中央日報が、「事実上のG8だと自慢しておいて、なんでロシアのウクライナ侵攻に対してはこんなにも対処が遅いのか」という記事を載せました。題を見て「あ、こういうの一つは来ると思った」と読んでみましたが・・・うーん・・・「なにか違う」と、私の後頭部(ゴースト)が囁いています。記事の趣旨には大いに同意できます。でも、何か違います。なにがどう違うのか、とりあえず本文から、気になる部分だけ取ってみます。
「文在寅政府は任期中、韓国がG8の地位に上がったと自平した」、「文大統領がヨーロッパ訪問を終えた昨年6月、大統領府のパク・スヒョン国民疎通首席秘書官は『韓国が名実共にG8国家になれたのではないか、それが国際的な評価だ』を強調した」、「ソン・ヨンギル共に民主党代表は『文大統領がG8国家としての扱いを受けながら堂々と国益を上げたのに』、言論の評価があまりにもケチだと責めた」、
「しかし、ウクライナ侵攻に対して、韓国政府は対応が遅い。数時間単位で物事を見ないといけない状況で、他のG7より数日以上は遅い」、「しかし、それでも、まるで何か凄いことをしたかのように、成果を上げたと発表する」、「こうした局面で対応が遅いのは、国際社会が認識する大韓民国の地位と直結する問題だ」、「韓米同盟を外交の根幹でそして、世界10位の経済規模を持つ大韓民国が、数日も遅れたのだ」・・
・・なんというか、「誰のためにやっているのだろう」という部分を考えずにはいられません。記者さんは政府を批判していますが、韓国政府もこの記者とまったく同じミスをしてきました。分かりやすいのが、K防疫です。これ、拙著『卑日』にも引用した記事ですが、2020年4月17日、当時の丁世均(ジョンセギュン)総理は、韓国の防疫モデルを「K-防疫」とし、このモデルを世界中に『共有』するよう、外交部に注文しました。「私たちの防疫モデルに世界が関心を持って注目している」「開発途上国だけでなく先進国までもベンチマーキングの対象にしている」とし、その内容は共有というよりは「広報」でした。実際、それからK防疫の広報のために結構なお金を使ったことで、何度か問題が提起されました。
2020年4月20日のKBSがこの件を報じていますが、そこで外交部側の匿名関係者は、こう話しています。「K-防疫と名付けるのは、それは、私たちの間でそう呼ぶはいいとしても、外国の防疫のためとなると、(※K防疫とか言うより)できるだけその国のために役に立とうとする謙虚な姿勢を示したほうは、いいじゃないだろうか」。今回の中央日報の記事からもまた、同じ過ちが見えてきます。各国が出来ることをやるのはとても素晴らしいことです。そこに、『自国のためでもある』という側面があるのは、そう不自然なことではありません。そもそも、責任を果たそうとするのは、システムのためであり、自分もそのシステムの一部ですから。しかし、なぜでしょう。ソース記事の複数の文章が、私には『事実上のG8』と同じにしか見えません。さらに傑作なのは、最後の部分です。ここは引用してみましょう。中央日報、<<~>>は引用部分になります。
<<・・文大統領が逃したもっとも最も残念なチャンスは、3・1節記念史だった。今、ウクライナでは市民たちが武器も持たずにロシアのタンクの進軍を防ぎ、子供たちがロシアの兵士たちに拳を振りながら毎日を頑張っている(※子供たちがこんなことをしているとは聞いたことがありませんが、どっかにソースでもあるのでしょうか?)。このような抵抗精神は、1919年3‧1運動で私たちの先祖たちが見せた、まさにそれだ。
文大統領の3‧1節記念演説に、ウクライナ国民に対するメッセージを入れるべきだった。3‧1運動について、「非暴力の平和的な抵抗が新しい時代を開くことができることを示しました。独立の歓声は鴨緑江を渡り、太平洋を越えて世界中に響き渡りました」としながらも、それをウクライナにつなげることができなかった。もちろん、そうできなかったからって批判されることではない。ただ、大韓民国ほどの国には、そんな国の指導者には、それ以上を期待したいという意味だ。何度も強調した通り、文政府がG8に飛躍したのが本当なら、それぐらいは考えなければならないだろう>>
この最後の部分を読んで確信できました。そう、K防疫と同じです。『誰と戦っているんだ、この人たちは!』。 ※本文はここまでです。本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。次の更新は、18~19時あたりを考えております。
おかげさまで、拙著『卑日』が無事発売されました!本当にありがとうございます!
拙著の紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください
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