韓国紙、「ハードカレンシー騒ぎ」に冷静な記事・・「もっとも信頼されるのは、ドル、ユーロ、円。『ウォン』は国際決済で20位内にも入れない」

昨日もお伝えしましたが、李在明候補の基軸通貨(※ハードカレンシー)発言が、結構多くのメディアから報じられています。ネットメディアでは「やればできるんだぞ」とするところもあるにはありますが、さすがに殆どのメディアが、「いや、無理」としています。

李在明候補が根拠とした全経連の報告書も、「GDP世界10位、証券市場時価総額9位に該当する韓国の地位を勘案すると、ウォンがIMFの特別引出権(SDR)通貨バスケットに含まれるべきだ」と主張するもので、別にハードカレンシーとは書いてないそうです。IMFには、5年に1回、SDR枠の通貨について審査するプロセスがあり、そのために今年7月には、ウォンが立候補してみたらどうか、と。

これまた、一部のメディアは、「SDRに入ればハードカレンシーとして認められたようなものだから、李候補も別に間違っていない」という無理のある主張をしています。しかし、ほとんどのメディアは「いや、それ違う」としているし、京郷新聞の場合、「人民元は2016年にSDRに編入されたが、国際社会は、人民元をハードカレンシーとは言わない」と、冷静に言い切っています。

SDRとは、ソース記事の説明を借りますと、IMF加盟国がピンチのときに担保なしで引き出すことができる権利のことで、ドル、円、ユーロ、ポンド、人民元など5つの通貨で構成されています。京郷新聞によると、そもそもIMFのSDR枠に入れたからといってハードカレンシーになれるわけでもないし、なにより、世界的にその通貨が信頼されているかどうかがもっとも重要だとしています。

国際決済において、もっとも一般的に使われるのがドルで、ユーロ、ポンド、人民元、円の順だそうです。また、JTBCによると、その中で『ドルと同じぐらい信頼されているのはユーロと円だけで、ポンドや中国元はそこまで信頼されているわけではない』、とも。その国際決済において、韓国ウォンは20位内にも入ってなく、どうみてもハードカレンシーになるのはハードじゃないのか、という趣旨が、二つの記事に共通しています。他にも、この件については現実的に報じるメディアが多く、ちょっと意外でした。本エントリーでは、京郷新聞とJTBCから該当内容を引用してみます。昨日もそうでしたが、引用部分、「基軸通貨」は「ハードカレンシー」に変えてあります。韓国では、ドル、ユーロ、円などを全て基軸通貨と言います。<<~>>が引用部分になります。

 

<<・・「国際取引で中心的な役割を果たす通貨という意味で見れば、依然として韓国がハードカレンシー通貨国になる可能性は低い。米ドルが覇権を握った後、現在まで地位を強固にしている。国際決済に使われる通貨の中で、韓国のウォンはほとんど比重がない。国際銀行間通信協会(SWIFT)によると、1月の国際決済通貨の割合はドル(39.92%)、ユーロ(36.56%)、ポンド(6.30%)、人民元(3.20%)、円(2.79%)の順だった。ウォンは、20位圏内にも無かった・・(京郷新聞>>

<<・・全経連の資料によると、IMFは5年に1回ずつSDRの通貨を決めるので、韓国も相応の要件を備えているから、今年7月にIMFの審査を受けてみようという内容です。しかし、IMFが認めたからといって、ハードカレンシーになれるわけではありません。最強の通貨とされるドルは、米国中央銀行が大量に刷って借金を返済しても、ほとんどの国がそれを受け取ります。ユーロと円も、同じぐらいのレベルであるというのが、専門家たちの話です。しかし、イギリスのポンドと中国の人民元は、まだそれほどの安全資産だとは言えない、とも言います・・(JTBC>>

韓国は、単純に経済規模からすると、金融が脆い国です。これといったメガバンクもありませんから。IMF管理下に入ったとき、金融市場を急いで全面的に解放したのが一因だとも言われています。それをやらなかったら、また別の分野で問題が起きたでしょうけども。しかし、G8がどうとか、位相(地位)がどうとか、いつも元気(?)の韓国だけあって、急に冷静になった韓国側の記事が、さらに冷たく感じられます。日韓通貨スワップに拘る理由もまた、ハッキリ見えてきます。

最後に、いつも告知です。アップデートした内容はありませんが、コメントの注意事項、未読の方はぜひお読みください。次の更新は、午後2時~3時頃を考えておりますが、今日・・ちょっと遅くなるかもしれません。

 

 

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