日・韓 一部のマスコミ『佐渡金山は日米韓協力を乱す。北朝鮮問題が心配だ』

佐渡金山のことで、韓国では米国の仲裁に期待する声がありました。一つ前のエントリーで紹介した『日本内で~』に比べるとマイナーではありますが。

一例として、<<・・(※1月)21日、岸田首相がジョーバイデン米大統領とオンライン首脳会談した後、日本の外務省と頻繁に接触する米国務省関係者は、「中国という巨大な存在に同盟が向き合っている今、韓国と日本が互いに争うのは 困る」と日本側に懸念を伝えた。韓米日協力を重視する米国が可能であれば、乱れを起こさないことを望むという趣旨のメッセージを伝えてくると、岸田首相はさらに悩みに陥った。そんな中、自民党強硬派は佐渡鉱山を世界遺産に推薦するよう強く圧迫し・・(世界日報、1月29日)>>、などです。

 

重みのある案件なら、首脳会談で議題にすればいいじゃないか、な気もしますが。日経新聞が「推薦決定前に、米国側と話した」とする記事を載せてから、この件はヒートアップしました。日韓関係を気にする米国に対し、事前に説明するのは『普通』のことだと思いますが・・韓国側としては、「米国が仲裁してくれる」という認識になったようです。

そこから「佐渡金山の世界遺産登載は日米韓協力によくないぞ、いいのか?いいのか?」な記事が出たり、「これで(文大統領任期内の)日韓首脳会談は事実上難しくなった」とする記事まで出てくる、そんなアリサマです。でも、残念なことに、1~2日遅れて、日本側からも同じ内容の記事が出るようになりました。佐渡金山のことで「日米韓協力の邪魔になる」という記事のことです。韓国のためではない、北朝鮮に対抗するためだ、という趣旨になります。

でも、そんな展開を期待していた一部(全部?)の人たちの期待とは違い、昨日行われた 日米外相会談で、佐渡金山に関連した内容はありませんでした。日韓関係についての言及はあったけど、佐渡金山関連は無かった、と。以下、韓国日報の記事から引用します。

 

<<トニー・ブリンケン米国国務長官と林芳正日本外務大臣が、北朝鮮ミサイル発射対策を議論するために行った電話会談で、韓日関係に対する見解を交わしたと、林長官が明らかにした。これと関連して、日本経済新聞は「米国が韓日関係改善を促した」とし、悪化した韓日関係で対北朝鮮韓米日共助が影響を受ける可能性があると報道した。3日、朝日新聞によると、前日、林長官(※外相)はブリンカーン長官と35分間電話協議をしたと記者たちに明らかにした。日本側の要請で行われた今回の協議内容は、ほとんど北朝鮮情勢に対するもので、地域内抑止力強化方法などを議論した・・

・・日本のメディアは、悪化した韓日関係が北朝鮮ミサイルに対する三国共助に影響を及ぼすことを懸念した。朝日新聞は「日韓関係は改善の兆しが見られない」とし「岸田文雄政権がユネスコ世界文化遺産登録を目指して佐渡鉱山の推薦を決めたことに対して韓国が反発するなど、新たな問題も生じた」と報じた。ただし、林長官はブリンケン長官と韓日関係について議論したが、「佐渡鉱山への言及はなかった」と明らかにした。

日本経済新聞も「長期化する韓日対立は対北朝鮮政策に支障をきたすことができ、米国は韓日関係改善を促している」と報道した。新聞は「徴用訴訟や慰安婦問題などで葛藤が長期化して韓日外交・国防長官間の疎通がほとんどない」と指摘し、「韓日対立が続くと北朝鮮が隙を狙って挑発の水位を高め、米国の対応がついていけないかもしれない」と憂慮した>>

 

余談ですが、同日、韓米外相の電話会談もありましたが、そこでもこれといった話はありませんでした。同じく、重要な案件なら直接話したでしょうに。北朝鮮問題だって、去年9月にキム・ヨジョン氏から「挑発という言葉は使うな」と言われ、それから本当に言わなくなった韓国政府ですから。「日米韓で おーっ(声だけ)」なマニュアル会話以外、やることもなかったでしょうし。

日米韓協力を見出しているのがどちらなのか、それは一目瞭然です。一例として、日米韓会議直前に警察総長の竹島上陸を許可したのは韓国です。その時、日韓のマスコミは『北朝鮮問題に対する日米韓協力が心配だ』という声をどれだけ上げたのでしょうか。さぁ、あまり読んだ記憶がありませんが。それに、もし日米韓協力がそこまで必要なら、いままで相対的に日米韓の足並みを乱してきたこともあるし、韓国が譲ればいいのでは。

 

 

拙著著のご紹介&お知らせなど♨  以下、本の題の部分はアマゾン・アソシエイトになりますのでご注意ください。

新刊<文在寅政権最後の暴走>が発売中です。文政権で日韓関係がどう変わったのか、文政権の考える『まともな国』とはどんなもので、それは南北、対日、対米、対中関係をどう考えていたのか。そして、どう失敗したのか。次期大統領選挙や日韓関係はどうなっていくのか。そんな内容となります。

准新刊<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >が発売中です。日本語たる不思議、その圧倒的な行間。「ありがとう」たる行間の存在。それらについて考察した本になります。既刊として、日本滞在4年目の日常と、ラムザイヤー教授の論文騒ぎから見えてきた日韓の差を考察した<「自由な国」日本から見えた「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論>、併合時代や1965年(基本条約締結)の韓国語記事などから当時と現状を考察した<恥韓の根源>も発売中です。他の拙著については別ページにまとめました

サブブログに議論エントリー(1~3)と雑談エントリーを用意しました。長くなりそうな話にはサブを利用してください。シンシアリーはツイッターを利用しています。99%更新告知ですが、たまに旅行先の写真とか載せますので、よかったら覗いてみてください。

本ブログのプライバシーポリシーはこちらになります