2007年、韓国の政治経済学博士「ノ・ダニエル」氏が、月刊中央(中央日報の月刊誌)に寄稿した文を紹介したいと思います。基本的には、韓国社会に蔓延している数多くの『ディリュージョン(妄想)』のせいで、韓国に住む外国人たちは不愉快な思いをしており、特に、韓国に滞在している日本、米国、中国の政治家、学者、専門家の心は、どんどん韓国から離れつつある、という内容です。そして、それは外交関係でも現れている、と。
ノ・ダニエル博士はこの点を「とても深刻な問題だ」としています。かなり長く、まとめるのが大変な構造になっていますし、具体的には同意できない部分も多いなどいろいろありますが、日本・中国関連の部分をまとめてみました。結構な部分が、2022年の日中韓関係と、無関係ではないとも思われます。以下、月刊中央のソース記事(中央日報の記事としてネット公開されています)、その1がここ、その2がここになります。<<~>>が引用部分となります。
<<・・日本・中国・アメリカなど、韓国と重要な関係にある国々の、社会に大きな影響を及ぼす人たち、例えば政治家、官僚、学者、専門家など『特権階級』の人たちが、韓国から離れつつある。私のこの考えが本当なら、これは本当に深刻な問題だ。韓国で大使として勤務した、ある米国の外交官が、本国に戻る途中、友人である日本外交官と会った。その時、彼は「韓国で暮らした3年間は、地獄だったよ。あなたたちはよくも36年間も支配できたものだね」と話したという。韓国人として、血が逆流するような瞬間だった。
韓国社会の集団ディリュージョンが、韓国を世界から遠ざけているとの主張を提起したい。 それらの妄想は、長年にわたって作られた慢性的なものだ。韓国にいる外国人たちが、突然韓国から全員出国するとか、縁を切るという意味ではない。ただ、韓国人が共有しているディリュージョンは、広範囲で、体系的であり、それのせいで、韓国が求めている機会が閉ざされていくという点を主張したい。
様々な国の人に会って家庭教育についての話を交わした。日本の家庭では、両親が子供たちに何を強調しているのか。圧倒的に「外に出て他人に迷惑をかけないで」だ。米国の両親は「何か新しいことをしてみろ」と強調する。中国の両親なら「お金を稼げ」だ。では、韓国の親は何を強調するのか。私が知っているかぎりだと、「何があっても他人に負けるな」だ。これは子供の幼年期に限定されるのではなく、大人になっても変わらない。
日本、中国と大して仲が良いわけでもないのに、韓国人は『韓中日』を一つのグループとして考えている。そして、韓、中、日の順番を絶対に間違えない。「関係」のディリュージョンを持っているわけだ。同時に、「韓半島をめぐる列強たちが韓国を苦しめた」という妄想も持っている。これは、韓国で成長しながら繰り返して言われる言葉だ。そこで、列強に対して、嫉妬妄想も生まれた。結果、「私たちは小さいけど、決して日本や中国のやつらには負けない」と言う。これらの妄想が、国家経済・政治にまで具現化されてしまい、外国に対する行動の心理的基調を成す時、相手の国がバカでないなら、普通に気づくだろう。「喧嘩を売ってきたのは、韓国の方だ」と。韓国人が攻撃的(※原文では挑戦的、aggressive)という話をよく聞く。
しかし、韓国は、日本をはじめとする周辺国に対しては反抗的であると同時に、「あまえ」ることもできると考えている。嫉妬や恨みだけでなく、韓国の関係妄想には、憧れなどの感情も複合的に入っているからだ。つまり、韓国は、自分の反抗を、中国・日本・ロシア・アメリカなどが受け入れてくれるだろうという期待心理を持っている。
日本企業が韓国を離れることに、もっと気をつけなければならない。歴史問題を含め、日本とどのような葛藤があっても、日本の技術・知識・ノウハウに韓国が依存しているのが現実だ。今でも多くの企業や団体が、何かあればすぐ日本を訪れる。韓国に長く滞在した日本総合商社のある幹部は、「韓国企業は、ベンチマーキングという名分で、自分たちが日本企業から資料を持っていっても、日本企業は当然それに協力してくれると考えている」という。過去にいろいろあったから、日本は何でも応じてくれなければならないという、韓国人の甘えがよく現れている。
現在、韓国人の心は日本を離れ中国に向かっている。しかし、中国のエリートたちは、韓国が望むほど韓中関係を重要視していない。中国共産党首脳部にとって、韓国はどんな存在か。中国のあるシンクタンクの研究員が、一言で正解を出した。「米国との関係を基盤に成立している」。中国としては米国との関係が最も中心であり、その延長線の上で韓国の戦略的価値を判断するという意味だ。上海で韓国の貿易を代表するポジンションにいるPさんは、十数年後、果たして中国にとって韓国が必要なのだろうか、と思うと告白する。韓国人が世界で愛され、認められているという話は、本当だろうか。韓国人は正しく、正義であるから、節制やタブーなど必要ないという幻想に酔っているのではないか。62年目の光復節、そんなことを考えてみる>>
なんというか、「日本には何をしてもいい」という感覚を、韓国人(お名前からして外国で育ったのでしょうか?)博士も持っていたというのは、印象的です。普通の感覚なら、そう思うでしょうけど、その普通の話がとてもめずらしいから困ったものです。もともとかなり厳選して(?)引用した内容なのでこれといって書きたいことはありませんが、2007年にノ・ダニエル博士が心配していたことが、2022年に現れていることだけは、間違いないでしょう。次の更新は、明日の午前9時~11時の間になります。シンシアリーからの大事なお知らせ と、 コメント注意事項をお読みください。後者には2月17日にアップデートした内容があります。
新刊<卑日(扶桑社新書)>が2022年3月2日発売です。韓国に蔓延する、新しい、そして歪んだ対日観、『卑日』について考察した内容です。最近、韓国で流行っている『地位』『国格』などの言葉と、その裏の意味。K防疫や終戦宣言なども含め、なぜ今韓国に『卑』が必要なのかを考察、率直に書きました。ぜひ、ご一読を!
・准新刊<文在寅政権最後の暴走>が発売中です。文政権においての日韓関係とは。文政権の考える『まともな国』とは。まともな南北、対日、対米、対中関係とは。それらはどういうもので、どう失敗したのか。そんな内容の本です。
・既刊として、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >、日本滞在4年目の日常と、ラムザイヤー教授の論文騒ぎから見えてきた日韓の差を考察した<「自由な国」日本から見えた「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論>、併合時代や1965年(基本条約締結)の古い記事を考察した<恥韓の根源>も発売中です。他の拙著については別ページにまとめました。
・サブブログに議論エントリー(1~3)と雑談エントリーを用意しました。長くなりそうな話にはサブを利用してください。・シンシアリーはツイッターを利用しています。99%更新告知ですが、たまに旅行先の写真とか載せますので、よかったら覗いてみてください。
・本ブログのプライバシーポリシーはこちらになります。