今日は、韓国で言う「31節」です。1919年3月1日に大規模デモが始まった日、となっています。
韓国が国家の母体(笑)としている『臨時政府』が始まった、とされる日でもあります。李承晩(イ・スンマン)大統領などは、公文書でも韓国の建国時点を1919年から数えました。韓国ではこの臨時政府こそが朝鮮半島の正式政府であり、だから日本との併合は無効だ、ということにしていますが、併合から1919年3月1日まで間があるのは誰も指摘しません。また、臨時政府を名乗るところが多すぎで、統合するまで結構時間がかかり、臨時政府樹立記念日というのは別にあります。もう何がなんだか分かりません。言うまでもなく、米軍だろうと連合軍だろうと、朝鮮半島の統治権が「日本から臨時政府へ」渡ったと認識したことはありません。あくまで、終戦により日本から米軍(連合軍)側に統治権が渡り、朝鮮半島で3年間の軍政が始まり、それから総選挙で大韓民国が(1948年に)建国、という形です。
1945年11月19日、臨時政府の主席だった金九氏が(初代大統領は李承晩氏でしたが弾劾されました)、中国駐屯米軍司令官であるWedemeyer氏に書いた手紙には、こう書いてあります。「私を含め、大韓民国臨時政府(※終戦の頃には中国の重慶にありました)のメンバーたちが、航空便で韓国に入国することに関連し、私は、私たちが公人としてではなく、間違いなく個人として入国が可許されたことを、十分に理解しているとここに証明します。さらに、私たちは韓国に入国し、集団的にも、個人的にも、行政的・政治的権力を行使する政府としては機能しないことを誓います。私たちの入国目的は、米軍政が韓国人たちのために秩序を確立することに協力することであります。あなたの配慮と考慮に、本当に感謝致します(ソースは2019年1月20日ハンギョレ新聞)」。
おかしいですね。『政府』なら、1945年11月にはものすごく忙しかったはずなのに、なんでわざわざこんな書き方をしないといけなかったのでしょうか。むしろ、戦後処理のために米軍、連合軍側から臨時政府の人たちを呼び寄せたはずですが。所詮、こんなものです。臨時政府というのは。 ・・で、ここらへんで読者の皆さんから「あの、題(31節演説)と内容が違いますけど(#^ω^)」と言われそうな気がしますが・・それは、ま、なんだ、いい天気ですけど、文在寅大統領、今日も31節演説を行いました。31節と光復節(8月15日)の演説は、韓国の大統領演説の中でも特に重要とされますから、当然です。ですが、これといって内容がありません。
JTBCが全文を載せてくれたので読んでみましたが、なんというか、BTSがどうとか、「G7に2年連続で招待されるほど(演説文原文ママ)」で、『位相(地位)が高くなりました(こちらも原文ママ)」とアピールする内容が、8割以上です。一つ、目立つのがあるとすると、『抗日』という言葉で南北関係を結びつけた、ぐらいでしょうか。以下、本ブログ的に気になる部分だけ、ソース記事から引用してみます。
「私たちがより強くなるために必ず必要なのが朝鮮半島の平和です」、「3・1独立運動には、南と北の区別はありませんでした」、「様々な勢力が臨時政府と力を合わせ、左・右を統合する連合政府を成し遂げました」、「抗日独立運動の本体は、民族の団結と統合でした」、「臨時政府傘下で一つに統合された光復軍は、抗日独立運動史に輝く跡を残しました」、「韓日関係を超えて、日本が先進国としてリーダーシップを発揮することを、心から願っています。そのためには、日本は歴史を直視し、歴史の前で謙虚でなければなりません」、「かつて不幸だった過去のせいで掘り返されてしまう隣国国民の傷に共感できる時、日本は信頼される国になれるでしょう」。
いや、臨時政府といっても、戦後に左と右に分かれて壮絶なコ○シアイを展開したのも、その臨時政府の人たちですが・・それに光復軍って何もしていないし、そもそも数百人いたかどうかの規模だったし、それすらも戦後「お金やる」と言われて急に現れた『偽物』も多いですし・・掘り返すのはいつも韓国だし。『直視』すればするほど、演説の矛盾が大きくなるだけです。でも、こういうのも、『日本への非難は控えめだった』とか、そう報じられることでしょうね、多分。
去年も、日本関連の内容は(いつもに比べると)大人しかった、と言われました。それもそのはず、去年3月1日の文大統領は、東京オリンピックでの南北関係進展を夢見ていました。去年31節演説でも、「今年開かれる東京オリンピックは、韓日間、南北間、北日(※日朝)間、そして北米(※米朝)間の対話の機会になるだろう」とし、その点を強調していたから、というのもあります。ちなみに、その前の2021年新年記念辞でも同じ趣旨を述べています。言うまでもなく、北朝鮮は参加すらせず、日韓首脳会談も霧散という、散々たる結果でしたが。でも、少し詳しく演説文を見てみると、「韓国日本と私たちの間に不幸だった歴史があり、加害者は忘れることができても被害者は忘れられない」など、韓国大統領ならせは(?)の内容もちゃんと入っていました。言いたい放題で、後で「でも未来志向で行こう」と言ってしまえば、それだけでも「未来を語った」「日本批判は控え目」と報道されますから。
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。次の更新は、18時~19時あたりを考えております。 3月2日は、いよいよ、拙著「卑日」の発売日です。昨日、出版社からサンプルも届きました。ありがとうございます。書きたいことが書けて、幸せです。
新刊<卑日(扶桑社新書)>が2022年3月2日発売です。韓国に蔓延する、新しい、そして歪んだ対日観、『卑日』について考察した内容です。最近、韓国で流行っている『地位』『国格』などの言葉と、その裏の意味。K防疫や終戦宣言なども含め、なぜ今韓国に『卑』が必要なのかを考察、率直に書きました。ぜひ、ご一読を!
・准新刊<文在寅政権最後の暴走>が発売中です。文政権においての日韓関係とは。文政権の考える『まともな国』とは。まともな南北、対日、対米、対中関係とは。それらはどういうもので、どう失敗したのか。そんな内容の本です。・既刊として、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >も発売中です。他の拙著については別ページにまとめました。
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