韓国では佐渡金山の世界遺産推薦を「選挙対策」というけど、選挙は国民の世論の現れです。「日本の有権者の73%、佐渡金山の世界遺産推薦に賛成」

韓国では、日本政府が、韓国からして思わしくない動きをするたびに、『選挙対策だ』という主張が出てきます。例えば、韓国と首脳会談しないのは、「参議院選挙対策だ」とします。参議院選挙が終わってからは、衆議院選挙対策になります。それからはまた参議院選挙対策。

今回の佐渡島の金山(佐渡金山)も、そんなパターンです。韓国では、「参議院選挙のためだ」という主張が主流になっています。例えば、ニューシースは、「日本政府が佐渡金山を政治的に利用している」と前提しながら、「日本の世論は、韓国と中国に対する反発が根深い。したがって、韓国と中国への強硬論は、支持を得やすい。同時に、保守派を結集させる機会になる。自民党保守派の反発は激しい。首相官邸では『もう面倒だから推薦しよう』という雰囲気だったと言う。ただし、最後まで悩んだのが岸田首相だった」と報じています。

ただ、こういう分析には致命的な問題があります。選挙対策といっても、それは世論あってこそのものでしょう。わざと何かの騒ぎを起こして、世論をミスリードして、そうやって人気を得ようとするならともかく、そもそも、いつも騒ぎを起こすのは韓国のほうです。今回の佐渡金山だって、前から世界遺産に推薦するという話がありました。そもそも、韓国が新しい騒ぎを起こさないなら、選挙シーズンにこれといって韓国の話は出てきません。

既存の案件(旧朝鮮半島出身労働者問題など)が思わしくない意味で注目されているのは事実ですが、私の感覚だと、選挙において日韓関係はそこまで重要とされません。この場合、「選挙対策のせいだ」ではなく、「世論のせいだ」というべきでしょう。そう、日本の世論が、もはや韓国が望むものとは違う道を歩いているのです。韓国がどうしても文句が言いたいなら、その相手は『強硬派政治家による選挙対策』ではありません。日本国民です。

 

今回の佐渡金山関連でも、「日本の有権者の73%は、佐渡金山の世界遺産登載推薦に賛成している」という記事がありました。先月の他紙の同じ内容の調査より、賛成世論が大幅に増えたそうです。韓国では「韓国経済」が報じています。日本メディアの各数値も韓国経済の記事をソースにしています。

まず、先月22~23日、まだ登載推薦が公式に決定する前、産経新聞とFNNが行った調査では、佐渡島の金山(佐渡金山)を世界遺産として推薦することに賛成する意見が53.8%、反対する意見が33.9%だった、とのことです。しかし、今月19~20日に共同通信が日本の有権者を相手に実施した調査結果だと、「旧朝鮮半島出身労働者が強◯労働した現場だということで、韓国が登載に反対している中、佐渡金山を世界遺産に推薦した日本政府の判断についてをどう考えていますか」という質問(※韓国ソース記事原文ママ)に対し、回答者の73.0%が「適切だ」としました。「適切ではない」は19.6%。

韓国側はこの結果を、「佐渡金山の世界遺産登載推薦は、参議院選挙用」という主張の論拠にしたいようです。ソース記事「韓国経済TV」から必要な部分だけ引用してみます。<<~>>が引用部分となります。 <<佐渡鉱山(※佐渡金山のこと)を日本政府がユネスコ世界文化遺産として推薦したことについて、日本の有権者の多数が支持していると把握された。 岸田文雄総理は推薦保留を考えていたが、安倍晋三元日本首相など強硬右派政治家が推薦を促し、文雄内閣は推薦書を提出した。比較的「ハト」派として知られる文雄総理が、強硬派の攻勢に押されたという分析とともに、今年7月参議院選挙を控えて、世論を意識した決定だという分析も出ていた・・>>、と。

 

ただ書いてあるとおりに「日本国民は佐渡金山の登載に賛成しているんだな」と思えばそれでいいだけですが・・韓国としては、共同通信の質問をもう一度読んでみたほうがいいでしょう。どことなく「韓国が反対していますがどうしましょうか」という趣旨に見えなくもありませんが、全然効果がありませんでした。むしろ、逆効果だったという見方も可能です。そもそも、賛成・反対には人それぞれ理由があるでしょうけど、「韓国が反対するからダメだ」と思う人はそういないでしょう。しかし、『文雄』内閣って、韓国でも珍しい表記です。これ、失礼な書き方だと思われますが・・普通なら、韓国でも岸田内閣と書きます。

最後に余談ですが、韓国は何が何でも佐渡金山とは言わず、『佐渡鉱山』とします。別に完全に間違った訳とも言えませんが、この点について考えてみた過去エントリーがありますので、未読の方はそちらも参考にしてください。韓国の外交部長官が本格的な外交戦に突入した、という内容のものでした。

 

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