韓国大手ケーブル局、ユネスコに「(日本の世界遺産を)登載後に取り消せるのか」を集中的に質問

韓国の「JTBC(チェ・スンシル氏のタブレットを見つけて一躍有名になったあのケーブル局です)」が、佐渡金山に関する議論に対し、ユネスコはどんなスタンスなのかを取材しました。

当たり前ですがユネスコ側は佐渡金山に関する日韓の主張に直接触れることはなく、韓国側が(多分)期待していたものより、マニュアル的な対応でした。取材そのものよりも気になるのは、なぜか話が『登載された世界遺産を、あとで取り消せるのか』に集中している点です。

これは、来年後半、すなわち佐渡金山の登載の可否が決まったあとに、ユネスコ委員会国に出馬するからです。もし来年(現状の委員会国のメンバー多数決で)佐渡金山が登載されたとしても、その後に韓国が委員国になれば、取り消すことができるのか。それを聞いたわけです。以下、JTBCから引用します。<<>>が引用部分となります。

 

<<日本が、佐渡鉱山のユネスコ世界文化遺産推薦を強行することに決定しながら、議論が大きくなっています。 JTBCは議論以来初めて、世界文化遺産登録の可否を決定するユネスコ側の立場を受けとりました。ユネスコ側はJTBCとのメールで、「登録決定自体は21の委員国がすることになっている」とし「一度登録が決定すれば、取り消すのは容易ではない」と強調しました。

もし佐渡鉱山が来年に世界文化遺産として登載されても、「世界文化遺産としての特性を失ったかどうかを判断して、登載の取り消しをするかそうかは、世界遺産委員会が決定することになっている」と明らかにしました。ただし、「そのような決定は非常に珍しい(It is an extremely rare decision)」ものであり、「今までそのような場合は、たった3回だけだ」と言いました。

過去登録が取り消された3件は、オマーンのアラビアンオリックス保護区(2007年)、ドイツのドレスデン・エルベ渓谷(2009年)、イギリスのリバプール海洋産業都市遺産(2021年)です。しかし、これら3件すべて、開発により、世界遺産の選定基準である「卓越した普遍的価値」(OUV・Outstanding Universal Value)が毀損されたという判定を受けたからです。つまり、今まで、政治や宗教、歴史の解析に関する論争などで登載が取り消された事例はありません。

ユネスコ側は、「遺産に問題がある場合、委員会と委員局が対話を通じて解決方法を探す」と付け加えました。ユネスコ委員会は、アルゼンチン、ベルギー、ブルガリア、エジプト、エディオピア、ギリシャ、インド、イタリア、日本、マリ、メキシコ、ナイジェリア、オマーン、カタール、ロシア、ルワンダ、セントビンセント・グレナディーン、サウジアラビア、南アフリカ、タイ、ザンビアの21箇国です。世界文化遺産として登載するかどうかは、結局、これら委員国の手にかかっているわけです。通常、満場一致で決定するのが慣例ですが、異見がある場合は、3分の2以上(14カ国)が賛成すれば登録できます。

日本は委員国であるうえ、中国に続いて二番目に分担金を多く出しており、ユネスコの影響力がかなり大きいです。韓国政府は、水面下の外交を通じて、委員国に私たちの立場をよく説明し、説得しなければならない状況です。

JTBCはユネスコ側に、日本政府が先に「軍艦島(※端島)」関連の約束を守らなかったことが、今回の佐渡鉱山の登載に影響を及ぼすか尋ねました。これにユネスコ側は直接的な回答は避けながらも、昨年世界遺産委員会が「強い残念(Strongly regret)」を表した決定文を再び思い出させました。これに先立ち、日本は2015年「軍艦島」が世界遺産に登録された過程で、韓国政府の懸念などを勘案して「朝鮮人『強◯労役』事実を知らせる」と約束したことがあります。しかし、この約束はこれまで守られておらず、昨年7月、ユネスコ世界遺産委員会が異例に問題としました>>

 

来年、韓国が委員国になるかもしれないこと。安倍元総理や高市早苗政調会長が、佐渡金山世界遺産推薦について「保留はダメだ」とした理由の一つではないでしょうか。ソース記事の回答だけなら、どうやら後から取り消すのは無理だと思われます。また、「通常の満場一致にはならなくても、3分の2以上の賛成を狙う」といった日本側のやり方は、基本路線としては間違っていないと言えるでしょう。

ちなみに、引用部分の最後の段落ですが、案の定『◯制 労役』など曖昧な言葉を使って逃げ道を作った文章だと思われます。一見、日本が国際法違反の強制◯働を認めて約束したという印象を与えていますが、そもそも日本は強◯労働は認めていません。反論されたときに言い訳をするため、「強◯労働とは言ってないよ?」な文章にしたのでしょう。

産経新聞の記事によると、ユネスコの決議には「『意思に反して、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮人やほかの人たち』と徴用政策について、理解できるような方策をとる」となっています。これは国際法違反の強制◯働(forced labour)ではなく、日本側の失言である「forced to work」をそのまま引用した表現です。

 

 

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