会社がやり、合意のために環境汚染も認めるしかなかった、と。合意金を払うため、ケミ号も売ったそうです。韓国政府がやったことは、合意の際に同席しただけだ、とも。会社側は、「こんな場合、国家はどこまで国民を守る責任があるのか。それを今回の裁判で確認したい」としています。もちろん韓国政府は「そんなことない。最善を尽くした」としています。この内容はペンアンドマイクの記事です。
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