まず、古い記事を掘り返す以外は速報を心がけている本ブログですが、本件はお伝えするのが随分遅くなりました。「知ってた」という方々には、申し訳ございません。
2月だったかな。東京都の重症患者基準が国の基準と違うという指摘がありました。あのとき、こんな内容だったと記憶しています。日本の国家基準(厚生労働省)では、新型コロナ患者のうち、「人工呼吸器」または「人工心肺装置(ECMO、エクモ)」を使用している人、または集中治療室(ICU)で治療している患者を意味します。ですが、東京都の基準では、例え集中治療室で治療をしていても、人工呼吸器やエクモを使っていない患者は、重症患者としてカウントしないというものでした。東京都のページには、国家基準としての数も公開されています。個人的に、基準は統一した方がいいじゃないかな、と思いました。ですが、韓国も、『人工呼吸器(エクモなど)』を使っている新型コロナ患者だけを、重症患者としてカウントしていることが分かりました。これは全国共通です。
新型コロナ重症患者は肺に問題が発生する場合がほとんどでした。だからこんな基準も作られたわけですが、オミクロン変異は今までの新型コロナに比べて、人工呼吸器に依存しない重症患者も増えてきています。肺への影響が、今までほどではないからです。ご存知、韓国政府は、各病院に『新型コロナ重症患者のための病床を確保せよ』と行政命令を出しています。病床やスタッフに余裕があるならともかく、病床が足りない場合はどうなるのか。人工呼吸器を使っていない患者(実はこちらも重症患者)を、「重症患者ではない」として、他の病院、一般病床などに移す、言わば『後回し』にしなければなりません。この件、3月1日の東亜日報がちゃんと報じていますが、さほど話題にはならず、ソース記事のコメントも5つだけです。<<~>>が引用部分となります。
<<政府の公式統計にカウントされない新型コロナ重症患者がこの1カ月で6倍近く増えた。政府は、新型コロナに感染、重症であっても、機械装置なしで自分で呼吸できる場合は、新型コロナ重症患者として集計しない。しかし、オミクロン変異の拡散により、心・脳血管患者など、非呼吸器重症患者の感染が増え、医療現場の人材不足がさらに深刻になっている。(※3月)1日、疾病管理庁はこの日0時基準で韓国の新型コロナ重症患者が727人だと明らかにした。だが、同日、全国の新型コロナ重症患者用病床は、それより多い1324個が使用中だ。重症患者の数より、使われている病状が多い謎の現象が現れているのだ。
現在、疾病庁は、新型コロナ感染者の中で、人工呼吸器や人工心肺器(エクモ)など機械に呼吸を依存する「機械呼吸重症患者」だけを新型コロナ重症患者として集計している。このため、1日基準で597人の患者が、新型コロナ感染と確認され、重症患者用の病床に入院しているが、自ら呼吸することができるため、新型コロナ重症患者としてカウントされていないのだ。彼らの多くは、脳卒中や狭心症、糖尿病などの非呼吸器系の基礎疾患を患っている・・>>
政府の防疫政策に異論を出し、自ら政府の諮問機関『日常回復委員会』を脱会したイ・ジェガプ感染内科教授は、3月7日の東亜日報とのインタビューで、このように話しています。「前には、新型コロナにかかれば、主に肺に問題が生じました。でも、オミクロンで感染者が急増し、『自分で呼吸できる』重症患者も多くなってきました。しかし、ありえないことが起きました。病状配分は保健福祉部がします。保健福祉部の局長、課長にも医師はいますが、医療現場を知らない人ばかりです。だから、自分で呼吸できる重症患者が重症患者用病床を使っていると、『なんであの人たちがあのベッドを使っている。さっさと移しなさい、さっさと』と言ってくるのですよ。移すってどこにですか。新型コロナにかかった心不全透析患者をどこに移せ、と?」
病院側が猛抗議して、先月辺りから『他の疾患によっては(自分で呼吸できる重症患者も)新型コロナ重症患者用病床をつかうこともできる』と、指針に一行だけ追記されたそうです。しかし、これもまだ病床に余裕があれば、のことじゃないでしょうか(ソース記事にこれ以上詳しくは書いてませんでした)。もちろん、彼らが重症患者にカウントされないのは、今も同じです。
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