おかげさまで、今日もまたプレジデントオンラインに、拙著『卑日』の一部が載りました。重複する内容で恐縮ですが、今日はそのさらに一部の紹介をもって、夕方のエントリーに代えさせていただきたく存じます。ソースページにはもっと載っていますので、よかったらぜひお読みください!
結局は全て「反日」ですが、いくつかカテゴリーみたいななにかがあります。『卑』と関連して紹介したいのは、やはり、最近はあまり聞かなくなった「克日(グクイル)」ではないでしょうか。1988年ソウルオリンピック開催の決定などで、未来に対して自信を得た韓国社会は、軍事政権の主導で「いつか、日本を超えてみせる」という意味で克日キャンペーンを展開しました。あくまで逸話ではありますが、「克」は「勝」より勝ち負けのイメージが弱く、自分で自分を乗り越えるという意味があるので、克という字が選ばれた、とも聞きます。
それもそのはずで、韓国では、「克」の字は、一般的には「克服」または「克己」ぐらいしか使いません。特に軍事政権の頃は、「克己訓練」という言葉が有名でした。強度の強い訓練のことで、例えば高校生、大学生が海兵隊に体験入隊してわざと強い訓練を体験することなどを、克己訓練、または克己体験と呼びました。1990年代初頭まで、高校にも軍事訓練のような授業(「校練」科目)がありましたが、先生から適当に「よしっ、授業が終わるまでグラウンドを走れ!」と言われ、授業が終わった後に「先生、これ何の意味があるんですか」と聞くと、ほぼ間違いなく「克己を知らんのか!」と叱られました。体育との差がよく分かりません。
いま思えば、軍事政権の克日というのは、『ただ走り続けるだけのもの』だったかもしれません。努力しろ、節約しろ、頑張れ、労働組合などには入るな、民族の誇りを持て、そんな内容ばかりで、詳しくなにをどうしろという「指導」がされていたわけでもありません。でも、少なくとも人々の頭の中には、希望的な何かを植え付けてくれました。いくつか存在する反日思想のカテゴリーの中でも、この「克(克己)日」は、「卑日(日本を見下す)」とは、まったくの反対側の概念となります(※所詮は反日カテゴリーということもあって、私はこの克日を肯定的に見ているわけではありません。大体、こんな概念に『日』の字が入ること自体、肯定的ではないからです)。
反日思想から「克己」を極大化させようとしたのが克日なら、反日思想から「克己」を極小化させたのが卑日だからです。そう、苦しくても頑張って乗り越える(克)のが克日なら、「日本を乗り越える必要はない。なぜなら、韓国がもっと上にあるからだ」と設定し、自分自身は何もする必要がないシチュエーションを作るわけです。
親が子に対して「徹夜で勉強してテストで良い点数を取れ(方法は知らないけど)!」とするのが『克』日なら、「テストなど、人生に何の役にも立たない」とし、テスト自体を否定してしまうこと、それが『卑』日です。テストという存在を、間違った教育システムの象徴だと「見下す(卑)」ことで、自分自身を、テストで順位を決めるシステムそのものよりも上位の高品格な「何か」に設定するわけです。
韓国内でも、一部の人たちが、こういうスタンスに対して「現実とかけ離れている」と指摘することもあります。しかし、残念なことに、「韓民族が日本民族より劣っているというのか」「日本が韓国を植民地にしたときと同じ理屈だ」などの反論に潰されるのがオチです。プレジデントオンラインにはもっと載っていますので、ぜひ、お読みください。手抜きで申し訳ございませんが、今日はこれで失礼いたします。※本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。
拙著『卑日』の一部が、プレジデントオンライン(3月7日)に掲載されました。ぜひお読みください。以下、拙著の紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください
新刊<卑日(扶桑社新書)>が発売中(2022年3月2日)です。韓国に蔓延する、新しい、そして歪んだ対日観、『卑日』について考察した内容です。最近、韓国で流行っている『地位』『国格』などの言葉と、その裏の意味。K防疫や終戦宣言なども含め、なぜ今韓国に『卑』が必要なのかを考察、率直に書きました。ぜひ、ご一読を!
・准新刊<文在寅政権最後の暴走>が発売中です。文政権においての日韓関係とは。文政権の考える『まともな国』とは。まともな南北、対日、対米、対中関係とは。それらはどういうもので、どう失敗したのか。そんな内容の本です。・既刊として、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >も発売中です。他の拙著については別ページにまとめました。
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