IAEA、福島第一原発現地調査を終了・・大した発表は無く、一部の韓国メディアは「調査団に韓国人も含まれている」点を報道せず

新型コロナなどの理由で遅れてしまったIAEAのチームが、福島第一原発処理水の現地調査を終え、記者会見を開きました。報告書は4月に出るので今はまだ何とも言えないでしょうけど、これといった指摘は無く、『相当な進展があった』と話すなど、少なくとも記事の文面だけだと、そう悪い雰囲気ではなかったようです。チームには韓国、中国からも専門家が参加しましたが、その専門家から何か問題が提起されたというニュースもありません。報告書は4月ですが、韓国側の記事を読んでみると、IAEAは放流を始めることを規定事実としており、韓国側が望んでいたもの(うわあぁぁ大変だ逃げろ~など)とは、かなりニュアンスが違います。

いくつかの記事を読んでみて気になったのは、韓国側のメディアの一部が、「韓国人専門家も参加している」という内容を報じないでいる点です。韓国側はいままで、この「韓国人専門家も参加する!」ということを結構大きく報じてきました。去年7月8日を前後して、韓国各紙は、「韓国政府の要求をIAEAが受け入れ、検証団に韓国側の専門家が参加することになった」とし、韓国原子力安全技術院(KINS)のキム・ホンソク博士の参加を大々的に報じています。記事にもよりますが、当時は、「やった!これで勝てる」な感じの報道が多かったと記憶しています。

ですが、いざその専門家が現地入りしたというのに、何も報じないとは。良からぬ意味で大したものです。ちなみに、韓国と中国だけでなく、今回訪日して調査を終えたチームには、11カ国(IAEAの関連サイトより)より専門家が参加しています。幸い、聯合ニュース、SBS、MBC、KBSなど『超』大手は、韓国人専門家も参加しているとちゃんと報じています。これといった内容は無く、単に「韓国の~博士が参加しています」と述べているだけですが、現状、それ以上報じる内容もないでしょう。しかし、結構大手の韓国日報、ニュース1、YTN、ソウル新聞などは、その点については報じていません。私が記事をチェックしていた時点では、朝鮮日報や中央日報にはまだ記事がありませんでした。それでは、記事を引用してみます。各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<18日、国際原子力機構(IAEA)調査団が、日本政府が来年春から海に放流することにした福島第1原子力発電所処理水(※原文では『汚染』水)の安全性検証を終え、「かなりの進展があった」と明らかにした。AFP通信によると、原発非専門家を含むIAEA調査団は14日に訪日し、翌日から日本政府の原発処理水放出計画に対する安全性検証作業に着手した。先に日本政府は処理水放流の安全性に対する保証を受けるためにIAEAに調査を依頼し、調査団は昨年12月訪問予定だったが、新型コロナウイルス感染症により延期されてきた。

リディ・エブラールIAEA事務次長はこの日の記者会見を通じて、調査団は福島第1原発を訪問し、処理水海洋放出のための初期準備状態などを点検し、その結果、来年3月に放流作業が始まると見られると明らかにした。エブラール次長は「調査団は日本政府の処理水放流運営および規制計画を、よりよく理解するために、今週検証手続きに突入し、その結果、かなりの進展を遂げた」と話した・・・・韓国、中国など周辺国は環境及び安全問題に懸念を提起して反発しているが、日本とIAEA側は残留物質が人体に危険な水準ではないと対抗している・・(ニュース1から引用)>>

まず、「非専門家を含めたチーム」って、こういう書き方も珍しいじゃないでしょうか。チームの中に非専門家がいたのでしょうか。もしそうなら、嘘ではないかもしれません。でも、わざわざ現地調査に来たIAEAのチームを「非専門家を含めたチーム」といいますか。「専門家チーム」と言うでしょう、普通。嘘とまでは言わないけど、明らかにミスリードです。

 

<<福島第一原発処理水(※原文では「汚染」水)海洋放出計画の安全性を検証中の国際原子力機関(IAEA)調査団は、IAEAは放流に反対したり放流を承認したりはしないと明らかにした。調査団を率いて日本を訪問中のリディ・エブラールIAEA事務次長は18日、オンラインで開かれた記者会見で、「IAEAが。日本は海洋放出してはならないという結論を下す可能性があるのか」という質問に対し、「IAEAは決定を承認したり、反対しない。それは、各国の責任で下されるものだからだ」と答えた・・・・彼は海洋放出以外に他の方法はないかという問いに、「他の選択肢についての検討は、過去に終わった」とし、調査団の今回の活動は海洋放出計画を決定した日本から技術的支援要請を受けて行われるという認識を表明した・・(アジア経済より引用)>>

アジア経済にも「韓国人専門家参加」の記述はありません。さて、4月の報告書待ちになりますが、少なくとも、いまのところ何か問題が指摘されているわけではないと思われます。もし何かあったなら、韓国は今頃大騒ぎ(祭り?)になっていることでしょう。私は信じていますが、政府もIAEAも、いいものはいいと、ダメなものはダメと、透明に公開されていくことを願います。福島関連の風評被害が一日でも早く無くなることを、心から願います。報告書の内容によっては、むしろ、日本政府が韓国や中国に対して禁輸措置の撤回を要求する根拠にもなれるでしょう。どんな内容が公開されても、結論ありきで文句を言う国があるでしょうから、そこが頭痛いところですが。

最後に、いつもの告知ですが、次の更新は午後2時~3時あたりを考えております。また、シンシアリーからの大事なお知らせ と、 コメント注意事項(2月17日アップデート)をぜひお読みください。まだまだ現在進行中のトラブルもありますが、ブログの技術的問題は安定してきました。ありがとうございます。

 

 

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