マーク・ランバート米国務省 日韓担当副次官補が、いろいろマニュアルなことを話しました。日米韓関係って重要ですよね、日韓が仲良くなれるといいですよね、などなど。
『文在寅大統領の任期は残り少ないけど、だからこそ日韓関係を進展させることもできるのでは』と話した点だけが、いつもと違っていました。「任期も残り少ないしもういいだろう、日本に譲歩してしまえ」というアドバイスに聞こえなくもないですが・・私の心が曇っているからでしょうか。
そのことで、ソウル新聞が、「局長級が大統領に『訓手』をするとは、格に合わないことを言ったものだ」と、またもや『地位』に拘る記事を載せました。訓手とは、もともとは囲碁などで、周りから見ている人が「次はこうしろよ」とものを言うことです。普通は「教える、アドバイスする」という意味ですが、韓国では『望んだわけでもないのに、偉そうに教える』と、悪い意味での上下関係なニュアンスもあります。以下、引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<マーク・ランバート米国国務省副次官報が先日、文在寅大統領の任期内、韓国と日本の関係改善の可能性に言及した。韓日担当副次官補であるランバートは現地時間1月26日、ワシントンの有力シンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)対談に参加し、「アジア・太平洋地域で私たちの最も近い同盟は韓日であり、両国が協力しなければ私たちの安全に響く」と言った。彼は「文大統領に残った時間が少ないが、ある程度は状況を進展させるのに役立つかもしれない」と文大統領の任期内の韓日関係改善を促すような発言をした。
韓国の外交部だと国長級に該当する外交官が、格に合わない、同盟国の大統領に、こうしろああしろと言ったのだ。だが、ジョーバイデン大統領をはじめとする米国務省トニー・ブリンケン長官の関心が、中国やロシア、核交渉中のイランに集中している状況だ。今年に入って1月だけでミサイルを7回も撃ち上げた北朝鮮に国連安全保障理事会招集や追加制裁といった、効果の無い消極的措置しかできない米国だ。米国において朝鮮半島の優先順位はもう高くない。
4カ国協議体クアッド(Quad)と距離を置いている韓国が、日本とも冷たい関係を持続すれば、米国としても、対北、対中のための日米韓協力体制の損失になる。そこで、ランバート副次官報の発言が意図されたのか否かを離れて、露骨に「日本と同じ側に立て」と、韓国に『訓手』を投げたと見るしかない。
問題は、5月9日であれば任期を終える文大統領が韓日関係に使えるカードなど、ほとんどない点だ。「被害者中心主義」を掲げながらも、被害者救済のために3年間、何もしなかった大統領が、残った3ヶ月以内に電撃的な措置が出せるはずはない。岸田文雄日本首相は参議院選挙に力を入れるだろうし、個人賠償判決を「国際法違反」と言い切る日本が私たちと交渉する余地はない。
ランバートの訓手は、相手を間違えた。文大統領に韓日関係改善を話すなんて、どれだけ胸が苦しかったのだろうか。その心情は理解できる。しかし、本当の訓手がしたいなら有力大統領候補に向けて韓日関係改善してほしいと、今からでも発言を修正すればどうだろうか>>
「文大統領に日韓関係改善など言っても無駄だ」という部分だけは同意しますが・・他は全般的に、いったい何が言いたいのかよく分かりません。まず、日韓担当の人がシンクタンク対談で関係改善について話したことが、そんなに『格』を気にするようなことでしょうか。それに、記事を書いた人は、そもそも文大統領を高く評価しているようにも見えません。にも関わらず、『次官補が大統領にモノを言うとは、格を考えろ』と露骨に書けるのは、文在寅氏が『韓国』の大統領だから、でしょうか。それとも、ただ『日本と同じ側に立て』とした内容が気に入らないだけでしょうか。しかし、最近、本当に多いですね。「地位(この場合『格』」関連の話。
※エントリーする際に、投稿時間設定を間違えていました。いまは修正済みです(あと、『人気』も修正しました)※
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