尹錫悦（ユンソクヨル）候補の「日本自衛隊が朝鮮半島に入る」発言。すでに今朝のエントリーで「大した発言ではない」とお伝えしましたが、まだまだ韓国では大きな騒ぎになっています。与党の李在明（イジェミョン）候補は、尹候補を『親日だ』とし、激しい攻勢を仕掛けています。
ニューシースによると、＜＜李在明大統領候補と「共に民主党」は２６日、尹錫悦「国民の力」大統領候補が韓米日軍事同盟と関連して「（日本が）有事の際に入ってくることもできる」と発言したことをめぐって、「親日」レッテル貼りのための総力戦に乗り出した。31節を控えて、尹候補の発言を問題視することで、国民感情を刺激し、大統領選挙の好材料にできるという計算が敷かれているようだ・・＞＞、とのことでして。でも、なんというか、 韓国メディアが「レッテル貼り」と書いた時点でもう他に言うこともありませんが、あまりにもマニュアル通りで、ちょっと笑ってしまいます。以下、発言を超適当にまとめてみました。
「韓日関係の悪化は韓国政府のせいだとか、日本の主張に同調してきた尹候補が、日本自衛隊が韓国に入ってくることもできるとの妄言をした」、「到底、大韓民国大統領候補の発言だと思えない尹候補の国家観と対日本認識がよくわかる」「日本の主張と何の差もない、もうすぐ31節だというのに、自主国防の念願はおろか、国民に『日本軍』朝鮮半島再進入を心配させた」、「尹候補は発言を取り消し、国のために亡くなった方々と国民の前に謝罪せよ」、などなど。テンプレですね、ある意味。
韓国の世界観は、『日本は大陸進出を夢見ていて、そのために朝鮮半島を所有しようとしている』に固定されています。何もかもすべてズレていますが、なにより、時間がズレています。だから、竹島関連でも、『日本は、武力衝突を誘発させるために領有権を主張している』という話もよく出てくるし、他でもない与党大統領候補李在明氏も、同じ趣旨を話したこともあります。確か、「独島を『トリップワイヤー』に使う気だ。日本は本当に完全な友好国なのか」という発言でした。この点、日本で議論されている、相手側の基地を攻撃できる能力についても、韓国の反応は想像を超えます。以下、2020年8月6日ハンギョレ新聞から引用してみます。どっかで聞いたような表現が出てきます。＜＜～＞＞が引用部分となります。
＜＜・・「日本の御判により、朝鮮半島全域が火の海にされる恐れもある」、「韓国が同意しない武力介入を避けるよう、戦略対話を始める必要がある」（※見出し）。日本が、北朝鮮と中国など周辺国のミサイル基地などを直接打撃することができる、敵基地攻撃能力を保持すると、事実上、方針を定めた。この決定が今後の朝鮮半島を含む東アジア情勢に及ぼす影響に関心が集中されている。日本の「誤った判断」や、過ぎた反応により、朝鮮半島が危機に陥る可能性があるだけに、両国の国防当局間の意思疎通を強化する必要性が大きくなった。
河野太郎（※当時）防衛相は4日の定例記者会見で、日本の敵基地攻撃能力保有と関連し、非常に注目すべき発言を残した。日本が憲法などの制約によりこれまで保有していなかったこの能力を持つには、「周辺国の理解が重要である」とする記者の質問に、「中国がミサイルを増強する状況で、なぜそのような了解が必要なのか 」、「私たち国の領土を防衛するのに、なぜ韓国の了解が必要なのか」と答えたのだ。それでも韓国政府は三日が経ってもちゃんとした立場を表明せず、原則的立場を繰り返している・・＞＞
火の海って・・それ、北のことを気にしたほうがいいと思いますけど。先の書きましたが、韓国側のメディアも「レッテル貼りキター」な感じの記事を載せていますが、中には尹候補の発言を徹底して非難する、そんな記事もあります。個人的な意見ですが、今回の「有事の際」発言は、文在寅大統領の親中政策（3NO）を問題視する議論の中で出てきたので、尹候補の支持率に大きな影響を及ぼすことはないでしょう。しかし、与党とてバカじゃありません。こういうのをここまで取り上げていること自体、『有事の際に日本軍（？）が来る』ということが、韓国の人たちにとってどういうことなのか。どう認識されているのか。それをハッキリ示してくれたと言えるでしょう。
率直に言って、今日本が韓国を、なんというのかな、所有？支配？したところで、日本に何か得があるのでしょうか。なにか、『韓国はとても重要な位置』という認識がすぎるのではないか、そんな気もします。地政学的なことを言っているのなら、だからこそ自由民主主義国家としての自覚をちゃんと持ってほしいところですが。
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