専門家「中国は気づいた。THAAD配置で韓国に負担をかけると、朝鮮半島全域をコントロールできることに」

記事で「THAAD制裁」というのは、韓国が在韓米軍のTHAAD配置を認めたことで、中国が韓国に数々の(中国での韓流に何かの制限、または不利益をかけるなど)措置を仕掛けた、、、そういう流れを、韓国ではTHAAD制裁と言います。決まった書き方があるわけではありませんが、韓流などに限っては主に「限韓令」とも言います。

韓国と中国が外交関係を樹立してから30周年ということもあって、中国について専門家とされる人たちが、「韓国があまりにも『下』扱いをされている」という意見を出しています。韓国政府は「そんなことない、中国に対して決して低姿勢ではない」としていますが、いつもは親中スタンスな人たちさえも、韓国と中国の関係が、まるで主従関係のようになってきたと指摘しています。

なにせ、外交部長官自ら、中国の人権問題に関して、韓国は直接参加しないことにしていると公言する(去年12月29日、国民日報など)アリサマですから。「(北朝鮮と中国の人権問題と関連した国際社会の動きに、韓国政府は無関心すぎるのではないかという質問に対して)北朝鮮、中国と韓国は特殊な関係にあり、安全保障と直結しているし、協力する部分が多く、人権問題に関する国際的努力にじゃ、直接参加しないことにしている」と話したこともあります。それでも鄭義溶外交部長官は「韓国政府が取っている立場は、決して『曖昧』なものではない」と強調しました。

韓国側からすると、「こうすると、中韓関係がうまく回るだろう」と思っているのかもしれません。しかし、こんな態度だからこそ、いつまでもTHAAD関連措置が解除されないという主張もあります。北京大学国際関係学院で中国の外交、国際政治を専攻したチュ・ジェウ博士も、そういう主張を展開する一人です。ソース記事はイーデイリーのインタビュー記事ですが、結構長いので、初頭のまとめ部分を引用してみます。基本的に、「中国は、気づいた」という内容です。韓国に、「韓国が負担を感じるような措置を続けることで、北朝鮮だけでなく韓国まで、朝鮮半島全域を中国の外交勢力圏内にすることが出来る、と。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<「2016年以降、いわゆる戦狼外交(※攻撃的な外交をするという中国の方針)の結果、中国は南・北朝鮮を同時に統制するという所期の目的を達成できました」。30年以上、中国専門家として中国政治・外交を研究したチュ・ジェウ慶煕大学中国語学科教授は11日、イデイリーとのインタビューで、「THAAD制裁は、解除されないでしょう」としながら、このように明らかにした。彼は、そういう措置が、中国が韓国をコントロールするための手段になっていると言う。

チュ教授は、「中国共産党の対外方針は、中華人民国家を建国し、中国外の外勢、すなわち資本主義帝国主義国家を追い払うことです」とし「その相手が、米国です」と説明した。彼は「建国以後、5つの地域・国家に米国勢力が駐留しました。ベトナム、台湾、大韓民国、日本、フィリピンです」、「ベトナム、台湾、フィリピンから米軍は撤退し、残った所は韓国と日本だけです」と話す。ただし、韓国と日本に対する中国の見方は、かなり異なるというのが、チュ教授の説明だ。

分断国家であり、中国と国境を接している朝鮮半島は、絶え間なく勢力競争が起きる場所だ。修交過程で米中は。北朝鮮は中国、韓国は米国が管理することに合意した。北朝鮮の核開発が進み、韓米同盟も強化された。中国も力のバランスをとるために北朝鮮側に力を入れた。このような状況で、THAADにより、韓国内で『中国を怒らせてはダメだ』という信念が形成されたのは、中国にとって、あまりにも好材料となった。

チュ教授は、中国は、THAAD制裁により、朝鮮半島全域を外交的影響力の下に置くことができると見ていると言う。彼は、「通常、中国が行う制裁関連措置は2年間で終わります。しかし、THAAD関連だけは、終わりが見えません」とし「国連などで対北朝鮮制裁が続いている現状、中国が、韓国に何かの負担を追加することならあるかもしれませんが、解除することはないでしょう」と明らかにした・・>>

こういう話になると、韓国では「THAAD配置を決めたのは朴槿恵政府だから、文在寅政府は関係ない」という主張が盛り上がります。もちろん、文大統領を支持する人たちに限って、ですが。しかし、中国が韓国を『下』と見るきっかけになったのは、THAAD配置そのものではなく、その後の、文大統領の3NO(THAAD追加配置無し、米ミサイル防御網加入無し、日米韓3角同盟の『3国同盟』化無し)ではないでしょうか。

むしろ、配置した後に韓国がもっとシャキッとした態度を示していたなら、中国は「韓国を中国の外交勢力内に置くのは難しい」と思ったかもしれません。多分、ですけど。しかし、記事でも指摘していますが、「中国を怒らせてはダメだ」という認識が広く浸透しているので、政権交代できても、そういうシャキッとした姿が見せられるかは、微妙です。保守派の人でも、中国との関係を気にして「戦略的曖昧さ」を支持する人は結構いますので。

 

 

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