韓国の元歴史教授とネットメディア、竹島関連資料の内容を歪曲報道

竹島の日だった昨日、ネットメディア「オーマイニュース」に、「日本の竹島領有権は間違いだとする文書が見つかった」という記事が載りました。ソース記事によると、資料を発見、メディアに提報したのは、キム・ムンギル教授という人です。大学で日韓関係の歴史を教え、今は市民団体「韓日文化研究所」の所長だそうです。

キム教授が日本で手に入れたとする文書は、基本条約の締結後、島根県の漁師が、「竹島問題が解決できていない。竹島は明白に日本の領土なのに、これはどういうことですか」としながら、当時の日本の官房長官に嘆願書を送りました。その文書に、こう書いてあるというのです。「(竹島は)昭和4年(1929年)官報にて、島根県の管轄区に編入し、行政上で完全に五箇村に編入されました」。これからのオチのため、オーマイニュースに載っている文章の直訳にしました。(~)表記も全て原文ママです。

キム教授は、これが、日本は竹島の領有権根拠にしている、「1905年編入」とは違う、併合の後になる昭和4年(1929年)に編入したという根拠である、と主張しています。韓国では併合そのものを違法としているため、併合後の1929年の編入も無効ということになる・・と思っているのでしょう。そもそも、個人が書いた嘆願書がどこまで重みを持つのか、というのも疑問ですが・・実は、問題はそこではありません。

 

保守系メディア「ペンアンドマイク」が例の資料を読んでみたところ、もとの資料(嘆願書)には、こう書いてありました。「昭和四年の官報に、島根県の管轄区地域で久見漁業組合地先権編入と掲載され、完全に行政区域は五箇村に編入された次第です」。これはどういうことかというと、竹島で操業する権利がが昭和4年に久見漁業組合のものになった、すなわち操業権利に関する話で、領土問題を言っているわけではありません。これを、オーマイニュースまたはキム教授または両方が、韓国語でこう書いて記事にしたわけです。「(竹島は)昭和4年(1929年)官報にて、島根県の管轄区に編入し、行政上で完全に五箇村に編入されました」。これは、誤訳というレベルではありません。明らかな捏造です。以下、ペンアンドマイクから引用してみます。<<~>>が引用部分になります。

 

<<・・オーマイニュースは下線の部分と関、「(竹島は)昭和4年(1929年)官報に島根県管轄区域に編入し、行政上でも五箇村に所属した」と翻訳して紹介し、これまで1905年2月15日外務省訓令を通じて独島(※竹島のこと)を自国領土に編入したと主張してきた日本の主張に反論できる資料だと主張した。しかし、該当部分の正確な翻訳は、「昭和4年(1929年)官報に島根県管轄区地域の中で久見漁業組合地先權(操業権)編入と記載され、完全に行政区域は五箇村に編入されるようになったのです」である。

文書の前後の脈絡からして、独島を含む海域の操業権が、久美漁業協同組合に属することになったと知らせる内容が、官報に載ったという意味だ。協同組合の操業管轄権調整に関する問題を、領土主権の問題にすり替えたのは、途方もない飛躍であり、扇動でしかない。

情報提供者であるキム所長は、以前から沖島を訪れ、漁民から文書を収集し、それらを元に日本の竹島編入が1905年になされたという主張が偽という趣旨の主張をしてきた。しかし、面白いことに、 2016年8月16日、慶南新聞の『独島、韓日合併後の1939年日本に編入』という題の記事を見ると、キム所長は同様の方法を使って「独島が日本領土に編入されたのは1939年だ」と主張している。

キム所長は、まず1929年なのか1939年なのか、それから先に決めてほしいものだ。教授、実は日本語を知らないのだろうか。知っていながらも、記者に偽情報を提供をしたのだろうか。それとも、教授ではなく記者が、わざと誇張して記事を書いたのだろうか。多くの疑問しか残らない・・>>

 

元になったオーマイニュースの記事・・まだDAUMで確認できました(消されるかも知れません)。私もこの記事を知りませんでしたが、韓国でもあまり話題にならなかったようで、『独島~対馬はウリタン』という短いもの一つだけでした。記事本文を見てみたら、なんと、その文書の写真(画像)付きです。資料を手に入れたというのは嘘じゃないのでしょう。「これはりんごです」と書いてある文書に赤いライン付けて「見てください、パイナポーだったのです!」と騒いでいるわけですから・・シュールといえばシュールです。良からぬ意味で。

内容は、もちろん、ペンアンドマイクの翻訳で間違いありません。こちらがオーマイニュースの記事URLです。該当部分、写真付き、丁寧に赤いライン付き。ここからは邪推ですが、まさか、写真付きでこんな誤訳を載せる人がいるのでしょうか。多分、教授がわざと間違った内容を記者に教え、日本語が分からない記者が、確認せずに「やったー」とそのまま記事にしたのではないでしょうか。個人的には、教授のほうが怪しい気がします。どっちもどっちですけど。

 

 

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