ブログがある程度復旧できてから、慰安婦に関する記事を調べてみました。米軍 (基地村)慰安婦について書いたのも、その中でチョイスしたものとなります。本当は韓国軍(朝鮮戦争) 慰安婦について何か新しい情報が無いのか知りたかったですが、もうしばらく新しい情報は無く、このまま迷K(宮)入りになるのではないか、そんな気がします。本エントリーは、慰安婦問題そのものについてのものではありません。大手全国紙に載っていた「『慰安』の意味」についての、あるミスのことです。どちらかというと、「1950年代の記事が、理解できないのか?」な趣旨の話になります。
韓国軍(朝鮮戦争)慰安婦に関する、2021年6月24日韓国日報の記事。記事そのものは、悪条件の中でこの問題を研究しているキム・グィオク教授の話を紹介するもので、キム教授の話の部分にはこれといって問題がありません。当時の韓国軍の資料(いまは非公開になりました)に慰安婦システムの記録が残っていること、参戦した将校たちの回顧録の内容など、新しい内容は無いけど、いままでと一貫した研究結果が紹介されています。
ですが、その中に、妙な部分がありました。<<・・キム教授は、いろんな資料で確認できるという。例えば、1952年12月30日、東亜日報には「韓国軍のための慰安所が必要だ」という内容の読者投稿が載り、翌年、停戦協定締結後の11月16日、京郷新聞には「陸軍会館4つにわたって韓国軍の 慰安所を増設する」という記事が掲載された・・>>。ソース記事では、「例えば」としていますが、これはキム教授が話したのではなく、韓国日報が独自に書いた部分だと思われます。なぜなら、本件について研究しているのはキム教授一人しかいないので、他の記事でもほぼ同じ内容が出てきますが、他の記事にはこんな内容がありません(※これは私見で、キム教授が間違えた可能性ももちろんあります)。読んでみて、この部分だけ、『あ、これは新しい情報かも』という感じがしました。だからちょっと調べてみましたが、以下、NAVERライブラリーからキャプチャーした、当時の記事となります。
(画像・左)1953年11月16日の京郷新聞の記事は、こんな内容でした。<<将兵たちの慰安所を増設。陸軍本部ソウル分室では、一線の兵士たちに十分な休養と慰安を与えるため休憩所を増設した・・(以下、場所など省略)>> (画像・右)1952年12月30日東亜日報にはこうなっていました。<<一線で苦闘して、休暇で帰郷して、楽しい数日間を過ごすものの、家計のためにお菓子を売る現役軍人を見た・・・・祖国のために戦うだけで偉大なことなのに、休暇中でさえ慰安より苦痛を経験しては、どうやって彼らに最大の忠誠を要求できるだろうか・・・全国各地に将兵たちが疲労した心身を癒やし、真の愛国者たちの士気のために、温かい慰安所を設置することを提案したい>>。
いや、これ、「あっち系」の慰安所じゃないでしょう。もともと『軍』関連で慰安、慰安所というのは、将兵たちを激励するために、無料で公演を行ったり、食事を提供したりすること、およびそのための場所を意味する言葉でした。併合時代の記事では、むしろ「慰安婦」で検索してもあまりヒットしません。普通の慰安公演(慰問コンサートのようなもの)や休憩所という意味での慰安所がヒットします。いわば、慰安婦という言葉そのものが『慰安』からの派生(ある種の隠語のようなもの)だったわけです。韓国軍が韓国軍 慰安婦を『第5種補給品』と呼んだというのも、同じく隠語か何かでしょう。当時、補給品は4種までしかありませんでした。
記事そのものはよくできているのに、なんで『慰安』のもともとの意味も知らないでこんなミスをやらかしたのか。残念でもあり、同時に、「大手の記者でもこれなら、普通の人たちが、併合時代の記事なんかちゃんと理解できるのだろうか」とも思わざるを得ませんでした。ネイバーなどが丁寧に昔の記事をライブラリー化しているのに、なぜか韓国ではソースとして全然活用されない、その理由の一端が見えた気もします。
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